ダイレクトメールで効果的なデザインを作成するコツとは?
2023.10.19 2018.05.01印刷・デザインDM(ダイレクトメール)の成功には、ターゲット、オファー、タイミング、クリエイティブ(文章内容とデザイン)4つの要素が不可欠ですが、この記事ではクリエイティブという要素のうちの1つ、DMの「デザイン」に関して、解説していきます。
さらに、DMのメリット・デメリット、DMデザインでの成功事例についても解説していきます。
それでは、DMの前提から解説していきます。
目次
DMは100点か0点かしかない
DMは「ターゲット」「オファー」「タイミング」「クリエイティブ」という4つの要素から成り立ち、その重要度は5:2:2:1と言われています。
つまりデザインや文章内容はわずか10%と、重要度が低いと考えられがちです。
しかし、大前提として、例えばどれだけターゲットの悩みを理解し、タイミングも良く、オファーがお客さまにとって嬉しいものであっても、「読まれなければ」そのDMはただのゴミです。
簡単に言えば、DMには50点も、90点も存在せず、100点か、0点かしかあり得ないということです。
DMを送る理由は、お問い合わせの電話をしてもらったり、店舗に足を運んでもらったりと、企業や店舗により様々ですが、そのDMによってお客さまになんらかの行動を起こしてもらうことです。
その行動を起こしてもらえたならば、100点であり、それがなければ0点ということになります。また、100点か、0点かを分ける要素のうちの、ターゲット、オファー、タイミングの3つは、DMを作成する前のリサーチ力と企画力であると考えてください。
それでは、次にDMのメリット・デメリットについて解説します。
DMのメリット・デメリット
2005年に個人情報保護法が施行され、現在は不特定多数の見込み客リストを業者から買い取ることができず、企業や店舗からの情報を受け取ることを承認している見込み度の高い顧客リストにのみDMを送り、コンバージョンを得るということが主な目的となっています。
しかしこれは、多くの見込み客にアプローチできなくなった反面、一人ひとりに対しよりコストがかけられるようになったということでもあります。
つまり、今は「数を打てば当たる」の時代ではなく、一人の人間に対してより優れたDMを送らなければならない時代ということです。
このような背景を持つ現在のDMのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | ・新聞やオンライン広告などと違い、同一人物に対し、継続的なアプローチが可能 ・見込み客に物質的な付加価値を与えられる |
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DMの優れた点は上記2つのポイントです。
継続的にアプローチできるので、説明が難しい商品でも継続的に段階を踏んで説明できますし、手元にDMを残させることでDMが届いてから時間が経っても思い出させることもできます。
また、物質的な価値として見込み客の手元に残すことができます。例えば、立体的なカレンダーになるDMや、ポスターなどがその好例です。
デメリット | ・不特定多数に送ることができないので送付母数が下がる ・ターゲット像の明確化ができていないと成功しない |
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DMのデメリットは上に挙げた2つで、個人情報保護法によってDMを送れる顧客数が少ないこと、またそれに伴い、よりクオリティの高いDMを作成し、成約率や反応率を上げなければならないことです。
そのためには、より明確に、詳しく、ターゲット像を絞り込む必要性があります。
これらをまとめると、DMはまずターゲットのことを理解し、そのターゲットが手元に残したいと思えるものであることが成功への第一条件言えます。
次に、成功しやすいDMのデザインとはどのようなものかを解説します。
成功しやすいDMのデザインはいかに「常識外れ」であるかがポイント
世の中で成功したとされるDMのデザインは、いかに常識外れであるかが重要です。
もちろん、倫理観を無視したりするのはタブーですが、考え方としては、「顧客がこれまでにもらったことのないDMを作ること」がポイントです。
常識外れとは、「人の興味を引く」ということ
常識外れであることの極端な例を出すと、以前アメリカでココナッツの殻に手紙を入れたDMが存在しました。このようなバカげたDMは非常識だと思われるかもしれませんが、常識外れであればあるほど、「人の興味」を引きます。
もちろんココナッツに手紙を入れろとまでは言いませんが、顧客が思わずニヤッとしてしまうデザイン、またはアッと驚くデザインをDMに施すことが大切ということです。
顧客の「開封したい」「捨てたくない」という感情を引き起こそう
それでは、顧客が驚くデザインとはどのようなものかを考えると、それは顧客が、
- 開封したい
- 捨てたくない
と思ってしまうデザインのことです。
郵便受けには毎日のようにありとあらゆる郵便物が入ります。それを受け取る人は、まずパッと見て次の3つのグループにそれぞれの郵便物を分類します。
- すぐに開封するもの(読むもの)
- あとで時間があるときに開封するもの(読むもの)
- ゴミ箱行き
つまり、DMが届いた時点で、1グループ、もしくは最悪でも、2グループに入るDMのデザインが必要ということです。
Cグループから脱出するための「捨てたくないDMのデザイン」とは
捨てたくないDMのデザインとは、例えば、レクサスのDMなどが好例です。
出典 : 郵便局 全日本DM大賞
折り畳みのリーフレット型のDMですが、内面は、運転席から見えるハンドルなどの内装部分の写真が全面に印刷されており、実際に乗っている感覚にするというものでした。
それだけでレクサスが好きな顧客は「乗りたい」という感情が駆り立てられますし、とてもきれいなリーフレットなので部屋に飾ろうとも思えます。
このように、「ターゲット自身」が「捨てたくない」と思えるDMのデザインを考えることがCグループから脱出する最も有効な方法です。
また、封筒である場合、封筒自体に開封したくなる文章を記載したり、モノを入れたりと、開封したくなる工夫をしなければなりません。
文章の場合は、オファー内容をほのめかす文章であったり、商品を使ったお客様の声であったり、そのような文章を入れるのが良いでしょう。
封筒内にモノを入れると、必ずと言っていいほど開封されます。ただし、封筒型の場合、そこからさらに「捨てたくない」と思わせる封筒内のDM自体のデザインも大切となりますのでかなりハードルが高いとも言えます。
また、封筒は茶封筒などではなく、できるだけ高級感のある便せんを入れる手紙用の封筒、または透明封筒などのほうが開封率は上がります。
封筒を利用する場合は、顧客に行ってもらうステップが1つ増えるということ、コストがそれだけで高くなるということも注意点として覚えておいてください。
それでは最後に成功したDMデザインの事例を紹介します。
成功したDMデザイン事例
大兼工務店の顧客アンケートのためのDM
出典 :郵便局 全日本DM大賞
新居を購入した顧客に対し、アンケートへの回答を募集するためのDMです。
手紙自体が立体的な家になっているので、かなり高確率で「捨てられない」DMとなっています。
また、「手書き」のDMはワープロなどの文字よりも捨てられにくい傾向があります。
デザインとして、完全手書きのDMを作り、それを印刷するというのも1つの手段と言えます。
タカギの浄水キットお試しセット
出典 : 郵便局 全日本DM大賞
お試しセット型のDMでは、「開封してもらう」「使ってもらう」の2つをクリアする必要があります。この例では外箱に「浄水カートリッジプレゼント」と記載し、まずは開けてもらうことに成功しています。
さらに、中身のリーフレットは立体的になっており、使い方をステップごとにわかりやすく記載し、使用してもらうことに成功しているDMです。
これら以外にも様々な成功したDMのデザインがありますが、まずは自社の見込み客が「捨てられない」と思えるものはなにかを考えてみることから始めましょう。
おわりに
以上、DMの成功に効果的なデザインについて解説してきました。デザインを考えるときのポイントは、見込み客の「捨てられない」という感情を呼び起こす、常識外れなデザインをすることです。
しかし、DMのゴールは「捨てられないこと」ではなく、「コンバージョン」です。そのためには優れたコピー内容や企画も必要です。
教えて!DM先生 編集部
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