圧着DM(圧着ハガキ/封筒)とは?メリット・種類・折り方・活用事例を紹介!
2024.12.13 2023.08.01ダイレクトメールダイレクトメールの定番のひとつ、圧着DM。とはいえ、制作から印刷・発送にいたるまで通常のDMとは勝手が違い、慣れないうちは困ってしまうことも多いのではないでしょうか。実際に弊社でもよく相談を受けます。
そこでこの記事では、圧着DMについて最低限知っておきたい基本ノウハウや注意点、効果的に活用するためのポイントをまとめました。他社事例も掲載していますので、企画・デザインの参考としてもお使いください。
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目次
圧着ハガキと圧着封筒について
まずは圧着DMに使用する“圧着ハガキ”と“圧着封筒”について、それぞれの特徴を簡単に紹介します。
圧着ハガキとは?
圧着ハガキとは、ハガキの印刷面に専用のニスや糊(のり)を塗布し、熱や圧力で接着させたハガキのことです。一言でいうなら、“折りたたみハガキ”。通常のハガキは裏表2面しかありませんが、圧着ハガキは折り方を工夫することで面の数を増やし、何倍もの情報を伝えることができます。
一般に圧着DMというとこの圧着ハガキを使ったものを指し、業界問わず多く活用されています。
上図は1面の大きさが官製ハガキサイズ(100mm × 148mm)ですが、より大きいA4サイズ(210mm × 297mm)の圧着ハガキも多く活用されています。
圧着封筒とは?
1枚の紙を折りたたんで、辺部分を圧着して封をしたものを圧着封筒と呼びます。上図のような3辺を圧着してミシン目を入れたものがポピュラーですが、紙の余剰分を“フタ”のようにかぶせて圧着するパターンも見かけます。
紙の折り方は例のような「Z型」と「巻き折り」の2種類あり、あいだに別の用紙をはさんで封入することもあります。
とくにミシン目入りの圧着封筒は圧着ハガキよりも“厳重”な印象を与えるため、請求書や郵送での給与明細(例:派遣社員向け)、健康診断の結果通知などに多く使われています。
圧着DMのメリットとデメリット(注意点)
続いて圧着DMのメリットと、実施する際に気をつけたいポイントを紹介します。
圧着DMのメリット
圧着DMのメリットは次の3つです。
- 同じ郵便料金でより多くの情報を伝えられる
- 高い開封率が期待できる
- 個人情報保護にすぐれている
1つずつ説明していきます。
同じ郵送費用でより多くの情報を伝えられる
一言でいえば、情報コスパの良さ。基本的に圧着DMは、圧着された状態のサイズの郵便料金で送ることができます。たとえば圧着面をはがすと6面になるハガキでも、圧着した状態が官製ハガキのサイズであれば、63円/通で郵送可能ということです。(※ただし、重量などによって料金が変わる場合があります。詳しい郵便規定については下の「圧着DMの郵便種類と郵送料金」をご確認ください)
通常、情報量はDMの反響(レスポンス)に影響します。とくに高価格帯の商品や、仕組みが複雑なサービスの場合、読み手を説得させるためには相応の情報が必要です。そうした意味でも、情報コスパの良さは圧着DMの一番のメリットといえるでしょう。
高い開封率が期待できる
DMの最初の難関は開封してもらうこと。どんなに中身がすばらしくても、手に取って読んでもらえなければ意味がありません。圧着DMは、通常の封書と違い、はがしやすい特殊な加工を施しているので、受け手に開封の負担を与えないというメリットがあります。
また、重要な内容を中に隠しておくことで、人間の「知りたい」「見てみたい」という心理をあおる効果もあるともいわれています。
情報セキュリティにすぐれている
通常のハガキは外から記載内容が丸見えですが、圧着加工すればハガキでも第三者に知らせたくない情報を隠して送ることが可能です。封書よりも発送コストを抑えられるので、とくに請求書や給与明細など“定期的”な親展通知に適しています。
圧着DMのデメリット(注意点)
圧着DMを実施する際に注意すべき点は次の3つです。
- 水と高温多湿の環境に弱い
- 長期保管は適さない
- 郵便法の規定により想定以上の料金がかかる場合がある
1つずつ説明していきます。
水分と高温多湿の環境に弱い
圧着DMを水に濡らしたり高温多湿の場所に保管したりしておくと、糊(のり)がはがれたり、ニスが固まって開封するときに破れたりする恐れがあります。外部業者に印刷・発送を依頼する際は、事前に圧着DMの取り扱いに慣れているかどうか確認しておくことが大切です。
長期保管は適さない
「水分と高温多湿の環境に弱い」ともかかわりますが、圧着DMの圧着面はデリケートで、時間の経過によっても劣化します。そのため販促ツールで一般的な、「印刷コストを抑えるためにまとめ刷りしておいて、必要な時に必要な分だけ発送する」という方法は適切ではありません。
郵便法の規定により想定以上の料金がかかる場合がある
圧着ハガキは通常のハガキよりも多くの紙を使うため、紙質や印刷のインク量によっては重量超過でハガキ(第二種郵便物)として認められない場合があります。また重量以外にも、表記や加工について細かい規定が存在します。
郵便法による規定については次の項で詳しく説明しますが、慣れないうちは圧着DMの実績豊富な発送代行業者や印刷会社に依頼するか、郵便局に相談・確認することをおすすめします。
ちなみに、本コンテンツを運営している【ネット上でDM印刷・作業・発送の注文ができるセルマーケ】は運営元のディーエムソリューションズ(株)が創業当時から発送代行業務を行っているため、圧着DMに関する実績や知識が豊富です。DM施策に関するご質問はお問合せ窓口≫にて受付ていますので、お気軽にご相談ください!
また、100通以上発送する場合には【DM発送ウルトラパック】がおすすめ!印刷・作業・発送がパッケージ化されているため、価格は業界最安級!圧着ハガキDMの各種サイズをご用意しています。
🔍あわせて確認!圧着DMの商品ページ
≫V型圧着はがきDMサービスページ
≫A4圧着大判はがきDMサービスページ
圧着DMの郵便種類と郵送料金
圧着DMでは、同じサイズのハガキ・封筒を使っていても、重量や表記、圧着加工の種類によって郵便種類や郵送料が異なることがあります。想定以上の郵便料金がかかってしまわないように注意しましょう。
第二種郵便物として送れる圧着ハガキの種類
第二種郵便物とは、ハガキの料金(通常ハガキ:85円/通、往復ハガキ:170円/通)で送ることのできる郵便物を指します。
基本的に圧着ハガキを使ったDMは第二種郵便物に該当しますが、すべてが当てはまるわけではありません。圧着ハガキを第二郵便物として送るにあたっては、次のような規定があります。
A4圧着ハガキを含め、上記の規定から外れた圧着ハガキは、圧着封筒と同じく第一種郵便物(定形郵便物・定形外郵便物)として取り扱われます。
ハガキ本体の「郵便はがき(POST CARD)」表記について
上図の〈その他〉に記載している“ハガキ本体の表記”については、説明が必要かと思います。
圧着ハガキは複数の面で構成されていますが、一番面積の大きい面が“ハガキ本体”、それ以外の面は“添付物”とみなされ、第二種郵便物として送るためには、ハガキ本体面に「郵便はがき」または「POST CARD」と見えるように記載する必要があります。
とくに注意すべきなのが、圧着面をはがしやすいように加工したハガキです。加工方法によって、ハガキ本体になる面が変わるからです。ここでは圧着DMでもっともポピュラーな、圧着面にミミをつくる“ずらし加工”と、圧着面の角をカットする“コーナーカット”を例に紹介します。
ずらし加工ハガキの場合はミミ(上図赤色部分)のある面がハガキ本体になります。「郵便ハガキ(POST CARD)」表記は上図のようにミミに記載するのが一般的です。
>💡DM発送ウルトラパックの「V型圧着はがきDM」は、ずらし加工です。印刷データの「テンプレート」もあるので、是非ご活用ください。
コーナーカットハガキの場合は、コーナーカットした面と向かい合う(圧着する)面がハガキ本体になります。二つ折り圧着ハガキの場合は、上図真ん中のハガキのように宛名面ではない方の面の角をカットするか、右端のハガキのように宛名面(添付物)に穴を空け、ハガキ本体の「郵便はがき」表記が見えるように加工するパターンが一般的です。
左端のパターンもよく見かけますが、実は厳密には第二種郵便物規定外です。ただし場合によってはOK郵便局もあり、どうしてもこだわりたい場合は事前確認をおすすめします。
“ふち糊圧着ハガキ”は第一種郵便物扱い
〈その他〉一番下の“ふち糊(のり)圧着”とは、つぎのような圧着加工を指します。
特殊な用紙を使って、その紙の質感をいかしたDMをつくりたいときに活用される加工方法です。郵便法の規定では“圧着ハガキ=圧着面は全面圧着”と定められているため、ハガキサイズでも第一種郵便物扱いになります。
郵便局の割引利用でコスト削減も可能
圧着ハガキと圧着封筒は、「広告郵便物」「区分郵便物」「バーコード付郵便物」といった郵便局の割引を受けることができます。それぞれ差出通数や表記、支払い方法などの細かい条件が定められていますので、郵便局もしくは発送代行・印刷会社に確認すると良いでしょう。
圧着加工の種類と特徴
圧着加工とは、ハガキ・封筒を圧着する際におこなう加工のことです。おもな方法は次の5種類で、それぞれ仕上がりや最適な用途、コストが異なります。
圧着の種類
|
圧着力
|
光沢
|
コスト
|
用途
|
ロット
|
---|---|---|---|---|---|
先糊(さきのり)圧着
|
◯
|
✕
|
◯
|
親展通知
|
小~大
|
後糊(あとのり)圧着
|
◯
|
△
|
◯
|
親展通知
|
大
|
フィルム圧着
|
△
|
◯
|
✕
|
DM
|
小~中
|
UVニス圧着
|
△
|
◯
|
△
|
DM
|
大
|
ふち糊圧着
|
△
|
✕
|
◯
|
DM
|
大
|
ひとつずつ説明していきます。
先糊(さきのり)圧着
あらかじめ糊が塗布された専用紙に印字や印刷し、圧着加工する方式です。特徴は以下の通りです。
特徴
- 圧着力が強く、親展通知(請求書、カード利用書)向き
- 圧着面の光沢が少なく、写真を多用したビジュアル重視のDMには不向き
- 低コストなので大量印刷に適している
後糊(あとのり)圧着
印字・印刷した普通紙に糊を塗布し、圧着加工するタイプです。以下の特徴があります。
特徴
- 先糊よりは光沢があり、印刷の自由度も高くフルカラー向き
- 基本低コストだが、専用設備が必要なため印刷業者に確認要
フィルム圧着(PP熱圧着)方式
印字・印刷した普通紙の接着面に特殊なフィルムをはさみ(=ラミネート加工)熱圧着する方式です。特徴は次の通りです。
特徴
- 光沢にすぐれ、ビジュアル中心や高級感を出したいDMに最適
- 圧着力が弱く、個人情報など秘匿性の高い通知には向いていない
- 大ロットの場合は割高になるため、小~中ロットのDM向き
UVニス圧着
印字・印刷した普通紙の接着面にUVニスを塗布して熱圧着する方式です。次のような特徴があります。
特徴
- 光沢にすぐれ、フルカラー写真やイラストを多用するビジュアル中心のDM向き
- 接着力が弱く、個人情報を含む秘匿性の高い通知には向いていない
- 低コストで大量印刷向き
ふち糊(のり)圧着
圧着面のふちだけに糊を塗布し、圧着加工するタイプです。以下の特徴があります。
特徴
- 圧着面のコーティングが不要なため、印刷の色味や紙の質感が生かせる
- 光沢は劣るが、圧着面にアンケートや注文などの書き込みが可能
- 低コストかつ短納期だが、郵便料金は封書扱い
※それぞれの加工の特徴はあくまで一般的な傾向です。発送代行会社や印刷会社によってコストや加工方法、得意・不得意ジャンルなどが異なるため、事前確認は必須です。
圧着DMの折り方・形状の種類
ひとくちに圧着DMといっても、さまざまな折り方や形状があります。ここでは定番の種類と特徴を紹介します。
V型(二つ折り)
中面を二つ折りして圧着した、もっともスタンダートなタイプです。開くと上からアルファベットの“V”のように見えるのでV型と呼ばれています。
ハガキ2枚分の面積があるので、同サイズの通常ハガキと比べて情報量は2倍。インパクト抜群のA4サイズも業界問わず多く活用されています。
Z型
中面のハガキ本体(上図ピンク面)の両面に圧着する三つ折りタイプです。2つの圧着面を開くと上から“Z”に見えることからZ型と呼ばれています。
V型と同じ郵便料金で、より情報スペースが広いところがポイント。企業からのメッセージ、商品詳細、お客様の声など、趣向の異なるコンテンツを掲載してもゴチャゴチャした印象は与えません。とくにDMが重要な販促ツールである通販業界では定番の形状です。
往復L型
返信用ハガキのついたDMを往復圧着DMと呼びます。おもに商品注文や資料請求、プレゼント応募、アンケート回収を目的としたDMで活用されています。
二つ折りのV型に返信用ハガキを付属したのが往復L型。通常の往復ハガキと同じ郵便料金で、2倍の情報を伝えることができます。
往復Z型
ハガキ本体の両面を圧着するタイプの往復圧着ハガキです。面の数はL型と同数ですが、圧着面が1つ多いのが特徴です。個人情報の多いお知らせや、複数の商品をアピールしたいDMに適しています。
往復横Z型
往復Z型圧着の横長バージョンです。形状がめずらしいので、手に取ってもらえる確率が高まります。定期的にDMを送る場合は、飽きられないように時々こうした変わった形状のDMを送るのも効果的です。
往復8面展開型
ハガキDMで面の数がもっとも多いのは、おそらくこの形状ではないでしょうか。一見L型と同じ4面に見えますが、圧着をすべてはがすと合計8面に展開。うまく使えば、封書DMと同程度の情報を伝えることも可能です。その分制作コストもかかるので、オンシーズンの商材や新商品など、「ここぞ」というときのDMに使うと良いでしょう。
往復冊子型
通販DMでよく見かけるのが、この冊子型の返信ハガキ付きDMです。ページが分かれているため、カタログのような複数商品の案内に最適。本のように読み進めることもできるので、ストーリー性のあるクリエイティブにもバッチリです。
上の例のような各ページの端が“ミミ”になっている形状が一般的ですが、下の例のように、開けると隠れていたページがひょっこりあらわれるパターンもあります。
反響率アップ&ブランディング効果も!圧着DMのデザイン・形状例
Webにはない紙のDMならではの利点が、ターゲットや顧客に“モノ”として直接届けられること。内容だけでなく形状にもこだわった“記憶に残る”DMを送れば、短期的な売上アップだけでなく、長期的なブランディング効果も期待できます。ここでは他社事例をもとに、そんなアイデアあふれる圧着DMの形状事例を紹介します。
※イラストはイメージです。実際のDMとは異なります。
ド迫力の特大圧着DM例
これはある通販会社の年賀状DMです。中におみくじが入っており、その結果によってプレゼントがもらえるキャンペーンを実施して開封を誘っています。とはいえ、ここで注目したいのはDMの形状です。
届いた状態はA4を横向きにして少し縦に伸ばした変形サイズ。下辺部分のみフタ(上図オレンジ色部分)をかぶせて圧着しています。そのフタはがして上下を逆にすると、下の図のようになります。
この状態で右上から下向きに広げていくと・・・
このように、中に折りたたまれていたチラシがあらわれます。しかしこれはまだ一部分。さらに横に広げると・・・
ドン!
・・・と、届いた時点のなんと3倍の大きさにまで展開するのです。
イラストではなかなか迫力が伝わりませんが、両面広げた新聞紙と同じくらいのサイズ(縦が少し短いですが)。
チラシの内容は商品のセット売りの案内なのですが、このような想定外のクリエイティブを見せられると、企業側の想い、いや“気合い”のようなものが伝わってきて、受け取った側(私)も思わず「よし、いっちょ買ったるかい!」という気分にさせられてしまいます。
ポップアップ圧着DM例
開封すると“飛び出す絵本”のように何かが起き上がる仕掛けをポップアップと呼びます。DMに使うと、ただ読むだけでなく“体験的”な要素が加わるため、受け手の印象に残りやすいというメリットがあります。
上の例は誕生日DMということでプレゼント(クーポン)つきのバースデーケーキが飛び出していますが、「何を飛び出させるか」というのは非常に重要です。数年前、ある工務店が新居を建てた顧客にその新居のミニチュアが飛び出すDMを送って話題になりましたが、ポイントはやはり、「何が飛び出ると喜ばれるか?」と“顧客目線”で考えることだと思います。
型抜き圧着DM例
ここまで紹介した圧着DMはすべて長方形型でしたが、もちろん形に決まりはありません。上図のような、丸型や特殊な形に“型抜き”した圧着DMもたくさん利用されています。
型抜き圧着のメリットは、ずばりインパクトと存在感。郵便箱に普通のハガキや封筒にまじって上のようなスイカ型やビール型のDMが入っていたら、誰だって無視できないのではないでしょうか。とくに今は、めずらしかったりインパクトがあったりするモノはSNSで拡散される可能性があります。思い切ったアイデアの型抜きDMを実施することで、思わぬ認知拡大効果が得られるかもしれません。
こういった特殊な形でのDM発送はセルマーケのサービスのひとつである【DMWEB】が対応可能です!経験豊富なディーエムソリューションズ(株)の営業が窓口となり、ご要望にそった内容でご提案させていただきます。ご相談内容は、「印刷・作業・発送」もしくは、「作業・発送」のどちらでもOK!ご依頼の際はネット上で注文・管理が簡潔するため、業務効率化も図れます。お問合せはこちら≫から!お気軽にお問合せください。
おわりに
以上、圧着DMについて説明してきました。
郵送に関する細かい規定を見て「ややこしいな・・・」と思われた方もいるかもしれませんが、運営元のセルマーケは気軽に相談に乗ってくれますので心配不要です。
なによりも情報コスパの良さ、つまり通常のDMよりも費用に対してより多くの情報を掲載できるのが圧着DMの魅力。
「現状のDMでは商品の魅力を伝えきれていない」「もっとサービスの良さをアピールいたい」と考えている方は、この記事を参考に、ぜひ一度実施を検討してみてください。
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