【図解でわかる】「アウトライン化」とは?手順や注意点についても分かりやすく解説
2025.07.10印刷・デザイン
印刷データを入稿する際、「アウトライン化」という作業がとても重要になります。
これは印刷データを正確に印刷するために欠かせない工程です。本記事でアウトライン化について理解し、不備のない印刷データを完成させましょう!
目次
アウトライン化とは
「アウトライン化」とはフォントなどのテキストデータを図形化し、どの環境のパソコンで見ても同じデザインになるように点と線のパスデータに変える作業の事です。
アウトライン化しないとどうなる?
パソコンで文字を入力をする際、パソコンの内部では「フォント」という情報として認識されています。
しかしこのフォントの情報が残ったまま印刷データとして入稿をすると、以下のような問題が起こる可能性があります。
■フォントの置き換わり
使用しているフォントが印刷会社のパソコンにインストールされていない場合、別のフォントに置き換わって表示されてしまうことがあります。
■文字化け
最悪の場合文字が全く表示されなかったり、記号のような見た目になってしまう「文字化け」が発生してしまいます。
アウトライン化するとフォントが点と線でできた「パスデータ(図形)」に変わります。
これにより例えば「A」というフォントを使用して作成したデータを「A」というフォントがインストールされていない別のパソコンでデータを開いた際にも、図形として扱われるため、どのパソコンで開いても文字化けをしたり、違うフォントに置き換わったりすることなく、意図した通りのデザインで表示されるようになります。
そのためIllustrator等のデザインソフトで文字を使用している場合には、入稿前に必ずすべての文字をアウトライン化する必要があります。
アウトライン化の注意点
一度アウトライン化した文字は、元に戻すことができません。
文字が図形に変わってしまうため、後から「文字を修正すること」や「フォントの種類を変更すること」ができなくなります。
そのためアウトライン化する際には、必ずアウトライン化前の編集可能なデータを「別名保存」し、手元に保管しておくことを強くおすすめします。
もしアウトライン化前のデータを保存し忘れてしまうと、後で修正が必要になった際に最初からデータを作り直さなければならないケースもあるため十分な注意が必要です。
アウトライン化の手順について
①アウトライン化する前のデータを保存する
アウトライン化して保存すると元の文字データに戻す事が出来なくなり、再編集を行う際には最初から作り直す必要があるので、必ずアウトライン化する前のデータを保存しておきましょう。
✓「メニュー」→「ファイル」→「別名保存」をクリック
保存する際にはアウトライン化する前とした後を明確に区別するような名前を付ける事をおすすめします。
例えばアウトライン化するデータを「Ol(アウトライン)」としておくと後で区別がしやすいです。
アウトライン化前のファイル名:○○○.ai
アウトライン化後のファイル名:○○○_ol.ai
💡「別名保存」は以下のショートカットキーでも作業が可能です。
Windowsの場合:[Ctrl]+[Shift]+S
MACの場合:[⌘]+[Shift]+S
②全てのロックを解除する
まずはデータ内にあるパーツ(オブジェクト)を全て選択出来る状態にする必要があります。
ロック機能などを使用しているとこの後の作業で選択が拒否されてしまい、オブジェクトが選択されずアウトライン化できないので以下の作業を行います。
✓ すべてのレイヤーのロックを外す
レイヤーの横に鍵マークが付いていたらクリックをして外してください。
✓ すべてのオブジェクトのロックを外す
「オブジェクト」→「すべてをロック解除」を押してすべてのオブジェクトのロックを解除してください。
※ロックされているオブジェクトが無い場合には選択ができません。
💡「すべてのロック解除」は以下のショートカットキーでも作業が可能です。
Windowsの場合:[Ctrl]+[Alt]+2
MACの場合:[⌘]+[Option]+2
③アウトライン化する
アウトライン化の作業は入稿前の最終作業として行われることが一般的です。
印刷データが作成途中の場合には、アウトライン化は行わないようにしてください。
✓「メニュー」から「選択」→「すべてを選択」をクリック
✓「書式」→「アウトラインを作成」をクリック
アウトライン化すると、フォントがオブジェクト(図形)になります。
💡「全選択」と「アウトライン化」は以下のショートカットキーでも作業が可能です。
・全選択
Windowsの場合:[Ctrl]+A
MACの場合:[⌘]+A
・アウトライン化
Windowsの場合:[Ctrl]+[Shift]+O
MACの場合:[⌘]+[Shift]+O
④アウトライン化の漏れがないかを確認する
最後に全てのフォントがアウトライン化されているかを確認します。
確認する際はillustratorのフォント検索機能を使用します。
フォント検索をしてフォントが見つかった場合は、アウトライン化されていないフォントが残っています。
フォント情報が0になっている場合は、アウトライン化が正しく行われています。
もしもフォントの一部がアウトライン化されない場合には、アウトライン表示をすることで視覚的にアウトライン化の有無を確認することも可能です。
「レイヤー」を表示し、「Ctrl+目玉アイコン」をクリックすることでアウトライン表示モードに変更されるため、画面上で視覚的にアウトライン化の有無を確認できます。
「Ctrl+目玉アイコン」をもう一度クリックすると元の画面に戻ります。
それぞれショートカットを有効活用することで、効率的にアウトライン化が出来ますので是非作業時にはショートカットもご利用ください。
フォント情報が残ってる場合の4つの確認ポイント
孤立点があるかどうか
テキストツールで一度クリックし、文字を入力しないまま別のツールに切り替えた場合には、
「孤立点」と呼ばれる空のテキストボックスが出来てしまいます。
孤立点はフォントの入力はないもののフォントとして検出されてしまうため、必ず削除をしましょう。
複雑なデザインほど、目視で孤立点を探すのが難しくなります。
実は簡単に全ての孤立点を消す方法があるのでご紹介します!
・全ての孤立点を消す方法
✓「メニューバー」→「選択」→「オブジェクト」→「孤立点」を選択
こちらの作業を行うと隠れていた孤立点が全て選択された状態になるので、そのまま[Deleteキー]で削除をしてください。
フォントが隠れている場合
非表示や他のオブジェクト(図形)に隠れていると、上手くアウトライン化できない可能性があります。
不要な文字やレイヤーは削除し、アウトライン化が必要なものは漏れなくアウトライン化しましょう。
テキストに変形がかかっている場合
テキストに変形がかかっている場合には、上手くアウトライン化できないことがあるため注意が必要です。
変形といっても色々ありますが、特に形に合わせて変形する機能である「エンベロープ」がかかっている部分は、通常の作業ではアウトライン化できません。
エンベロープを使用されている部分には、
「オブジェクト」→「エンベロープ」→「拡張」をクリックすることで、
テキストの形状に合わせてアウトライン化することが可能です。
テキストがパターンになっている場合
テキストをパターン利用している場合にも、「拡張」機能でアウトライン化します。
「オブジェクト」→「分割・拡張」をクリックをすると、テキストのアウトライン化が可能です。
この「分割・拡張」は一度だけ行ってもすべてがアウトライン化されないことが多いため、
何度も「分割・拡張」を選択し、アウトライン化することが大切です。
すべてのオブジェクトがアウトライン化されると、「オブジェクト」→「分割・拡張」をクリックしても
ポップアップウィンドウが表示されなくなります。
表示がされなくなったらもう一度すべてのフォントがアウトライン化されているかフォント検索で確認を行いましょう。
(ここでフォント検索の項目に戻るリンクを付けたいです)
おわりに
本記事では、アウトライン化の方法について解説しました。
アウトライン化といっても様々な要因で上手くアウトライン化できない場合もありますので
もしご入稿でお困りの際には、専門のDTPスタッフがいるセルマーケにお気軽にお問い合わせください!
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小山咲

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