【イラレの表現力UP!】「アピアランス」でデザインを変える方法と入稿時の注意点
2025.12.16印刷・デザイン
目を引くチラシのデザインにはオブジェクトや文字に縁取り、影付けや半透明にするなど、さまざまな加工がされています。今回はそうした外観を装飾する際に使用する illustrator(イラレ)の『アピアランス』についてご紹介します。
目次
アピアランスとは?
アピアランス(Appearance)は、「外観」や「見た目」という意味です。
イラレのアピアランス機能は、文字や図形などのオブジェクトの外観に装飾を追加する機能です。
主に塗りや線、透明度の変更や効果の追加(例:変形や背景の追加、ドロップシャドウなど)の設定が可能です。
アピアランスは文字を直接加工しているわけではなく、あくまで見た目だけを変化させる機能のために、
文字の打ち変えや色の修正が簡単にできます。
またこのアピアランスを複数組み合わせことで、様々な表現が可能です。
イラレのアピアランス機能の基本的な使い方
①専用パネルの表示方法について
アピアランスパネルが表示されていない場合には、下記のいずれかで表示をさせてください。
メニューバー: [ウィンドウ] → [アピアランス]
ショートカット(Windows/Mac 共通): [Shift] +F6
②アピアランスの追加と変更について
アピアランスの追加はアピアランスパネル左下の3 つのアイコンから行います。

左から順に「新規線追加」「新規塗り追加」「新規効果追加」です。
これらを追加や削除する事により外観の変更を容易に行う事が可能です。
アピアランスパネルにある丸に斜線の入ったボタンを押してしますと「アピアランスが全消去」されてしまいますが、ゴミ箱マークの「選択した項目を削除」では指定した項目のみを選んで消すことができます。
また目のアイコンで表示と非表示を切り替えれば、削除をせずにアピアランスの変化を確認できるのでこの機能もおすすめです。

③アピアランスパネルの見方と重なり順
アピアランスパネルには、設定したすべての線や塗り、効果等がリストとして表示されます。
パネルの左下のボタンから新しいアピアランス(線/ 塗り/ 効果)を追加することができます。
レイヤーと同様にパネルのリストの順番で一番上に置かれたものが一番上層、下にあるものは置かれた順番に表示されます。この順番を入れ替えると見た目の効果も変化します。


効果の範囲「ターゲット」の使い分け
アピアランスが影響を及ぼす範囲(ターゲット)は
「レイヤー」「グループ」「オブジェクト」「テキスト」「文字」の5 つから選択が可能です。
①ターゲット:レイヤーの場合
ターゲットをレイヤーにすると指定レイヤー内のすべてに対してアピアランスを掛ける事が出来ます。
効果を適用する際には任意のレイヤー名の隣の〇の部分をクリックします。
〇をクリックすると◎に見た目が変化しますが、この状態になれば指定レイヤー全体が選択されている状態となるのでこの状態で効果を掛けましょう。

②ターゲット:グループの場合
グループ化された複数のオブジェクトを選択しながら、アピアランスを適用するとグループ全体にアピアランスを掛ける事が出来ます。
ドロップシャドウは描画モードや不透明度、X 軸とY 軸(オブジェクトからの距離)、ぼかし等と細かく設定できますのでドロップシャドウの詳細パネルから調整を行ってください。


③ターゲット:オブジェクト(パス)の場合
イラレに配置したパス、画像、テキストなどを総称してオブジェクトと呼びますが、このオブジェクトにアピアランスを掛けることで、選択したオブジェクトに対してそれぞれに効果を掛ける事が出来ます。

④ターゲット:テキストの場合
テキスト全体をターゲットとして同じ処理をしたいときに指定します。

⑤ターゲット:文字の場合
テキストが文章全体のターゲットである事に対して、文字のターゲット化は「文字の1 文字1 文字」にアピアランスを掛けたいときに利用します。
文字の場合には他のターゲットと異なり、効果はかけられず、文字ごとに線・塗りのカラー、不透明度の変更になります。
文字をターゲットにする場合にはテキストをそのまま選択すると「テキスト(文字全体)」がターゲットとなってしまうため、テキストをダブルクリックし、効果を掛けたい文字をドラッグする事で「文字」をターゲットにする事が可能です。
これらのターゲットや効果を組み合わせる事で、以下のように様々な表現をする事が可能です。

【重要】アピアランスを上手にかけるコツ
アピアランスを適用する際には、必ず線と塗りを「なし」にした状態から、アピアランスパネルで線と塗りを追加する方法をおすすめします。
イラレのオブジェクトはデフォルトで1 つの線と塗りを設定できますが、このデフォルトの設定が残った状態でアピアランスで線や塗りを重ねると複数の線や塗りの設定をすることになり、データ上でも印刷した際にも意図しない見た目になってしまうことがあるためです。
またデフォルトの線や塗りを「なし」にしておくことで、パネルを見ればどれがアピアランスで設定した効果なのかが一目で分かりやすくなり、管理や修正も容易になります。
例外としてオブジェクト全体に対して単純な効果(ドロップシャドウや変形等)であれば、デフォルトの設定で線や塗りを指定しても問題ない場合もあるため、使用する効果によって使い分けをする事をおすすめします。
アピアランスを効率的にコピー・保存するテクニック
頻繫に使うアピアランスはコピーしたり保存をする事で作業効率が大幅に向上します。
①スポイト機能を使用する
アピアランスはスポイトツールで他のオブジェクトにコピーをすることが出来ます。
デフォルトの状態だとアピアランスのスポイト抽出が無効になっているので、初回はスポイトのオプションから「アピアランス」にチェックを入れましょう。
1度設定すれば、以降はスポイトツールでクリックするだけでアピアランスをコピーすることが可能です。

②アピアランスパネルからドラッグ&ドロップ
アピアランスパネルの左上に表示されているサムネイルを、アピアランスをコピーしたいオブジェクトにドラッグ& ドロップするだけで適用することが可能です。

③グラフィックスタイルとして保存する
ウィンドウからグラフィックスタイルのパネルをひらきます。
アピアランスを設定したオブジェクトを選択し、グラフィックスタイルパネルの下部にある「+ アイコン(新規グラフィックスタイル)」をクリックまたはオブジェクトをドラッグすれば効果を登録する事が出来ます。
使用するときにはスタイルを適用したいオブジェクトを選択し、グラフィックスタイルパネル内のスタイルをクリックするだけで適用されます。

印刷入稿前の最終作業
変形・ワープ・ドロップシャドウ・透明・乗算などの『効果』を適用しただけの状態では、
画面上では見た目が変化して見えても、データ上では形状が図形(パス)化されていません。

このまま入稿すると印刷会社での出力時に意図したデザインで出力されないなどのトラブルの原因となってしまいます。入稿の際には、必ずアピアランスの分割作業を行い、文字やテキストの場合にはアウトライン化も行ってから入稿をしてください。
アピアランスの分割方法:オブジェクトを選択した状態で、メニューバーから「オブジェクト」→「アピアランスの分割」をクリック

※アピアランスの分割を行うとパス化し簡単に修正が出来なくなるため、入稿用データを作成する際は必ず別名保存した上で作業を行うようにしましょう。
今回ご紹介したアピアランス以外にも、印刷の入稿データ作成時には、アウトライン化/リンク・埋め込み/塗り足しの作成も注意しましょう!
おわりに
アピアランスはデザインの自由度を格段に上げ、複数のオブジェクトに対して同じ表現を効率的にかけることが可能です。
この機能を使えるようになると、デザインの幅が大きく広がるので
今まで使用したことがなくても、是非この記事を参考にチャレンジしてみてください。
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小山咲
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