【初心者必見】オーバープリントの仕組みとリッチブラックの扱い、オーバープリントビューの活用術もご紹介!
2026.02.16印刷・デザイン
Illustrator(=イラレ)でデザインを作成し、印刷をしてみたら「色が重なり濁ってしまった」
「あるはずの白い文字が消えてしまった」といった経験はありませんか?
これらのトラブルの多くは「オーバープリント」の設定が原因です。
本記事ではオーバープリントの仕組みやよくあるトラブル、対応方法について解説いたします。
目次
オーバープリントとは
オーバープリントとは別名「ノセ(スミノセ)」と呼ばれ、
下の色を残したまま、その上に別の色を重ねて印刷する処理のことです。
通常の印刷では、上のオブジェクトが下の色を白く抜く「ノックアウト(抜き)」という処理が行われます。
これにより色が混ざらずに指定した通りの色で印刷の再現がされます。
オーバープリントが設定されていると、色が混ざり合い、意図しない仕上がりになるリスクがあります。
オーバープリント設定で起きるトラブル
オーバープリントはプレビュー画面や家庭用プリンターでは再現されない事が多く、意図せずオーバープリント設定がオンになっていると、「印刷して初めてミスに気付く」というケースが非常に多いです。
印刷物が予期せぬ色合いになる(色の混合)
オーバープリント設定をすると、上のオブジェクトが「透過」したような状態になります。
例えば、黄色い背景の上に青い図形を重ねてオーバープリントを設定すると、印刷結果は緑色になってしまいます。

白いオブジェクトが消えてしまう(白色の消失)
一番致命的になるミスが、「白いオブジェクトへのオーバープリント設定」です。
通常印刷における白の表現は、白い部分を「透過」し紙の色を活かして白を表現しています。
そのため白いオブジェクトにオーバープリントを設定すると、「紙にインクをのせず、
下地(背景)をそのまま透過させる」という指示になります。
その結果、白い文字や図形は背景と同化し、跡形もなく消えてしまいます。

「ブラックオーバープリント」の特性と注意点について
多くの印刷会社では黒(K)100%で作成されたオブジェクトは、印刷の際に自動でオーバープリント処理を行います。これを「ブラックオーバープリント」と呼びます。
なぜ黒(K)100%に関しては印刷時にオーバープリントになるよう自動で設定されているのか?
細かい文字などを「抜き合わせ(ノックアウト)」で印刷すると、ごく僅かな版のズレ(見当ズレ・版ズレ)が生じた際に、文字の周りに紙の白い色が見えてしまい、非常に読みづらくなります。
この現象を防ぐために、一般的に黒(K)100%で作成されたオブジェクトに対しては、
印刷の際に自動でオーバープリント処理をして印刷をしています。

ブラックオーバープリントによるトラブル
ブラックオーバープリントは便利な機能ですが、「黒 100%部分の面積が広い」場合には注意が必要です。
黒の下に画像やオブジェクトの重なり部分がある場合、印刷した際に下の画像やオブジェクトが透けて
見えてしまう事があります。

ブラックオーバープリントへの対策
黒色が透けて欲しくない部分には「黒(K)100%に他の色を混ぜる」または「リッチブラック」に設定する事が有効です。
■黒(K)100%に他の色を混ぜる
例えば黒(K)100%にシアン(C)1%などを混ぜる事によりブラックオーバープリントを回避する事ができます。
■リッチブラックに変更する
色の設定で C:40%、M:40%、Y:40%、K:100% や C:60%、M:40%、Y:40%、K:100% 等で表現された黒色をリッチブラックと呼びます。通常の黒 1 色よりも他のインクと掛け合わせての黒色になる為に、より深みのある色になり透けにくくなります。

リッチブラックを使用する際の2つの留意点について
1.インクの総量(CMYK の濃度)に注意
CMYK の合計値が高すぎると、インクが多くなり乾きにくく、裏移りや紙同士が貼りつくブロッキングが起きる原因となります。目安として合計値は 200% ~ 250%以内に抑えるのが一般的です。
※インク量の規定値は印刷会社により異なります。
2.細かな文字や線には使用しない
リッチブラックは複数の版を重ねる必要がある為に、面積の広いオブジェクトやイラストへの使用には適していますが、細かな文字や細い線に使用すると僅かなズレでも色が滲んで見えてしまいます。
小さな文字や線に関しては透けてもあまり目立たないので、
これらのオブジェクトには黒 100% を使用することをおすすめします。
印刷の失敗をしないための設定
現在多くの印刷会社ではトラブル防止のためにオーバープリント設定を自動で破棄していますが、
オーバープリント設定がある場合には活かして印刷をする会社も存在します。
入稿前に必ず確認し、必要のないオーバープリント設定は使用しないようにしましょう。
属性パネルで設定を確認する
①イラレの上部メニューから「ウィンドウ」→「属性」を開く
②確認したいオブジェクトを選択し、「塗りをオーバープリント」「線をオーバープリント」のチェックボックスが入っていないかを確認します。

オーバープリントビューの活用について
オーバープリントの出力結果は通常のプレビューでは表示されませんが、
「オーバープリントプレビュー」であれば確認ができます。
①イラレの上部メニューから「表示」→「オーバープリントプレビュー」にチェックを入れる
②チェックを入れると印刷結果に最も近いプレビューを確認できます。
データ作成中に気付かずオーバープリント設定をしていないか、目視で確認をしてください。

まとめ
オーバープリントの設定次第で、印刷物の仕上がりに大きく変化することを理解していただけましたでしょうか。
印刷会社によって「オーバープリント」や「ブラックオーバープリント」の対応方法が異なります。
また「リッチブラック」の許容量等も異なるので、印刷データの入稿前には入稿先の印刷会社が
どのように対応しているのかをしっかりと確認しておきましょう。
印刷に関する理解を深めて印刷ミスを減らすと同時に、
オーバープリントを正しく使い意図した通りの美しい印刷物を作りましょう。
🔍入稿データについての別途注意点について、他にも以下記事で詳しく紹介しています!
≫印刷デザインデータで注意したい画像やテキストの著作権について
≫印刷データの入稿前に確認するポイント9選
小山咲
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