細い線やヘアラインは消えてしまう?印刷データ作成時の注意点

2025.11.18印刷・デザイン
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細い線やヘアラインは消えてしまう?印刷データ作成時の注意点
印刷データを作成した際に印刷会社から「線が細すぎる」と指摘を受け不備扱いになったり、実際に印刷してみたら線がかすれたり消えてしまったことはないでしょうか。
作成した印刷データと印刷物で高い再現性を得るためには、線の太さ(線幅)や設定にも工夫が必要です。
この記事では、印刷時に失敗しないための「線幅」の基本と、チェックすべきポイントを解説します。

「線幅」とは?線が細いと何故かすれるのか

線幅とは、「インクがのる幅」の事を指します。
そのため線幅が細すぎるとインクが紙にしっかりと定着できず、線や文字がかすれてしまったり
線の一部が途切れてしまったり、完全に消えてしまう等のトラブルの原因となります。

この「線幅」は、デザインやイラストの罫線だけでなく、文字も対象となります。
文字もよく見ると複数の線で構成されているためです。
01_線幅

文字の再現性を高めるための推奨の設定

文字の大きさ(フォントサイズ)の目安

印刷会社や印刷手法によって推奨されるサイズは異なりますが、一般的に6pt 以上が推奨されています。

またフォントの種類によって同じサイズでも細く見えてしまったり、太く見えたりと印象が異なります。
画面上で細いと感じたフォントは、サイズを大きくしたり、太さを調整したり、他のフォント等も検討をすると印刷した際に再現性が向上します。
02_同じサイズでフォント違いの画像

「 抜き幅」に注意し、文字の潰れを防ぐ

フォントには、インクがのる「線幅」の他に、「インクがのらない部分(文字の隙間)」である「抜き幅」が存在します。

この抜き幅が狭すぎると、インクを載せた際に潰れたりして、文字の隙間が埋まって見えてしまう(文字が潰れる)原因となります。文字の隙間が狭すぎないかも併せて確認をすると良いでしょう。
03_抜き幅について

フォントの調整方法

■illustrator(イラレ)の場合

・フォントの種類を変える:「フォントファミリ」の▼をクリックし、所持しているフォントの一覧から選択
・フォントの太さを変える:変更できるフォントの場合は、「フォントスタイル」の▼をクリックして調整
・フォントのサイズを変える:「フォントサイズ」の▼をクリックし、一覧から選択or手入力で変更
04 _illustrator操作画面これらは文字パネルでの調整も可能です。
文字パネルが表示されていない場合は、メニューバーの「ウィンドウ」>「書式」>「文字」からツールを表示して仕様をしてみてください。

■PowerPointやWordの場合

・フォントの種類を変える:画面上部の「ホーム」タブにある「フォント」の一覧から選択
・フォントの太さを変える:変更できるフォントの場合は「ホーム」タブの「フォント」グループ内にある、「B ( 太字)」で変更
・フォントのサイズを変える:「ホーム」タブの「フォント」グループ内にある、フォントサイズが表示されているボックスで一覧から希望のサイズを選択するor直接数字をキーボードで入力して Enter キーで変更
05_PowerPointとWordの操作画面

線の太さ(罫線)の推奨設定

線の推奨の太さ

線幅も印刷会社や印刷手法により異なりますが、必ず0.3pt(約0.1 ㎜)以上で設定しましょう。

目安として、1pt は約0.35mm です。一般的なボールペンで筆記した際の文字の線幅(約0.2mm ほど)くらいであれば、問題なく印刷されると認識していただければ分かりやすいかと思います。

「 ヘアライン」の危険性

Illustrator(イラレ)では、オブジェクトの「塗り」と「線」の両方に色が付けられます。
ここで、線の設定ではなく、「塗りの設定」で色を付けた極細の線を「ヘアライン(極細線)」と呼びます。

PC の画面上では線が見えていますが、細すぎるために実際には印刷されず、データにはあるにも関わらず印刷物には反映されない原因となります。
必ずカラーパレットの「線設定」で太さを(0.3pt 以上)に指定するようにご注意ください。
06-1_よくない例01_線幅

おわりに

線やフォントの設定1つで、印刷の仕上がりに大きな差が出てしまう可能性があります。
印刷会社によっては、線の細さの指摘や文字の潰れに関するチェックをデータチェックの範囲外としているところも多いため、必ず確認をしてから入稿することをお勧めします。

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お気軽にご利用くださいませ。

🔍入稿前には是非下記の記事も併せてご確認ください!
≫印刷データの入稿前に確認するポイント9選

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小山咲

小山咲

ダイレクトメール発送代行専門会社・上場企業 【ディーエムソリューションズ株式会社】 ◆ダイレクトメール事業 営業部 ◆DM発送営業→新卒教育担当→教えてDM先生編集等のオウンドメディア運営や事業部の営業推進に関わる業務を担当。