顧客リストを有効活用!見込み顧客、休眠顧客、優良顧客別に合わせたダイレクトメール戦略について
2024.03.06 2018.07.30ダイレクトメールダイレクトメール(以下:DM)を発送する際に重要なポイントとなる顧客リスト。
一口に顧客リストと言っても、その中には様々なタイプの顧客がいます。
顧客をタイプごとに分析し、それぞれのタイプに合わせて的確な戦略を構築することで、より効果的なDMを訴求することができ、売上や利益アップにつながります。
今回の記事では、下記3つの顧客タイプの特徴と、またそれぞれのタイプにおけるDM戦略について解説します。
- 見込み顧客
- 休眠顧客
- 優良顧客
この記事をお読みになって、自社の顧客リストの分析、絞り込み、そしてDM作成にお役立てください。
それではまず、見込み顧客について解説します。
目次
見込み顧客向けのDM戦略
見込み顧客とは、資料やカタログ請求、無料お試し、メルマガ登録などを行い、自社のことを認知していて尚且つ、「まだ購入をしていない」顧客のことです。
※一度もアプローチしたことのない未知の顧客は「見込み顧客」ではありません。
見込み顧客向けのDM戦略では、「見込み顧客に購入してもらう」という目的を持ってアプローチをかけなければなりません。
しかし、見込み顧客の中には、商品やサービスの購入を検討している方もいれば、とりあえず資料請求だけはしたけど特に買う気がないといったタイプもいます。
見込み顧客の分類は基本的に下記の5つに分類できます。
- 興味がないタイプ
- 問題認識をしていないタイプ
- 問題認識はしているが、必要性を感じていないタイプ
- 検討段階のタイプ
- 最終評価段階のタイプ
興味がないタイプ
「無料だから」「なんとなく」といった理由で登録などを行うタイプです。こういった方が購入までいたることは稀なので、アプローチするのは得策ではないと言えます。
問題認識をしていないタイプ
登録理由などは1のタイプに近いですが、潜在的に商品やサービスが必要となるような問題をかかえており、そのことに自分自身が気づいていないタイプです。
例えば、ダイエット系商品を販売している企業にとっては、「自分が太り始めていることに気づいていない」といったタイプです。
このタイプにアプローチする場合は、一度問題を認識させるアプローチが必要となります。
「〇〇のようなことはありませんか?」といった具体的な事象を挙げ、問題点を解説しましょう。
問題認識はしているが、必要性を感じていないタイプ
このタイプは、2のタイプとは違い、自分自身の問題に気付いてはいますが、一方で同じく商品やサービスを必要とは感じていないタイプです。
このタイプに対して売り込みをかける場合は、「必要性」を感じさせることが肝心です。見込み顧客の認識している問題を深堀りし、「その問題を放っておくとどうなるのか」を具体的に示すと効果的でしょう。
検討段階のタイプ
この検討段階のタイプは問題意識があり、なんらかの商品やサービスを利用してその問題を解決しようとしているタイプです。他の企業のサービスなどと比較している段階の方なので、比較的に購入へのアプローチがしやすいタイプでもあります。
他社製品と比較した際の強み、お客様の声、特典などを利用し、「どの商品にしようかな」という感情から「この商品が欲しい」という感情に変化させることを意識することが重要です。
最終評価段階のタイプ
このタイプは、そのサービスを購入すると決めて、最終的な判断をするために、その商品やサービス、企業などを調べている段階のタイプです。このタイプが最もアプローチに対して高い反応を示します。
4のタイプと概ね同じですが、すでに最終的に購入を判断する状態なので、それを後押しさせるような特典、そして期限を付けると効果的です。
このように、見込み顧客の中にも様々なタイプの方がいますが、それを見極めるのは大変困難です。資料請求やメルマガ登録の段階でアンケートを実施するなどして、属性を把握しましょう。
休眠顧客向けのDM戦略
休眠顧客とは、一度以上商品を購入したことがあるが、その後一定期間以上購入がない顧客のことです。事業内容によって「一定期間」には違いがありますが、たいてい6か月~1年以上の期間が目安となっています。
美容室だと、カットの平均利用頻度は1か月半~2か月なので、3~4か月空いてしまうとその時点で休眠顧客となる可能性もあります。
休眠顧客に対する効果的なアプローチを行うには、まず顧客の購入履歴の分析から始めましょう。
顧客の購入履歴をたどると、顧客が休眠化した理由の仮説を立てられるようになります。例えば、休眠化の理由には以下の5つが多いとされています。
- 接客、品質の問題
- 金額の問題
- 引っ越し
- 競合への乗り換え
- 特に理由はない、なんとなく、忘れていた
ある特定の商品やサービスの購入後に多くの顧客が休眠化している場合、その商品の品質の問題であることが多いです。この場合は商品を改良するか、もしくは新商品の告知DMを訴求するのが効果的でしょう。
そして、特定の店舗での購入者が休眠化している場合は、スタッフの接客に問題があることが多いと言えます。新店舗の告知などを行えば再び利用してくれる可能性もあります。
金額の問題である場合は、特定することが難しいですが、一度割引キャンペーンなどのDMを訴求すると、購入してもらえる場合もあります。
引っ越してしまった休眠顧客に関しては、残念ながら引き戻すための有効な手段はあまりありません。DMが返送された場合は住所録を削除してその後のコストダウンに努めるのが無難だと言えます。
競合への乗り換えをしてしまった休眠顧客は、購入履歴と競合企業の2つの分析から割り出すことができます。
ある同じ時期を起点として購入が無い顧客が多く出ている場合、競合へ乗り換えている可能性が出てきます。そういうパターンを見つけたら、競合他社を研究し、割引や特典などのオファや同梱物の見直しをしましょう。
さらに、休眠化する理由として「特に理由はない」「なんとなく」「忘れていた」といった理由も実際多いです。こういった方には誕生日や季節ごとのイベントに合わせるなど、なにかしらの理由を付けてアプローチをすることで再度購入してもらうきっかけを作ることができます。
この時のアプローチをより効果的にするために、休眠顧客専用の特典を付けたり、場合によっては、「休眠化した理由を聞くアンケート」をDMに同封するといった手段もあります。
休眠顧客へのアプローチを考えるときは、まず顧客の購入履歴を探り、そこから考えうる休眠化の仮説を立て、DMを作成しましょう。
優良顧客向けのDM戦略
優良顧客とは、顧客リストの中でも特に、自社にとって利益を残してくれる上得意客のことです。優良顧客が多ければ多いほど、また質が高ければ高いほど、企業としてのブランド力が上がります。
一方で、優良顧客は自社商品やサービスなどに対する目がかなり肥えています。これらはDMひとつに対してもそうで、品質の悪いDMを送ってしまうと、それだけで購入をしてくれなくなるといった場合もあります。
そのため、「特別感」「親近感」を意識することが重要となります。
デザインや紙質などを高級感のあるものにしたDMや、特別なキャンペーンの招待状、また、新商品の一般公開前の告知など、一般顧客との差別化を出すことが効果的です。
優良顧客は見込み顧客や休眠顧客よりも「購入しやすい」という特性がある反面、細かい部分のクオリティなどをとても気にします。
そのため「購入してもらう」というよりは「ファンでい続けてもらう」といったことを意識してDMを作成しましょう。
そして、特別感、優越感といった部分も忘れずにDMに盛り込むために、文章とデザインには細心の注意を払いましょう。
文章はほかの2つのタイプの顧客とは違い、多少専門用語を利用しても問題ない場合が多いです。
おわりに
以上、顧客のタイプ別に合わせたDM戦略について解説してきました。
顧客リストと一口に言っても、見込み顧客、休眠顧客、優良顧客といったタイプがあり、それぞれ購買への意欲、理由などが違っているのでまずはタイプを分けてアプローチすることが大切です。
そして、そのタイプの中でもさらに細かく分類されることが多いので、DMを作成する際は、顧客の分析を徹底し、絞り込んでから効果的なアプローチ戦略を立てるようにしましょう。
この記事をお読みになったあなたが顧客リストを有効に活用し、効果的なDM戦略が立てられるよう願っています。
教えて!DM先生 編集部
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