【2025年(令和七年/巳年)版】ビジネス年賀状の書き方・マナー・例文を紹介!
2024.10.21 2023.09.01ダイレクトメールビジネスにおいて、年賀状は取引先との重要なコミュニケーションツール。もちろん名刺の渡し方や電話のかけ方と同じように、書く上で最低限守らなくてはいけないルールやマナーが存在します。思い込みや自己流で書いていると、知らず知らずのうちに印象を悪くしたり、恥をかいたりしていることもあるかもしれません。
この記事では、正しい宛名の書き方から間違いやすい言葉遣い、手書きに使うペンの選び方まで、ビジネスパーソンとして恥ずかしくない年賀状を書くために必要なノウハウを詳しく紹介します。
文章の見本やユニークな年賀状事例も載せているので、テンプレートとして、またアイデアのヒントとしても役立ててください。
※掲載情報は2023年9月1日時点の情報です。最新情報については、公式サイトをご確認ください。
目次
書く前におさえておきたいビジネス年賀状のポイント
目的や意図をしっかり理解していないと、相手の心に届く年賀状は書けません。また、ビジネスコミュニケーションの一環なので、期日を守ることも大切です。まずはこの2点について説明します。
取引先へ年賀状を書く目的
メールやSNSが普及した現在、年賀状もそうしたツールで手軽に済ませたいと思っている方もいるかもしれません。たしかに友人や知人との間なら、それでも良いでしょう。しかし、プライベートとビジネスは分けて考えなければいけません。
リアルな「モノ」として届く紙の年賀状は、メールなどに比べると、はるかに記憶に残ります。簡単にコピペできるデジタルの言葉と、一つひとつ丁寧に書かれた手書きの言葉は、たとえ内容が同じでも、印象の深さが違います。
もし同じ得意先に対して、あなたはメール、かたや競合の営業マンが心のこもったメッセージを添えたハガキの年賀状を贈っていたらどうでしょうか。いつも協力してもらっている外注先にとっても、やはり感謝の気持ちが伝わる企業との仕事に力を入れたくなるはずです。
年賀状は相手に負担をかけずにコミュニケーションを図ることのできるツールです。手間はかかりますが、早めに準備をして、ぜひ紙で出すことをオススメします。
年賀状を出す期間はいつ?
元旦に届くためには、なるべく「12月15日から25日まで」に投函しましょう。年賀郵便取扱期間の28日までに出しても間に合う可能性はありますが、確実ではありません。反対に14日以前に出すと、普通のハガキとして扱われて12月中に届いてしまうことがあります。
一般的には、松が明ける1月8日以降は「寒中見舞い」として出すべきといわれていますが、ビジネスでは1月中旬までは年賀状として出しても問題はありません。とはいえ、あまり遅いと企業としての信頼性にもかかわってきますので、特別な事情がない限り、遅くとも正月3日までには届くようにしたいものです。
年賀状の宛名面の書き方
ここでは郵便局の年賀ハガキを使った年賀状の書き方を紹介します。
〈1〉住所
- ハガキ右端の1から1.5cm内側から書き始めるとバランスよくまとまります。
- 都道府県も省略せずに書きましょう。
- 番地は漢数字を使います。「一三(13)」など縦に並べると読みにくい数字は、「十三」と書くとよいでしょう。
- 2行以内におさめるように書きましょう。番地の途中での改行はNGです。
- 改行する場合、2行目の行頭は1行目より下げて書きます。
- ビル名にアルファベットが入っている場合も縦書きで書きます(長い場合は横書きでも可)。ただし、算用数字はそのままで横書きします。
〈2〉会社名
- 住所と同じ高さか、1文字下あたりから書き出すとバランスが良くなります。
- (株)(有)などと略さずに、「株式会社」「有限会社」と書きます。
- 会社名の途中で改行するのは失礼にあたります。必ず一行におさめましょう。
〈3〉部署名
- 会社名の下に1文字分あけて書き出します。ただし1行におさまらない場合は、部署名のみ改行して行頭から書きます。
〈4〉役職(肩書き)
- 役職は氏名の上に小さい文字で書くのが基本です。複数ある場合は改行してもかまいません。長くて氏名の上におさまらない場合は、前の行に書きます。
〈5〉宛名
- 相手の氏名はハガキの中央にくるように、住所よりもやや大きな文字で書きます。
〈6〉敬称
- 会社や部署宛ての場合は「御中」、代表の方や担当者など個人に宛てるのであれば「様」を使います。
- 「御中」と「様」は併用しません。「○○部長様」という表現もNGです。
- 宛先が複数名(連名)の場合は、それぞれの方に敬称をつけます。大人数でスペースが足りないときは、代表の方のみ氏名を記し、「御一同様」「他スタッフ御一同様」とすることも可能です。
〈7〉差出人の住所と氏名
- 差出人の住所と氏名は、料額印面(通常ハガキの切手部分)の下に入るように書くときれいに見えます。
- 裏面に差出人の住所と氏名を記載する場合は、宛名面に書かなくても失礼にはあたりません。
年賀状裏面の書き方
続いて裏面の定型的な書き方を紹介します。
〈1〉賀詞
「賀詞」とは新年を祝う言葉のこと。年賀状一枚にひとつだけ、他よりも大きな文字で書きます。よく使われるのは次の言葉です。
- 「謹賀新年」「恭賀新年」
- 「新春を寿ぎ謹んでごあいさつ申しあげます」
- 「謹んで新春のお慶びを申し上げます」
- 「謹んで新年のご祝詞を申し上げます」
- 「明けましておめでとうございます」
- 「初春のお慶びを申し上げます」
- 「新年おめでとうございます」
「賀正」「迎春」など2語の賀詞は簡略的表現のため、本来であれば取引先への年賀状には控えるべきですが、現在は広く使われています。英語の「A HAPPY NEW YEAR」も、デザインにマッチしているなら違和感はありません。
〈2〉あいさつ文
続けてあいさつ文を書きます。次の3つの要素を入れるとよいでしょう。
- 旧年中の感謝、お礼の言葉
- 先方の幸福や活躍、繁栄を願う言葉
- 新しい年もよろしくという意味の言葉
なお、古くから年賀状では句読点(「、」「。」)を使用しないという習慣がありましたが、現在は使われることが多くなっています。
〈3〉日付
日付には元号か西暦を入れて、「令和七年」または「二〇二五年 元旦」のように書きます。干支(えと)を用いた「巳年 元旦」といった書き方もあります。
元旦は「一月一日の朝」のことなので、「一月元旦」という表記は重複表現で誤りです。注意しましょう。
〈4〉差出人住所など
会社の所在地、社名、電話番号などを記します。上の例にはありませんが、メールアドレスやWebサイトのURL、検索窓を記載するのもよいでしょう。
〈5〉手書きの添え書き
どんなに凝ったデザインでも、印刷されたままの年賀状はどこか味気ない印象を与えてしまいます。簡単で結構なので、必ず自筆のメッセージを添えましょう。
内容は、「日ごろの感謝」「新年の抱負」「近況報告」「相手の近況を尋ねる言葉」がよいでしょう。この手書きのひと言があるだけで、受け取った方もグッと親近感が増すはずです。
意外と知らない!? 年賀状の文章を書く際の注意点
何度も年賀状を書いていても、意外と知らないルールはあるものです。知らず知らずのうちにマナーに反した年賀状を出してしまわないように、ぜひチェックしてください。
「新年明けましておめでとうございます」はNG
「明けまして」とは「新年が明けて」という意味。「新年明けまして」と書くと、「新年、新年が明けて」と続くことになり、重複表現になってしまいます。この場合、「新年おめでとうございます」が正しい表現ですので、気をつけてください。
用件を書かない
手書きの添え書きに「ついでの用件」を書いてはいけません。「年明けの1月×日に○○で△△があります。よろしくお願いします!」などと書くのは失礼にあたるので注意しましょう。
薄い色のペンを使わない
毛筆で年賀状を書いていた時代から、「薄墨」は葬儀を連想させるため、慶事の挨拶にはふさわしくないとされてきました。筆ペンや万年筆、ボールペンでも同様です。手書きをする際は黒や紺の濃い色のものを使いましょう。
縁起の悪い言葉を使わない
新年を祝う年賀状に縁起の悪い言葉は適しません。「去る」「失う」「暗い」「絶える」などの忌み言葉は使わないように気をつけましょう。「去年」という言葉も、「去」の文字を含んでいるので避けたほうが無難です。
同様に、「自社の業績が悪い」「自分の体調がすぐれない」といった近況も相手に心配をかけてしまうので控えましょう。
年賀状文章の文例集
シンプルなものからかしこまったタイプまで、賀詞とあいさつ文の例文とサンプルを集めました。もし書いていて迷ったら、自社に合うものを選んでアレンジして使ってみてください。
交誼(こうぎ)…親しい交わり
厚志…親切な心づかい
倍旧…以前よりも一層増やすこと
アイデア年賀状事例
年賀状はコミュニケーションツールですが、企業間の年賀状には当然PRや営業的な意図も含まれています。
毎年、ユニークなアイデアで話題になる年賀状がありますよね。ここ数年で個人的に印象に残っているのが、型抜きしてダルマ型にした年賀状。
何とも言えないかわいらしさがあり、机に飾っておきたくなってしまいます。
他に最近気になっているのが、AR(拡張現実)を活用した年賀状です。スマートフォンのアプリで読み取ると、年賀状に書かれたキャラクターが動き出したりするそうです。
たしかにスゴイですし、めずらしいので喜ばれることは間違いありませんね。でも、ここまでお金や手間をかけなくても印象に残る年賀状は作れるんですよ。
たとえば、こんな年賀状はいかがでしょう。
この「教えて!DM先生」の記事を書いている、私たちディーエムソリューションズ株式会社ダイレクトメール事業部からの年賀状という想定で、仮に作ってみたラフ案です。
ポイントは部署のメンバー一人ひとりの顔写真とコメントを載せているところ(実際はもっとたくさんのスタッフがいます)。集合写真を入れたり、それぞれの趣味や周りからみた性格なんかを加えたりしてもいいかもしれません。もちろん宛先に応じて、営業担当や関わりのある社員は別途直筆でひと言書き添えます。
形状もデザインも何てことないといえば何てことありませんが、でも受け取った方にとっては、ただ定型通りに作った年賀状よりも、人柄や気持ちが伝わって親近感がわいてくると思いませんか?
よろしければ、あなたの会社の年賀状の参考にしてください!
おわりに
普段、顔を合わせる機会の多いお客様でも、あらためて年賀状が届くとウレシイもの。メールでやりとりするだけの方や、しばらく音沙汰がなかった方からだとなおさらです。そう考えると、やっぱり年賀状っていいですよね。
大量の年賀状を出すとなると、どうしてもコストや作業の手間が気になりますよね。近年では、年賀ハガキではなく私製ハガキでの年賀状も増加しています。
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たくさんルールやマナーがあって窮屈に感じるかもしれませんが、反対に、「だからこそ個性の見せ所」ともいえます。手書きのひと言、デザイン、形状。ちょっとした工夫が、受け手にとっては嬉しいはず。この記事を参考に、あなたの、そして会社の魅力がギュッと伝わるようなアイデアを考えてみてください。
教えて!DM先生 編集部
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