DM(ダイレクトメール)とニュースレターの違いと活用方法について

2024.05.02 2018.05.18ダイレクトメール
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オフラインで集客をするときによく利用される2つの方法で「ダイレクトメール(以下:DM)」と「ニュースレター」があります。あなたも、この2つの販促方法について一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。この2つはどちらもオフラインでの販促の方法ですが、両者には明確な違いが存在します。そして、これらの違いや効果を理解して販促をするかどうかが、その販促の結果にとても影響します。

この記事では、「DMとニュースレターの違い」と、「どのような用途でそれぞれを利用するのか」ということについて解説しますので、ぜひご覧ください。まずは、2つの違いについて解説します。

DMとニュースレターの違い

DMとニュースレターの明確な違いは、それぞれを出す「目的」にあります。それぞれの目的は以下の通りです。

DM DMを受け取った人物に対し、商品・サービスの購入、あるいはその他なんらかの行動を促すために出されるもの。
ニュースレター ニュースレターを受け取った人物が抱える悩みや、問題、欲求に関係する事柄について「知識」を与え、同時に企業や店舗、商品やサービスについての認知度、理解度を上げるために出されるもの。

上記をまとめると、DMは売り込みなどの「セールス」にあたり、ニュースレターは理解度を上げ、その後のセールスを円滑にするための「マーケティング」にあたる販促方法ということになります。次に、マーケティングとセールスの両方で重要な「信頼残高」という言葉について解説します。

セールスを成功させるために必要な「信頼残高」とは

上述したようにDMはセールス、ニュースレターはマーケティングと捉えるとわかりやすいのですが、中には「ニュースレターなんて必要ない」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、それでセールスが成功するのであれば全く問題はないでしょう。

しかし、現代社会ではどんどんものが売れなくなっています。また、似たような商品を販売する企業が多くあり、顧客側から見てみれば「何が違うのかがわからない」という問題もあります。そして、このように多くの似たような商品・サービスがある世の中では、「何を買うのか」ではなく、「誰から買うのか」という点を重要視される傾向が強まっています。例えば、全く同じ商品を取り扱うA社とB社があったとすれば、より信頼できる会社から商品を買うということです。

また、この「顧客からの信頼」は顧客とのコミュニケーションによって得ることができ、同時に、セールスをすればするほど顧客からの信頼は減っていく傾向にあります。これを「信頼残高」と呼びます。

そして、セールスばかりを行っていれば、必ずどこかで顧客の信頼は0になります。当然、商品の売れ行きは悪くなり、経営状態は悪化します。しかし、セールスとは逆に、顧客にとってメリットになるような情報を無料で公開したり、日ごろから企業で行っていることに関してわかりやすく説明したりすることで、顧客の信頼残高は増えていきます

さらに、信頼残高を上げるメリットが2つあります。

  1. セールス時に、より成約率が高くなる
  2. セールスしても信頼残高が減少しにくくなる

このようなメリットがあります。そしてこの信頼残高を上げることを目的に行う活動を「マーケティング」と言い、その中の1つの方法が「ニュースレター」ということになります。次に、ニュースレターは具体的にどのような用途で使うのか、そのために考えなければならないことはなにかということについて解説します。

人を動かすために重要なのは「まず与えること」

ここで一度、DMやニュースレターの話から逸れて、「人間」の話をしましょう。

私たち人間は、一人ひとり違うとは言え、ある一定の傾向を持っています。特に顕著なのが以下の2つの傾向です。

  1. 自分に関係のないことにおいて、自分からは動かない
  2. 何かを与えてくれる人を好きになる

1つ目はおよそ95%程度の人が無意識のうちに持っている傾向です。そして、2つ目はほぼ100%の人が持っている傾向です。

ここからDMとニュースレターの話に戻しますが、例えばあなたがあと3年後に家を購入したいと考えているとしましょう。しかし、3年も先の話ですし、実際のところ特に今からなにかをしようとは思ってはいません。ですから、中古物件のチラシなどが届いても「あぁ、こんな家もあるんだな」程度でチラシを捨てるでしょう。

しかし、ここで例えば「家を購入する3年前に計画を立てておくことで、マイホーム購入やその後のローン費用が節約できます」といったニュースレターがポストに投函されていたとしたら、どうでしょうか?おそらくあなたはそのニュースレターを読み、そこから知識を得ようとするはずです。そして、同じ工務店から再びニュースレターが届くと、すぐに手に取り、どんどん知識を蓄えていくでしょう。そして、2~3年後、ようやく家の購入を決めたあなたが最初に訪れる工務店はいったいどこなのでしょうか?十中八九、ニュースレターを発行していた工務店です。

また、ニュースレターを出している工務店が「展示会」や「ローンやライフプランの無料講習会」を行えば、積極的に参加し、知識を得ようとするのではないでしょうか。これらが、信用残高を高めた場合によるセールスの威力です。

つまり、人を動かすためには、

  • 相手自身が「これは自分の問題だ」と認識する必要がある
  • 相手に何かを先に与えなければならない

この2つのことが必要です。

もちろん、DMだけで「クーポン」や「キャンペーン情報」などを与えることも可能ですが、例えば「お問い合わせください」や「店舗にお越しください」などのような売り文句を入れると、信用残高が落ちてしまいます。つまり、「相手の行動を示唆する言葉」が入っているか、そうでないかがDMとニュースレターの違いでもあります。

最後に、DMとニュースレターの活用の仕方、用途についてまとめておきます。

DMとニュースレターの活用方法

一度、ここまでの話をまとめると、下記のようになります。

DM セールスに利用し、読み手になんらかの行動を起こしてもらうことを目的とする
ニュースレター マーケティングに利用し、読み手に何かを与えることを目的とする

ニュースレターはDMを発行する前段階で企業や店舗のことを知ってもらい、顧客の抱える問題や欲求についてより深く認識してもらうためのツールです。そして、DMは商品やサービスを売るため、もしくはその他の行動を顧客に行ってもらうためのツールです。

これら2つの活用は、理想的には、「DM1:ニュースレター3以上」の割合が望ましいのですが、実際にはDMに偏ってしまう企業が多いのが現状です。この点に関しては、販促にかけられる費用にもよりますし、企業ごとに方針などもあるのでそれを変えることは難しいでしょう。しかし、これらを同時に送れば、販促費はそれほど上がらずに済むのでおすすめです。

例えば、工務店のリフォームのキャンペーン案内の告知が目的のDMであれば、「自分でできる、おうちの劣化状態チェックシート」といった内容のニュースレターを同封しましょう。すると、顧客が自分で一度チェックしたうえで、ひどく損傷している箇所があればキャンペーンの問い合わせがくるという、ニュースレター・DM両方の目的を完結できる一通の販促物が出来上がります。本来であれば、ニュースレターで信頼残高を上げて、DMでセールスを完了させるというのが理想的ですが、このように同時に行う販促も可能ということです。

前述もしましたが、セールスだけを行っていれば、信頼残高はいつか0になります。それを防ぎ、信頼残高を上げるためのオフラインツールの1つがニュースレター、セールスを行うためのオフラインツールがDMですので、オフラインの販促活動をする際は、まず「その販促の目的とはなにか」についてよく考えてから計画を立ててください。

おわりに

以上、DMとニュースレターの違いについて解説してきました。

基本的にDMはセールス、ニュースレターはマーケティングに利用するツールです。そして、顧客の信頼残高を上げるのがニュースレターで、信頼残高を下げ、売り上げを上げるのがDMです。両方を分けて行うのが理想的ですが、1つの販促物に両方を入れても大丈夫です。ただし、その場合は、DMでのセールスの目的に沿って、ニュースレターを作成する必要があるので、その点には注意が必要です。

この記事をお読みになったあなたが、DMとニュースレターの違いとその利用用途、目的を理解し、より良い販促を行えるよう願っています。

タグ : マーケティング
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教えて!DM先生 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引14,400社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。