DMの発送タイミングを変えるだけで開封率・反響率は上がる?
2024.06.04 2022.12.06事例・効果測定同じDMを同じ顧客層に発送しても、時期によって驚くほど反響が下がってしまうことがあります。それほど発送タイミングはDMにとって重要な要素。最適なタイミングを知らなければ、マーケティングや販促の計画を立てることもできません。
そこで今回は、DMの発送先や活用法別の最適な発送タイミング、そして改善方法まで、さまざまなデータや事例とともに紹介します。ぜひあなたの会社のDM施策にお役立てください。
【年間でみる】DMの最適な発送タイミング
一年のうちで反響の高い時期を知っておくと、通年のマーケティング・販促計画を立てる際のヒントにもなります。ポイントとなるのは、消費者の消費意欲です。
1月・4月・9月
DMを主要な販促ツールとする通販業界で反響が高いとされているのが、この3つの月です。共通するのは、多くの人びとが新たな取り組みや、新生活をスタートする時期であること。個人・企業問わず、こうしたタイミングに消費意欲が高まる傾向があります。
ボーナス前
サラリーマン家庭の消費意欲が高まるのがボーナス前。一般的な支給時期は6月末~7月と、12月前半。まだ使い道の決まっていない約1ヵ月前、5月中旬以降と11月前半に届くよう発送するのが良いでしょう。
記念日・イベント前
誕生日や「母の日」「父の日」など、顧客に関係のある記念日の前にプレゼントやキャンペーンつきのDMを送ると反響は高まります。クリスマスはセールやイベントの定番ですが、最近ではハロウィンの時期を狙ったDMも増えています。
連休は避ける(※ただし元旦は除く)
ゴールデンウイークやお盆、年末年始などの大型連休は、外出で不在にする家庭も多く、避けた方が無難です。
ただし、1月1日の元旦だけは例外です。新年の挨拶もかねた「年賀DM」が、通常のDMよりも高い反響が期待できるからです。一般の年賀状と一緒に手に取ってもらえるため、開封率はほぼ100%。「お年玉くじ」のついた年賀ハガキなら、抽選日まで捨てられません。一通63円で発送できるというコストメリットもあります。
【発送先別】DMの最適な発送タイミング
送る相手が個人(消費者)と会社(法人)では、最適な発送タイミングは異なります。それぞれのベストタイミングを紹介します。
個人(消費者)宛て
時間に余裕があるときほど、DMは読まれる可能性は高まります。そのため、平日よりも土・日曜日に届くのがベター。週半ばの火曜日か水曜日が発送日に最適です。
会社(法人)宛て
一週間のうちで、新しい取り組みへのモチベーションが最も高まるのは月曜日。土日のポストインを狙い週半ばの水曜日か木曜日に発送するのがベストです。多くの企業が忙しい月初と月末は避けた方が無難。とはいえ、業界・業種によっては例外もあるため、リサーチは必要です。
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【施策・活用法別】DMの最適な発送タイミング
マーケティングや販促全体の効果向上のため、DMはさまざまな施策で活用されています。ここでは事例を挙げながら、それぞれの発送タイミングを紹介していきます。
通販フォロー(引き上げ)DMの発送タイミング
化粧品や健康食品通販で、サンプル(お試し・トライアル)商品購入者を、本商品やリピート購入へ引き上げるために発送するためのフォローDMです。下の図のように、商品の消費サイクルに合わせてタイミングを設定し、複数回発送します。
発送タイミングと回数は商材や企業によって異なりますが、基本となるポイントは次の2点です。
- 商品への期待感やモチベーションの高い、初期のフォローを厚くする
- サンプル商品がなくなる前に、本品・リピート購入へ強力誘導するDMを届ける
また、フォローDMの効果を最大化するためには、タイミングごとに伝える内容や形状を変えることも大切です。
再来店(リピート)促進DMの発送タイミング
店舗ビジネスで、一度来店したお客様に再来店を促すDMです。よく発送タイミングの設定で活用されるのは、マーケティングで有名な「3の法則」。人の記憶は、3日後、3週間後、3ヵ月後…と「3」のつくタイミングで段階的に薄れていくと言われています。それぞれの時期にDMを送ることで、顧客の記憶にはたらきかけ、忘却による離脱を防ごうという戦略です。
もちろん上の図もあくまで一例です。なかには来店から5ヵ月間で、DMを6通発送している美容室もあります。
休眠顧客掘り起こし(カムバック)DMの発送タイミング
業界・企業によって休眠顧客の定義が異なるため、一般的な発送タイミングはありません。ちなみに平均購入サイクルが短い通販業界では、最終購入日から半年、または1年と決めている企業が多く、そのタイミングで初めて掘り起こしDMを発送します。
休眠顧客は新規顧客よりも獲得効率は良い傾向にありますが、それでも一度だけの発送では高い反響は期待できません。3ヵ月または6ヵ月間定期的に発送するなど、ある程度の根気は必要です。
それ以外では、年賀DMや誕生日DMなど、記念日をきっかけにするのも良いでしょう。ただし、「一度他のサービスに替えたけれど、やっぱり〇〇が一番」という顧客の体験談を入れるなど、DM内容の工夫も必要です。
クロスメディア戦略でのDMの発送タイミング
インターネットの普及によって消費者の購買行動が大きく変わった現在、有効な広告手法として多くの企業が取り入れているのが、メールやWebサイトなどのデジタルメディアとDMを連動させた、「クロスメディア戦略」です。デジタルの即効力、DMのインパクトと保存率の高さ、それぞれのメリットを上手く組み合わせることで、マーケティング活動全体の効果を向上させることができます。
発送タイミングの精度を高める方法
以上紹介した事例は、一般的に反響の高い例であって、必ずしもすべての企業にとってベストなものとはかぎりません。DMを成功させるためには、自社のDMに最適な発送タイミングを見出すことが必要です。ここで、その方法を紹介します。
テストを実施する
クリエイティブと同様に、発送タイミングの精度を高める一番の近道はテストです。代表的なテスト方法として、次の二つがあります。
他にも、「休眠顧客掘り起こしDMはどれくらいの期間発送するべきか」、「イベント集客DMは当日の何日前がベストか」など、あらゆる発送タイミングがテストの対象になります。ただし、テストの成否を決めるのは実施後の効果検証。きちんとデータを採りながら実施することが重要です。
他社のDM発送タイミングを分析する
同業種で売上を伸ばしている企業や、ターゲット層が類似している企業の発送タイミングを分析することも有効です。一番のオススメは、実際に資料請求をしたり、サンプル商品を購入したりして、自分が見込客になってみること。そうすれば、どういう顧客心理にもとづいて発送タイミングが設計されているか、実感として知ることができます。
おわりに
DMにかぎらず、普段の人とのコミュニケーションでもタイミングって重要ですよね。あまりに唐突だったり、間が悪かったりすると、伝えたいこともなかなか伝わりません(少し反省…)。
そう考えると、発送タイミングを決める上で一番大切なことは、「DMは見込み客や顧客とのコミュニケーションツールである」という意識かなと思います。
この記事が、あなたの会社とお客様の関係を深めるヒントになれば嬉しいです。
教えて!DM先生 編集部
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