紙が劣化してパンフレットやカタログが送れない…紙の正しい保管の方法
2024.05.22 2022.10.11印刷・デザインデザインにも文章にも紙質にもこだわって作ったパンフレットやカタログ。なるべく安く上がるよう大量に印刷して保管し、いざ発送しようとしたら紙がヨレヨレ、何だか茶色くなっている…そんな経験はありませんか?
紙は正しく保管しないと、時間とともに劣化してしまうのです。この記事ではパンフレットやカタログなど、紙を使用した資料の正しい保管方法についてご紹介します。
目次
紙が劣化してしまう原因
紙を長期保管すると、黄色っぽく変色したり、ボロボロと破れてしまったりします。これでは一生懸命作ったパンフレットやカタログも台無し。とてもお客様に送ることなどできません。紙はどうして劣化してしまうのでしょうか。主な原因として以下の9つのことが考えられます。
リグニンなどの不純物
紙の中に含まれている「リグニン」や「酸」などの不純物が、時間の経過とともに紙を劣化させます。リグニンは発色性が高いため、紙が黄色っぽく変色してしまいます。
紫外線と赤外線
太陽光や蛍光灯などから発せられる紫外線により、紙は強度を失い劣化します。また、白熱灯などから発生する赤外線も紙を劣化させます。
酸化
酸素は有機物質を酸化・劣化させます。紙に含まれる有機物質(セルロース)が空気中の酸素と結合し変質・分解することで劣化が進みます。
熱
あらゆる化学反応は温度が高いほど進行が速いといわれています。高温な場所に保管することは、劣化を早めます。
温度と湿度
紙は温度や湿度の影響を受けやすく、特に湿度が高いとカビが発生しやすくなります。カビの胞子はいたるところに存在しているので、条件が合えばいっせいに発芽し、成長・増殖します。梅雨時はもちろん、結露が発生しやすい冬もカビにとっては好シーズンなので注意が必要です。
チリやホコリ
チリやホコリが蓄積することで紙が汚れるだけでなく、チリやホコリを食べる虫の発生源となります。
虫や小動物
紙や糊などは虫のエサになります。また、ネズミなどの小動物は紙を破いてしまうこともあります。ネズミなんて都会のオフィスにはいないのでは?と思うかもしれませんが、実は都会ほどネズミの被害は多いそうです。
天災
地震や洪水などの被害によって紙がびしょ濡れになったり、燃えてしまったり、行方不明になったりするケースが考えられます。
人災
紙の扱いが雑すぎて破けてしまったり、火災などによって消失したり、部外者が侵入して盗まれたりすることもあります。天災と違ってあらかじめ対策しておけば防げる場合も多いといえます。
紙の劣化を防ぐための正しい保管方法と保管場所
紙の性質上、劣化を完全に防ぐのは不可能といわれていますが、保管場所に気を配ることで劣化を遅らせることはできます。前述した、劣化させる原因を少しでも取り除くようにしましょう。そのために以下の点に気をつけてみてください。
保管場所を決める
保管場所をきちんと決めずに、置けそうなスペースがあるところにとりあえず置く、ということを繰り返すと整理整頓が難しくなるだけでなく、大切な資料であることがわからずにコーヒーやお茶をこぼされたり、間違えて捨てられたりすることも。まずは保管場所を決め、どこに保管しているのかスタッフ全員が共有できるようにしましょう。
保管場所を暗くする
保管する部屋にカーテンをつけたり、フタがついた箱の中にしまったりすると光劣化を防げます。窓辺しか置く場所がない場合は熱による劣化も気になるので、カーテンを遮光性の高いものにすると安心できます。
照明を替える
室内の照明を蛍光灯ではなく、ほとんど紫外線が発生しないLED照明に替えると光劣化を防げます。
空調を利用
温度や湿度(温度約25度、湿度約55%)を一定に保つことにより、カビの発生を防げます。人間が快適な空間は紙にとっても快適なのです。
まめに掃除をする
保管場所をまめに掃除することにより、ホコリやチリ、虫やカビなどによる劣化を防げます。また、紙を床置きするとホコリがたまりやすいうえ掃除も面倒なので、なるべくラックなどに収納することをオススメします。
紙の劣化を事前に予防しておく方法
紙の劣化を防ぐ対策として、パンフレットなどの紙資料にラミネート加工を施すことをオススメします。ラミネート加工とは透明のフィルムで用紙を覆い、耐久性をアップさせる加工のことです。ラミネート加工には以下のようなメリットがあります。
- UVカット仕様のものなら紫外線による劣化が防げるほか、傷や汚れ、ホコリなどからも守れます。
- 水に強いので、湿気による劣化を防げます。
- つや消しグロス、つや消しマットなどの質感が選べて、高級感を出せます。
ラミネートの種類
グロスラミネート(つやあり)
グロスラミネートは光沢感があり、イラストもロゴも鮮やかに見せられます。ラミネートで紙の厚さが増すので、衝撃にも強くなります。
マットラミネート(つやなし)
マットラミネートは反射を抑えて、落ち着いた雰囲気があり高級感がアップします。
倉庫を利用して劣化を防ぐ
カタログやパンフレット、学校案内、会社案内など、部数が多く定期的に発送する必要がある資料の場合、自社の空き部屋や倉庫などに保管しておくのはスペース的に厳しい…ということもあるかもしれません。そんなときに利用したいのが発送代行業者です。
発送代行業者には多くの企業からパンフレットやチラシなどの紙資料が集まるため、保管用の倉庫が完備されています。倉庫は紙の劣化を防ぐための環境が整えられているので、大切な資料を安心して預けられます。自社で保管する場合、ウィークデーは温度や湿度が快適に保たれていても、土日や長期休暇中までエアコンをつけたままというのは難しいと思います。
また、オフィスに資料を置いておくと、自社のスタッフが自ら管理をしなければいけなくなり何かと手間がかかりますが、発送代行業者には専門のスタッフがいるのでお任せ状態でOK。さらに、倉庫として資料を保管するだけでなく、封入作業や発送も請け負っているため、DMに関する面倒なことをまるごと代行してもらえます。
おわりに
紙の劣化の原因や、劣化を防ぐための対策などをご紹介しました。カタログやパンフレットなどの紙資料を、オフィスの空いたスペースにただ置くだけ…では、どんどん劣化してしまうことがおわかりいただけたと思います。
紙の劣化の原因となる光やほこり、虫などからなるべく遠ざけるために、保管場所を暗くしたり、空調に気をつけたり、掃除をまめにするようにしたり、今すぐできることはいろいろとあります。
資料の量が多い場合や、定期的に発送しなければいけない場合は発送代行業者を利用することもオススメです。資料を劣化しにくい環境で保管でき、封入作業や発送などもまとめて任せることができるので、業務の効率化にも役立ちます。
弊社でも資料の保管や発送代行を行っているので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
教えて!DM先生 編集部
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