BtoB向けダイレクトメールで有効な導入事例/実績の作成方法とは?
2024.05.22 2019.02.04事例・効果測定BtoB向けのダイレクトメール(以下:DM)で、ターゲットがとくに注目するのが導入事例・導入実績です。DMの反響率・成約数を大きく左右するコンテンツと言えます。ただし、目的や意図を理解せず、「他社も載せているから」という理由だけでなんとなく作成しても効果は期待できません。
この記事では、これから初めてBtoB向けDMを作成する方や、「何度か実施したけれど、なかなか成果が上がらない…」とお困りの方のために、導入事例/実績の効果的な作り方や掲載方法を紹介します。DMだけでなく、営業資料やWebサイトにも使えるノウハウですので、ぜひご活用ください。
BtoB向けDMに導入事例/実績が必要な理由
BtoB向けのDMで導入事例と実績の掲載が必要な理由は次の3つです。
信用度が高まる
企業が一方的に企業相手に商品の良さをアピールしても、売り文句と捉えられ、なかなか信用を得ることはできません。実際に利用した顧客の評価があって初めて客観性が生まれ、信用してもらいやすくなります。
トライアル(お試し)の代わりになる
BtoB商材の多くは、高価であるにもかかわらず、事前にトライアル(お試し)できないというデメリットがあります。ターゲット企業にとって、「同じような課題や悩みを抱えていた企業が、この商材を使って解決した」という事例ほど、商品・サービスの効果の参考になるものはありません。
同業他社の事例・実績が成約の決め手になる
企業が新たな商材の導入を検討するにあたって、同業他社の導入事例は必ずといって良いほどチェックされる要素です。そこで「業界トップの○○社が使っている」「競合の○○社が導入して売上を伸ばしている」ということがわかれば、グッと成約に近づきます。
導入事例に入れるべき7つの要素
導入事例に入れると効果的な7つの要素を紹介します。事例作成のためのヒアリングやアンケートの質問事項としても参考にしてください。
(1)導入企業の情報
- 企業の情報(正式社名・代表者名・設立年月日・業務内容・従業員数)
- 担当者の情報(氏名・部課名・役職)
(2)導入前の課題・悩み
- 導入以前に抱えていた課題・悩みを詳しく具体的に
(3)導入を決定した理由・ポイント
- 決め手となった特長、コスト、対応や、検討期間、迷った理由など
(4)導入後、成果があらわれるまでのプロセス
- 成果が出るまでの期間、その間の問題発生から解決までのエピソード
(5)導入による改善・向上効果(定量・定性)
- 顧客数〇%増、離職率○%減など、数字をともなった定量的効果
- 経理ミスが減った、従業員全員が定時退社しているなどの定性的効果
(6)今後の活用案
- 他の機能も試したい、他部門でも使いたいなど
(7)ベンダー企業(売り手)への感想・期待
- 営業・サポート対応について、商品・サービス改善への希望や期待など
導入事例を掲載する際のポイントと注意点
上の7つの要素に加えて、より効果を高めるコツや、気をつけた方が良い注意点を紹介します。
顧客の写真を掲載する
顧客情報が詳細であればあるほど事例の信ぴょう性は高まります。とくに効果的なのが、導入企業担当者の顔写真です。商材に対する満足感とともに、「クライアントから信頼されている企業なんだな」という印象を与えることができます。
客観的・定量的な表現を使う
BtoC向けDMの「お客様体験談」とは違い、企業の導入事例では顧客の主観的な感情表現はあまり効果的ではありません。
DMを読むターゲットにとって最大の関心事は、「その商材を導入したら本当に課題は解決されるのか?」ということ。感情に訴えるよりも、図表や数字を使った客観的かつ定量的な表現で、ビフォー&アフターをわかりやすく伝えるほうが効果的です。
ウマすぎる事例ばかり載せない
とはいえ、「即導入を決めました!」「すぐに売上が200%アップしました!」というような、非現実的な事例を並べるのは逆効果です。誇大広告だと思われてしまいますし、たとえ成約しても「話が違う!」とクレームの原因になる恐れがあります。
さじ加減は必要ですが、「導入に際し、社内で反発があった」「最初は〇〇に戸惑った」といった程度のネガティブなエピソードを載せたほうが、リアリティがあって信用されやすくなります。
他社商材との違いをアピールする
BtoB商材は競合が多いため、ターゲット企業はすでに他社の類似商材を導入している可能性があります。
ただし、必ずしも満足しているとは限りませんし、成果が出ていない可能性もあります。「失敗を繰り返すのではないか?」という不安を払拭するためにも、他社商材にはない特長があれば、重点的に伝えることが大切です。
導入事例の種類
一言で導入事例といっても、いくつかの種類があります。ここでは代表的な3つのタイプを紹介します。
担当者の声タイプ
BtoC向けDMの「お客様体験談」のように、導入企業の担当者が主観的に語るタイプです。人材サービスやオフィスコンビニなど、効果を数字で表現するのが難しいサービスに適しています。
とはいえ、ただの「感想文」になってしまっては意味がありません。上で紹介した7つの要素をある程度網羅しつつ、エピソードを具体的に伝える工夫が必要です。
インタビュー・対談タイプ
導入企業担当者へのQ&Aや、ベンダー(売り手)企業営業担当者との対話を掲載するタイプです。会話形式なので肩肘張らずに読め、営業担当者の人柄が伝わるというメリットもあります。
説明タイプ
導入前の状況から導入後の効果までを、客観的に説明するタイプです。セールスやマーケティングツールなど、数字で効果をはかりやすい商材に適しています。
専門用語や慣れない横文字が頻出するすると読まれにくくなります。文章だけで伝えるのが難しい場合は、図や表を用いてわかりやすくする配慮が必要です。
導入事例集
導入事例だけを集めた冊子です。DMの同封物や、DMを読んで商品・サービスに興味を持った方のための無料プレゼントとして活用されています。
複数の導入事例を掲載する場合は、アピールポイント(導入前の悩み、商材の品質、導入効果、サポート対応など)が重ならないようにするのがポイントです。
導入実績の掲載例
導入実績の代表的な種類を紹介します。なんでもかんでも載せるのではなく、自社や商品・サービスの魅力が一番伝わりやすいタイプを選ぶことがポイントです。
リピート率
商品・サービスが多くの企業に継続的に利用されているという実績は、品質に対するなによりの証明になります。
ポイントとしては、数字はリアルなものを使うこと。たとえば算出したリピート率が89.7%の場合、多く見せるために「約90%」とするよりも、「89.7%」という細かい数字のほうが信ぴょう性は高まります。
業界シェア率・ランキング
業界でのシェア率やランキングの高さは、商材選びで迷っているターゲットに対して強力な後押しになります。ただし、たとえ1位だとしても、必ず選ばれるとは限りません。「なぜ(ターゲット企業は)この商材が必要なのか」ということを、DM全体を通して明確に伝えることも大切です。
導入企業・業界
多くの企業に導入されていることを伝えたい場合は、企業ロゴを並べる見せ方が一般的です。誰もが知る有名企業のロゴがあれば、会社のブランディング効果も期待できます。
反対に名の知れた導入企業がない場合は、導入業界を挙げるのも良いでしょう。商品・サービスの汎用性や、企業としての対応力の高さを伝えることができます。
導入企業数
年々導入企業が増えているということは、ニーズが高まっている証拠。顧客の声をうまく併用すれば、ターゲットのニーズ喚起も期待できます。あくまで自社のデータなので、業界シェア率が低くても使えるのがメリットです。
エリア別導入実績
都道府県別や地方別の導入件数をあらわしたタイプです。全国に店舗をチェーン展開しているような企業をターゲットとするDMに効果的です。
おわりに
導入事例や実績で多い失敗が、ただの商品・会社の「自慢話」になってしまうことです。しかしそれでは驚かれることはあっても、購入や成約に結びつくのは難しいでしょう。
衝動的な購買が見込めるBtoC商材とは異なり、BtoB商材は多様な視点から検討されます。そのため、売り込みよりも、「読み手(ターゲット)が必要な情報を伝える」という意識でコンテンツを作成することが大切です。
BtoB向けDMの作り方については、こちらの記事も参考になるでしょう。
教えて!DM先生 編集部
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