ダイレクトメールや紙販促ツールの折り方(折り加工)の種類と活用法
2024.05.29 2019.05.13ダイレクトメールダイレクトメール(以下:DM)をはじめ、チラシやパンフレット、リーフレットなど、紙の広告・販促ツールの折り方・折り加工でお悩みの方のために、折りの種類とそれぞれの特徴、オススメ用途、注意点などをまとめました。
折りについてのノウハウは、ツールの表現力や訴求力をアップさせる武器になります。また制作段階においても、印刷会社や発送代行会社とのやりとりがスムーズになるでしょう。ユニークな折り加工やクリエイティブのアイデア例も紹介していますので、デザイン制作のヒントとしてもお役立てください。
目次
DMの折り方の種類と封筒サイズ
まずは一般的な7種類の折り方と、封書で発送する場合の、それぞれの用紙の大きさに適した封筒のサイズを紹介します。用紙の大きさはあくまで例ですので、これでなければいけないというわけではありません。参考としてご覧ください。
二つ折り
一番シンプルな折り方が二つ折りです。三つ折り・四つ折りに比べて表紙にインパクトが出せるため、DMでは商品カタログなどでよく見かけますが、より一般的なのはハガキの圧着DMでしょう。
1枚モノのハガキでは実質裏面1面しか使えませんが、二つ折りにすることで3倍の情報を掲載することができます。しかも郵送費は変わりません。EC通販など物販系では仕上がりが定型ハガキサイズのもの、B to B(法人向け)のDMではA3二つ折りで仕上がりA4サイズの圧着DMが多く使われています。
圧着DMの加工や形状の種類についてはこちらで詳しく紹介しています。
巻三つ折り
巻き三つ折りは紙を3面に分割し、端のどちらか1面を内側に折り込む折り方です。DMでは手紙形式の挨拶状や商品リーフレットに活用されています。
注意点は、内側に折り込む面の幅(折り幅)を2~3mm程度小さくして制作すること。3等分で折ると、紙の厚さによってきれいに仕上がらないからです。実際の制作においては、事前に印刷会社に具体的なサイズを確認しておくことをオススメします。
Z折り(外三つ折り)
Z折りは紙を3面に分けて、両端の面をそれぞれ山折り・谷折りする折り方です。少し広げて上から見ると、アルファベットの「Z」のような形をしているので、このように呼ばれています。DMでは手紙形式の挨拶状や同封のリーフレットでよく使われています。
例は横向きのデザインを想定したものですが、洋形封筒に封入する場合は縦向きにデザインするのが一般的です。デザインの向きによって表紙面が変わりますので、印刷の際は印刷会社への指示が必須です。また、Z折りの場合は折り込む面がないため、折り幅は均等で問題ありません。
蛇腹(じゃばら)折り三山(W折り)
蛇腹折りは、紙を端から山折り→谷折りの順に均等の幅で折る折り方です。仕上がりを少し広げてみると蛇のお腹のようにウネウネしているところから、このように呼ばれています。
コンパクトに仕上がるため、持ち運びしてもらいたいツールに最適な加工です。例は挨拶状などで一般的な三山タイプ(折り3回)ですが、山の数は決まっているわけではありません。なかには10山以上ある、冊子型のリーフレットもよく見かけます。
十字折り(クロス折り・クロス8頁折り・直角四つ折り)
十字折りは、長辺の二つ折りを2回繰り返し、4分の1のサイズにする折り方です。広げると折り線が十字(クロス)型になるため、このように呼ばれています。
例は縦向きの折り方ですが、A3など大きいサイズの用紙は横向きに折ることが一般的です。DMではA3・4ページのニュースペーパーや会報誌などが、よくこの折り方で封入されています。
観音折り・開き観音折り
観音折りは、4分割した両端の面を内側に折り、さらに二つ折りする折り方。開き観音折りは両端の面のみ折る折り方です。観音開きのように開けることができるので、このように呼ばれています。
DMでは商品パンフレットやリーフレットに活用されています。形状を上手く活用して、開けるワクワク感を演出できると効果的です。また巻き三つ折り同様、中に折り込む2面は幅を2mm程度小さく制作する必要があります。
DM折り
DM折りは、長辺を真ん中で二つ折りし、さらに巻き三つ折りを加える折り方です。A3サイズの紙もDMでよく使われる定型封筒に入れることができるので、このように呼ばれています。情報量の多いDMに最適です。
巻き三つ折りする際に内側に折り込む面の幅は、2~3mm程度小さく制作する必要があります。
販促ツールの折り方・折り加工別オススメ用途
DM以外の広告・販促ツールも含めた折り方別のオススメ用途をまとめると、次のようになります。
二つ折り | チラシ 店舗・会社案内 商品・サービスカタログ |
---|---|
巻三つ折り・Z折り | DMの挨拶状 商品リーフレット、店舗・会社案内 店舗やイベントの案内アップ |
蛇腹折り | DMの挨拶状 冊子型パンフレット・リーフレット |
十字折り | DMや通販商品に同封・同梱する会報誌 店舗での配布用チラシ ポスティング用・ポケットティッシュ用チラシ |
観音折り・開き観音折り | 店舗や企業の案内パンフレット 商品リーフレット 商品POP |
DM折り | A3などの大きいサイズのチラシ |
折り加工のデザイン例とアイデア例
広告・販促ツールとしてのDMの大きな魅力は、直接手に触れてもらえること。メッセージの内容が同じでも、デザインや形状、手触りなどを工夫することで、商品やブランドをより強く印象づけることができます。もちろん折り方もそのひとつ。ここでは、上手く折り加工を活用したデザイン例と、ユニークな折り方例を紹介します。
開き観音折りDMのアイデア例(アパレルEC通販DM)
アパレルEC通販のDMに同封する、新商品告知のリーフレットです。見た目は可愛らしいクローゼットで、両観音折り仕様。「OPEN!」という言葉に誘われるまま両扉を開くと、中もクローゼット(の写真)になっていて、新作のワンピースがかけられているという作りです。
ポイントは、折りの加工がデザインとマッチしているところ。まさに体験型ツールとしてのDMの特性を生かしたアイデアといえます。
例のイラストでは地味ですが、クローゼットの中の写真を、たくさんの洋服やアクセサリーを並べてオシャレかつ賑やかにするとさらに効果的。見た人に、「自分のクローゼットもこんな風にしたい!」「自分のクローゼットにもこの服を加えたい!」と思ってもらえると成功です。
展開型DMのアイデア例(猫マンガDM)
いつも同じようなDMばかり送っていると、顧客に飽きられて、反響も下がってきます。そこでオススメなのが、この展開型DMです。
見た目は何てことのない定型ハガキサイズの圧着DM。ところがフタをはがすとビックリ。普通なら1回だけなのに、2回開ける仕様になっていて、2面が4面に展開するのです。
しかもこれだけでは終わりません。実はこのDM、さらに上にも開けることができるのです。
上に上にと開けていくと、最後はなんと16面のA2サイズに。受け取った方の「思っていたよりデカッ!」というツッコミの声が聞こえてきそうです。
クリエイティブは面の多さを利用して商品カタログ的な内容にするのもいいですが、例の猫マンガのように、ついつい開けたくなるようなストーリー性のあるものも楽しいですね。うまく活用すれば、SNSで話題になって爆発的な認知拡大につながるかもしれません。
おわりに
以上、ダイレクトメールを中心に、紙の広告・販促ツールの折り方について紹介してきました。
最後にお伝えしたいのは、「折りもクリエイティブの一部である」ということです。「折り」というと制作工程のなかでもなんとなく地味な印象がありますが、上に挙げたアイデア例を見ていただければわかるように、「折り」を工夫するだけで、クリエイティブの可能性はいくらでも広がっていきます。
この記事を参考にして、ぜひあなたの商品・サービスの魅力が最大限伝わる折り方を考えてみてください。
教えて!DM先生 編集部
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