DM・ビジネス封筒の正しい選び方は?種類、サイズ、用途を紹介!

2024.03.06 2019.01.07ダイレクトメール
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ビジネスにおいては、服装と同じく、封筒にもマナーが存在します。TPOにあわせて種類を選ぶだけでは不十分。たとえばサイズ。封入物と比べて明らかに大きな封筒を使うのは、袖(そで)が腕より長いスーツで商談にのぞむようなもの。それでは相手に良い印象は与えられません。

とはいうものの、封筒にはたくさんの種類やサイズがあり、どれを選べばよいかわからず困ってしまうこともあるでしょう。そこでこの記事では、種類やサイズ、用紙、それぞれのオススメ用途など、最適な封筒選びに役立つ情報をまとめました。書類や手紙の正しい封入方法も紹介していますので、受け手に印象の良い「スマートな封書づくり」に役立ててください。

封筒の種類(和封筒と洋封筒の違い)

封筒には、大きく分けて「和封筒」と「洋封筒(洋形封筒)」の2種類があります。まずはそれぞれの特徴や用途について紹介します。

和封筒と洋封筒の違い

和封筒の特徴と用途

短辺に開口部(封入口)のある封筒が和封筒です。一般的な社封筒(会社封筒)や茶封筒も含まれ、見積書や請求書、納品書などのビジネス文書からDMまで、幅広く使われています。

縦(天地)の長さが横(幅)の倍近くある「長形封筒」と、左右の幅が広い「角形封筒」の2種類があります。

洋封筒の特徴と用途

 
長辺に開口部のある封筒が洋封筒です。横長のカードも出し入れしやすいため、事務所移転の案内状やイベント招待状の送付によく使われています。

封筒の貼り方に種類があり、大きく「ダイヤモンド貼り」と「カマス貼り」の2種類に分かれます(上のイラスト参照)。それぞれに最適な用途は次の通りです。

貼り方
適した用途
ダイヤモンド貼り フォーマルなお知らせ
(社屋移転の案内状、人事異動の挨拶状、結婚式の招待状など)
カマス貼り DMなど封入物が多く大量に封入封緘するもの
(開口部が広く、引っ掛かりにくい)

和封筒・洋封筒それぞれの宛名や差出人名の書き方、封締めのルールなどについてはこちらの記事をご覧ください。

封筒の紙の種類

通常、ビジネスにおける封書の送付には社封筒か既製品の封筒を使いますが、DMや特別なイベントの招待状を発送する場合は、一から封筒を作成することもあります。ここではそうした際の参考として、一般的に封筒に使われている用紙を紹介します。

コート紙

折込チラシにも使われることの多いコート紙は、光沢があり、ツルツルとした手触りで、印刷の発色に優れています。なかでも光沢が強いグロスコート紙は、フルカラー印刷に最適です。

マット紙(マットコート紙)

コート紙の一種ですが、光沢を抑え、しっとりと落ち着いた雰囲気の紙です。文字量の多いデザインに向いています。

上質紙

白色封筒の定番ともいえる紙です。コピー用紙にも使われており、光沢やツヤが少なく、印刷した文字が読みやすいというメリットがあります。コート紙と比べて、強度や透けにくさに優れています。

色上質紙

染色した上質紙のことで、色つきの封筒に使われています。光沢を抑えた柔らかい発色が特徴です。「いろがみ」と呼ばれることもあります。

コート紙・マット紙・上質紙については、こちらの記事でより詳しく紹介しています。

ケント紙

上質紙と同じく白色封筒に使われる紙ですが、少し青みがかった色合いが特徴です。手触りは画用紙に近く、表面は固く、しっかりとした厚みがあります。

クラフト紙

 
一般的な茶封筒に用いられているのがクラフト紙です。特徴は、透けにくさと強度の高さ。明るい色合いで事務用封筒に使われている「半晒(はんさらし)クラフト紙」や、色が濃く、ナチュラル系のおしゃれな雑貨屋さんの紙袋などに使われている「末晒(みさらし)クラフト紙」といった種類があります。

晒(さらし)クラフト紙

もともとの茶色を晒(さら)して漂白した、白色のクラフト紙です。デパートの紙袋に使われるほど強度が高く、底の厚いマチ付きの封筒に最適な素材です。

和紙

日本独特の製法でつくられた紙です。上品であたたかな風合いをもち、「和」のイメージを訴求したい商品・ブランドのDMや、イベントの招待状にぴったりです。

トレーシング紙

半透明で、通常は図面やイラストの透き写しに使う紙です。外から封入物を見せたいDMなどに用いられています。紙の厚みによって透明度は異なります

レイド紙

特殊加工によって、立体的な縞模様(すの目模様)が入れた紙です。やわらかい手触りと上品な雰囲気が特徴です。

フィルム(OPP・CPP)

紙ではありませんが、同じくDMの封筒に使われているのがOPP・CPPと呼ばれる透明フィルムです。紙よりも安価で、中身が見えることが特徴です。一般的には「ビニール封筒」や「透明封筒」と呼ばれています。

透明封筒の効果的な活用法についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

ここで紹介した以外にも、封筒の用紙にはまだまだたくさんの種類があります。同じ色・デザインでも素材が違えば印象は大きく変わりますので、迷ったときは、印刷会社やDM発送代行会社に相談するのをオススメします。

封筒のサイズとオススメの用途

続いて、長形封筒・角形封筒・洋封筒のサイズと、それぞれに最適な封入物のサイズ・折り方を紹介します。オススメの用途も紹介していますので、参考にしてください。

長形封筒のサイズと用途

長形封筒のサイズと用途
      
ビジネスでもっとも一般的ともいえるのが、A4サイズの紙が横三つ折りで封入できる、長形3号(長3)封筒です。定型郵便で送ることのできる、最大のサイズの封筒でもあります。

その他の長形封筒のサイズは次の通りです。

名称
サイズ(横×縦)
封入物の最適なサイズ
長形1号 142mm × 332mm A4縦二つ折り、B5横三つ折り
長形2号 119mm × 277mm A4縦三つ折り
長形3号 120mm × 235mm A4縦三つ折り
長3横封 235mm × 120mm A4縦三つ折り
長形4号 90mm × 205mm B5横四つ折り
長形30号 92mm × 235mm A4縦四つ折り、B5横三つ折り
長形40号 90mm × 225mm A4縦四つ折り、B5横四つ折り
長形13号 105mm × 235mm A4縦四つ折り、B5横三つ折り
長形14号 95mm × 217mm A4縦四つ折り、B5横三つ折り

角形封筒のサイズ

角形封筒のサイズ

書類を折らずに届けたいときに便利なのが角形封筒です。なかでもよく使われているのが、A4サイズがすっぽり入る角形2号。カタログや冊子にも最適で、郵送だけでなく、メール便でも定番です。

他のサイズも、学校や会社案内のパンフレット、サプリメントなど軽量の商品発送などに活用されています。ほとんどのサイズが定形外郵便扱いとなるので、郵送の際は注意が必要です。

その他の角形封筒のサイズは次の通りです。

名称
サイズ(横×縦)
封入物の最適なサイズ
角形B3号 375mm × 525mm B3(折り不要)、A3(折り不要)
角形A3号 320mm × 440mm A3(折り不要)、B4(折り不要)
角形0号 287mm × 382mm B4(折り不要)
角形1号 270mm × 382mm B4(折り不要)
角形2号 240mm × 332mm A4(折り不要)、B5(折り不要)
角形20号 229mm × 324mm A4(折り不要)、B5(折り不要)
国際A4号 229mm × 324mm A4(折り不要)、B5(折り不要)
角形A4号 228mm × 312mm A4(折り不要)、B5(折り不要)
角形3号 216mm × 277mm B4(折り不要)、A5(折り不要)
角形4号 197mm × 267mm B4(折り不要)、A5(折り不要)
角形5号 190mm × 240mm A5(折り不要)、B6(折り不要)
角形6号 162mm × 229mm A5(折り不要)、B6(折り不要)
角形7号 142mm × 205mm B6(折り不要)

洋封筒のサイズ

洋封筒のサイズ

事務所移転案内状や役員交代挨拶などのカードに最適なサイズが、洋型1号と洋形2号です。長3横封と同サイズの洋型0号、洋形長3号はDMにも使われています。

その他の洋封筒のサイズは次の通りです。

名称
サイズ(横×縦)
封入物の最適なサイズ
洋形0号 120mm × 235mm A4横三つ折り
洋形1号 120mm × 176mm B5十字四つ折り、A5横二つ折り、はがき、カード
洋形2号 114mm × 162mm A5横二つ折り、A4十字四つ折り、はがき、カード
洋形3号 98mm × 148mm B5十字四つ折り
洋形4号 105mm × 235mm A4横三つ折り
洋形5号 95mm × 217mm B5横三つ折り
洋形6号 98mm × 190mm B5横三つ折り
洋形7号 92mm × 165mm A5横三つ折り
洋形特1号 138mm × 198mm B6(折り不要)
洋形特3号 235mm × 120mm A4横三つ折り

封筒サイズ別:文書・便箋の折り方と入れ方

同じ三つ折り・四つ折りでも、折り方を工夫することで、受け取る相手の読みやすさは格段にアップします。ここでは、封筒を開封し、封入物を開いたときに自然に書き出しが目に入る折り方・入れ方を紹介します。

長形3号(長3)の封筒にA4サイズの封入物を入れるときの折り方

長形3号(長3)の封筒にA4サイズの封入物を入れるときの折り方

ビジネスで定番の長形3号の封筒に、A4 文書を封入するときの折り方です。最初に下3分の1を折り上げ、次に残りの部分を折り下げることで、最初に開いたときに文書の上部(書き出し)が目に入るようになります。縦書きの場合も同じ折り方をします。

長形4号の封筒にB5サイズの封入物を入れるときの折り方

長形4号の封筒にB5サイズの封入物を入れるときの折り方

B5サイズはビジネス文書に使われることは少なく、お礼状や、親しい相手への手紙に活用されています。横四つ折りのポイントは、最初から4等分に折ろうとするのではなく、まず下半分を折り上げて、続いて残りの上半分を折り下げること。そうすれば相手も読みやすく、きれいな四つ折りになります。

洋形3号の封筒にA4サイズの封入物を入れるときの折り方

洋形3号の封筒にA4サイズの封入物を入れるときの折り方

小さめの洋封筒に便箋を入れたり、カードを送る際の送付状を入れたりする場合、縦横に四つ折りします。まず下半分を折り上げ、次に右からかぶせるように半分に折ります。

封筒に封入物を入れる向き

「封入物も完成したし、封筒も決まった。あとは送るだけ!」というときに、封入物を入れる向きに迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、用途や封入物の内容にあわせた正しい封入の向きを紹介します。

和・洋封筒にビジネス文書や手紙を入れる向き

世の中には「手紙を入れる向き問題」というのが存在します。「手紙と封筒の向きが異なっていると縁起が悪い」「いや、人は裏から開封することが多いので、手紙の表面は封筒の裏面にあわせるべきだ」といった意見の相違のことですが、厳密には正解はありません。ただし、ひとつだけ意識しておきたいことがあります。

それは、相手が書類や手紙を封筒から取り出して開いたときに、ちょうど上部(書き出し)に目が行くように封入することです。そうすれば、手紙の向きを変えたり書き出しを探したりする負担を減らすことができます。具体的な方法は、下の表とイラストを参考にしてください。

封筒の種類と封入物の折り方
封入物の向き
角型封筒に折らずに入れる 封入物の上部と封筒の上部をあわせる
長型・洋形封筒に二・三・四つ折りで入れる 封筒の表から見て封入物の上部(書き出し)を左に
洋封筒に十字四つ折りで入れる 封筒の表から見て封入物の上部(書き出し)を右に

和・洋封筒にビジネス文書や手紙を入れる向き

洋封筒にカードを入れる向き

カードの封入に関しても、とくに決まりはありません。折りなしの単カードは封筒の表裏にあわせることが多いですが、手渡しの場合はその場ですぐに開封して文面が見えるよう、反対向きのほうが良いという意見もあります。ただし、ビジネス書類や手紙の封入と同じく、封筒と上下を揃えることは変わりません。

下に一般的なカードの種類別の封入方法をまとめましたので参考にしてください。

洋封筒にカードを入れる向き

おわりに

冒頭で、封入物に比べて大きすぎる封筒を「裾が手より長いスーツ」に例えてみましたが、実際にはそこまでサイズ感のおかしいスーツを着用している方はいらっしゃらないと思います。では、なぜ封筒なら起こるのでしょうか。

それはやはり、心のどこかに「たかが封筒」という気持ちがあるからだと思います。でも人は案外、他人のそういう細かいところこそ見ているもの、なんですよね。

「たかが封筒」とあなどるなかれ。小さい積み重ねが、やがて大きな信用や成果につながるかもしれません。……というと、なんだか偉そうに聞こえるかもしれませんが、これは自分自身に言い聞かせていることでもあります。お互い、気を引き締めて仕事に取り組んでいきましょう!

タグ : デザイン
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教えて!DM先生 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引14,400社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。