DMのカバーレター(送付状/添え状)のマナーと作成のコツ
2024.05.28 2023.08.01ダイレクトメールダイレクトメール(以下:DM)で資料やカタログなどを発送する際に封入するカバーレター。送付状、添え状とも呼ばれ、あくまで形式的なものではありますが、マナーに反した書き方をしてしまうと、「この会社、なんだか信用できないな…」と思われてしまう恐れもあります。
せっかく商品・サービスに興味をもってくれたお客様に、悪い印象を与えてしまってはもったいないですよね。この記事では、マナーに則したカバーレターの基本的な書き方を例文とともにご紹介します。DMだけでなく、普段、取引先にビジネス文書を送る際にも役立つノウハウなので、是非ご参考ください。
目次
カバーレター(送付状)の目的は?
カバーレターの目的は、「誰に」「何を」「どれだけ」送ったのかを送付先に示すこと。とくに数種類の資料を送る際、これがあることで相手はわざわざ内容物をひろげて確認する手間が省けます。受け手が封筒を開封したときに最初に目につくように、一枚目(一番上)に封入します。
カバーレター(送付状)は必ず封入した方がいいの?
カバーレターは必ずしも封入しなければいけないわけではありません。実際のビジネスシーンでも、スピードや簡潔さを優先して、資料や書類だけを郵送している企業もあります。
けれども、受け取る立場に立って考えてみるとどうでしょう。ただポンと資料だけが届くよりも、たった一枚とはいえカバーレターが入っているほうが、「大切に思ってくれているんだな」「丁寧な会社だな」と温かい気持ちにならないでしょうか?
そう、実はカバーレターは、相手に対する心遣いや大切に思う気持ちを伝えるツールでもあるのです。同じ商品・サービスを購入するなら、そんな心配りのできる企業から買いたいですよね。少し手間はかかりますが、面倒くさがらずに、ぜひ封入することをおすすめします。
印刷と手書きのどちらがいいの?
印刷と手書き、どちらでも構いません。ただし、いずれの場合も読みやすい文字やレイアウトにすることが大切です。
パソコンで作成する際は、明朝体やゴシック体など正規のフォントを使い、大きめの文字で書きましょう。もちろん商品やブランドのイメージによっては、特殊なフォントでもかまいません。手書きの場合は、一文字一文字丁寧に書くよう心掛けてください。時間はかかりますが、受け手に深い印象を残せるはずです。
カバーレター(送付状)の文章例
B to B、B to Cそれぞれの一般的なカバーレターの文章例を紹介します。
B to B(法人向け)カバーレター(送付状)の文章例
資料請求の申し込みがあった法人見込み客に、資料を送付する際に封入するカバーレターの例文です。
B to C(消費者向け)カバーレター(送付状)の文章例
カタログ請求の申し込みがあった見込み客に、カタログを送付する際に封入するカバーレターの例文です。
カバーレター(送付状)に必要な9つの要素
カバーレターには一般的に以下の9つの要素を入れます。書き方のポイントとあわせて紹介します。
日付(1)
作成日ではなく、投函(郵送)日を記載します。和暦・西暦はどちらでも構いません。
宛先(2)
B to Bの場合は会社名と部署名、担当者(資料申込者)名を記載します。会社名・部署名までしかわからない場合は「御中」、担当者名がわかっている場合は「様」の敬称をつけます。
B to Cの場合は氏名の後ろに「様」をつけます。
※担当者名やお客様の名前を間違えないよう、封入する際は必ずきちんと照合しましょう。
差出人名(3)
B to Bの場合は担当者の名前、メールアドレスまで記載しておくと、先方の手間が省け、素早いレスポンスが期待できます。パソコンで作成する場合も、担当者名だけでも手書きにすると印象に残りやすくなるでしょう。
上の例のように日付の下に右詰めで書くのが基本ですが、文末でもかまいません。先方より上の位置や同じ高さに記載するのはマナー違反です。
タイトル(4)
「何を」送ったのか一目でわかるように、「○○のご送付について」「○○送付のご案内」と簡潔に記載します。
頭語と結語(5)
カバーレターでは「拝啓」「敬具」のペアが一般的です。意外と「敬具」を忘れるので注意しましょう。
挨拶(6)
「拝啓」の後に1文字空けるか、改行して記載します。例以外では、次のような挨拶文が一般的です。
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 |
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 |
拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。 |
ちなみに「ご清栄(せいえい)」は健康と繁栄を指し、法人・個人(消費者)向け両方に使用できますが、「ご清祥(せいしょう)」と「ご健勝(けんしょう)」は健康や幸せを指す言葉なので、個人(消費者)に向けて使うのが適切です。
「時下」のかわりに季節にあわせた時候の挨拶を入れるのも、親近感を深める上でベターです。例えば以下のような例が適切です。
拝啓 陽春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 |
春の時候の挨拶(3月・4月・5月)
「陽春の候」「桜花の候」「新緑の候」「若葉の候」
梅雨・夏の時候の挨拶(6月・7月・8月)
「梅雨の候」「盛夏の候」「残暑の候」「晩夏の候」
秋の時候の挨拶(9月・10月・11月)
「初秋の候」「紅葉の候」「秋晴れの候」「晩秋の候」
冬の時候の挨拶(12月・1月・2月)
「厳寒の候」「師走の候」「余寒の候」「立春の候」
記書き(7)
同封する資料と部数を箇条書きで記載します。複数の種類の資料を送付する場合は、記書きと同じ順番で封入しましょう。
備考(8)
カタログ商品に金額変更があった場合など、送付資料について捕捉説明が必要な場合は備考として記載します。ただし、一般的にカバーレターは「送付のみ」で他に用事がない場合に用いるものなので、重要な用件については、別途もしくは別紙にて伝えるほうが丁寧です。
以上(9)
「記」以下を締めくくる言葉です。通常は「以上」の下には何も記載しません。
書く際に抑えておきたいポイント
カバーレターはシンプルに書くことが一番のポイントです。本文の文章は一文を短く、レイアウトやデザインも凝る必要はありません。受け取った方が、「誰に」「何を」「どれだけ」送ったのか一目でわかるように心がけて作成してください。
横書きのため、住所や連絡先、送付物の数量の数字はすべて算用数字(1、2、3…)を使います。ただし、社名や部署名でもとの表記が漢数字(一、二、三…)の場合は変更しないように注意しましょう。(例:第三ビル、第一営業部など)
おわりに
以上、カバーレター(送付状/添え状)の基本的な書き方を紹介してきました。一度覚えてしまうと簡単ですが、慣れたからといって気を緩めてはいけません。とくに宛名に誤字・脱字があっては失礼にあたります。資料のチェックとあわせて、毎回、必ず封入前に見直しをしてください。
カバーレターは会社の品格をあらわすもの。上に書いたように、たった一枚のカバーレターが、大きな信頼や成果につながる可能性もあります。「たかがカバーレター」とあなどることなく、丁寧に、心を込めて書きましょう。
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なお、今回のように資料やカタログの送付を目的としたDMのカバーレターと、レスポンス(申込)やコンバージョン(購入・成約)を目的としたDMの挨拶状では、書き方がまったく異なります。そちらのDMの挨拶状の書き方も知りたいという方は、こちらの記事を参考にしてください。
教えて!DM先生 編集部
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