反響抜群のパーソナライズDMとは?サンプル例から成功事例まで紹介!
2024.09.27 2018.09.25事例・効果測定あなたはパーソナライズDMについてどれだけ知っていますか?高いレスポンス率・コンバージョン率が期待できるDMということもあり、「聞いたこともない!」という方はさすがにいないと思いますが、きちんと理解されている方は意外と少ないのではないでしょうか。
とはいえ、最近ますます注目を集めているだけあって、「一度は試してみたい」と考えている販促・マーケティング担当者様もいるでしょう。この記事ではそのような方のために、一般的なDMとの違いから、メリット、注意点、サンプル例、成功事例まで、パーソナライズDMの基本についてまとめて紹介します。
目次
パーソナライズDMとは
パーソナライズ(英:personalize)とは、「あるものを個々人向けにカスタマイズする」という意味です。つまりパーソナライズDMとは、同じセグメントの顧客に同じ情報を伝える一般的なDMとは異なり、「顧客一人ひとりの属性や趣味嗜好、購買履歴などに合わせて作られたDM」を指します。
ただし、費用や時間の都合上、一人ひとりに対して1から10までまったく異なる内容のDMを制作することはまずありえません。通常は、バリアブル(可変)印刷という印刷技術を利用して、文章(コピー)やコンテンツの一部を差し替える方法が一般的です。
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パーソナライズDMのサンプル例
では、パーソナライズDMとは具体的にどのようなものなのか、全国でチェーン展開しているアパレルショップのハガキDMを例に、一般的なクリエイティブを2つ紹介します。
セール招待DM
赤枠部分が、顧客一人ひとりに合わせて内容を差し替えている箇所です。
このDMのポイントは、裏面の「○○様」という呼びかけをパーソナライズしているところ。ここが「お客様皆さまへ」であれば宣伝にしか見えませんが、自分の名前が入っていることによって、顧客はまるで自分を選ばれた招待客のように特別に感じることができます。「この招待状はお客様全員に送っているわけではありません」という文言があれば、なお良しです。
また、顧客の住所に合わせてセール会場の地図を差し替えることで、余計なスペースを減らしています。
クーポン付き来店促進DM
顧客一人ひとりの購買履歴データから趣味嗜好を抽出し、個別にオススメ商品を紹介しているDMです。ハガキDMのため、あまり多くの商品は掲載できませんが、パーソナライズ化によって少数でも訴求力の強い内容にすることができます。最近ではAIを活用したレコメンデーションをおこなっている企業もあります。
累計の購入金額に応じて、オファー(クーポン)の割引率も変えています。
パーソナライズDMの可変項目
上の例で紹介したものも含めて、パーソナライズDMで可変項目にすると効果的な要素は次の通りです。
顧客の個人情報 | 氏名、会員No、累計ポイントなど |
---|---|
商品/サービス | 過去の購買データを反映 |
オファー | 顧客ランク/累計購入金額を反映 |
QRコード | 顧客セグメントによってリンク先のLPを変える |
ビジュアル、デザイン | 性別/年代別の好みや相性に合わせて画像・色合いを変える |
また、DMコンテンツ以外でも、パンフレット・カタログなどの同封物の数や内容、発送タイミングでもパーソナライズは可能です。
性別・年代別の最適な色合いと、効果的なDMの発送タイミングについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
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パーソナライズDMで期待できるメリット
パーソナライズDMを実施することで期待できるメリットは、おもに以下の3つです。
レスポンス率・コンバージョン率の向上
DMの反響を上げるための最大のポイントは、受け手(ターゲット)に「これは自分のための手紙だ」と感じてもらうこと。パーソナライズDMで、顧客一人ひとりにマッチング精度の高い情報を伝えることができれば、通常のDMよりもはるかに高いレスポンス率・コンバージョン率が期待できます。
見やすい・読みやすいデザインが組める
属性やセグメントが異なる顧客をターゲットにしてDMを作ろうとすると、どうしても注釈的な説明が必要になり、ゴチャゴチャしたデザインになってしまいます。しかし、個別に内容を差し替えられるバリアブル印刷を使えば、そうした心配はいりません。店舗や施設をチェーン展開している企業の、多品種小ロットのDMにも最適です。
顧客ロイヤリティが高まる
多くの企業が新規顧客獲得に苦労している現在、既存顧客の企業に対する信頼感や愛着を醸成すること、つまり「ファンづくり」がますます重要になっています。そして、そのカギとなるのが「特別感」の提供。パーソナライズDMで顧客一人ひとりに対して「あなただけ」の特別感を演出できれば、ロイヤリティの向上も期待できます。
パーソナライズDMを実施する際の注意点
このように良いことづくめに思えるパーソナライズDMですが、実施にあたっては注意点もあります。
「広告郵便物」として承認されないことが多い
通常、DMを大量に発送する際は、コスト削減のために郵便局の「広告郵便割引」を利用するのが普通ですが、パーソナライズDMは基本的にこの割引を受けられません。それぞれ内容が異なるため、同一内容が条件である「広告郵便物」として認められないからです。
「広告郵便物」として承認されるパーソナライズDMとは
ただし、例外もあります。同一内容の広告を印刷したものに、購入・来店・サービス加入促進など、広告効果を高めるための簡単な文面(氏名、性別、年齢、ポイント数など)の記載があれば、その文面が同一でなくても、同一の内容性が備わっているものとして扱われます。
以下の2つの例を参考にしてください。
参考例1.獲得ポイントの記載
顧客別の累計ポイント数が可変項目になっていますが、商品購入を促すために記載されていると認められることから、同一内容を備えた広告郵便物として取り扱われます。
参考例2.料金プランの記載
顧客氏名・利用料金が可変項目になっていますが、サービスの利用促進を目的とした記載と認められることから、同一内容を備えた広告郵便物として承認されます。
※実際にパーソナライズDMを実施する際は、事前に郵便局への確認をおすすめします。
※この項目は『新DMの教科書』(一般社団法人日本ダイレクトメール協会,2017)を参考にしています。
パーソナライズDMの成功事例
現在、その手法の斬新さと効果の高さで注目を浴びているのが、㈱ディノス・セシールが実施しているパーソナライズDMです。
DMのターゲットは、同社のECサイトで商品をカートに入れたものの購入に至らなかった方、いわゆるカート離脱客(カゴ落ち客)。サイトのデータを印刷所と連携させ、離脱から24時間以内に検討商品を含む販売促進DMを発送したところ、同内容のメールのみを送付した場合と比べて、購入率が約20%アップしたということです。
これはまさに、DMの特長である行動喚起力の高さと、細かい行動履歴もデータとして抽出できるWebの魅力が結実した、見事な施策といえるでしょう。
数年来、デジタル技術の急速な発達により、EC通販企業を中心にデジタルに特化してプロモーションやマーケティングをおこなう企業が増えていました。しかし今や、Eメール・メルマガの開封率の下落でも明らかなように、デジタルでは紙の代替ができないことが明らかになりつつあります。
先に挙げた行動喚起力以外にも、到達率、保存性、記憶定着率といった面で、まだまだデジタルは紙に及びません。また、「オンライン施策だけでは、会員の8%しかコミュニケーションできない」(富士フィルム)、「Eメールのみと比べてDMと併用のほうかアクセス率・注文率がアップした」(富士フィルム、リクルートジョブス)といった意見も目にします。
パーソナライズDMか否かにかかわらず、今後、このような紙とデジタルを併用したクロスメディア(チャネルミックス)施策は、ますます増えていくのではないでしょうか。
DMとデジタルの併用についてはこちらの記事も参考になるでしょう。
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≫メルマガ×DMの組み合わせで売上をアップさせよう!事例もご紹介
おわりに
以上、パーソナライズDMについての理解は深まりましたでしょうか?ある有名なクレジットカード会社では、既存会員の活性化のために、多くてひと月に50パターンのパーソナライズDMを発送していると聞いたことがあります。さすがにその数には驚かされましたが、しかし、それだけ効果が確かな手法であるという証ともいえるでしょう。DMの究極の目的は、顧客(ターゲット)にとってベストなタイミングでベストなメッセージを伝えること。そして、それを可能にするのがパーソナライズDMです。自社ならどういった活用ができるか、一度考えてみてはいかがでしょうか。
教えて!DM先生 編集部
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