CRM(顧客管理システム)とDMを活用したマーケティング施策とは?

2024.03.05 2019.12.16マーケティング
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DMは、顧客との関係性づくりに必要なマーケティング手法です。その効果を高めるために注目を集めているのが「CRM(顧客管理システム)」との連携です。

こちらでは、「CRMがなにかいまいち分かっていない」という担当者の方でも簡単に理解できるように、CRMでできることや活用のメリット、そしてDMと連動させて効果を上げるための考え方についてご紹介します。

CRMとは?

CRMとは、「Customer Relationship Management」の略語で、「顧客管理システム」と訳される考え方です。その特徴は、「顧客」をビジネスにとって最も重要な要素と位置づける点にあります。顧客と良い関係を築くことを目的とした営業手法で、多くの企業で導入が進められています。

従来から、顧客情報の管理は行われていましたが、営業担当者の勘と経験に頼る部分が大きいものでした。しかし、CRMツールを取り入れることで、顧客の個人情報や接点情報、属性情報などを紐付けて一元管理できます。多角的な情報分析ができるので、顧客のニーズを客観的に洗い出し、売上につながるマーケティングができるようになります。

CRMのメリット

CRMを導入すると、次のメリットが得られます。

顧客情報を一元管理できる

顧客情報や対応履歴をすべて1つのツールにまとめることができるので、情報共有がスムーズになります。それまでは各営業担当者の頭の中や個人メモに分散していた情報がまとまるので、対応する人に関わらずに同じ知識を持って接客することができます。

分析や集計が簡単にできる

データが全て集まっているので、集計や分析もスムーズにできます。これまで勘や経験に頼っていた部分が可視化されるので、高いレベルでのマーケティングにつながります。

顧客ごとに適切なアプローチができる

分析や集計の結果を生かして、一番効果が出ると思われるタイミングでのアプローチができます。例えば、「商品購入から3カ月経過した顧客に、リピートの案内を送ると売上が上がりやすい」という仮説に基づいた対応がすぐにできます。

顧客満足度が上がる

顧客ごとにあった適切なコンテンツを適切なタイミングで提供できるので、「自分のことをよく理解してくれる会社だ」というイメージを与えられ、さらなる顧客満足度向上が見込めます。

CRMのデメリット

導入に際してのデメリットは、以下のとおりです。

導入や運用に費用がかかる

新しいシステムを導入するので、費用がかかります。さらに、初期費用だけでなく保守運用にも一定の費用が発生します。

また、社員一人ひとりがシステムを使いこなせなければ意味がないので、活用を徹底するための教育コストも想定しておく必要があります。

すぐには効果が出ない

CRMを導入してもすぐに結果につながるわけではありません。効果的に活用するためのデータを集め、それを分析するためには時間と人材育成が必要です。

CRMでできること

CRMは、顧客に関するさまざまなデータをまとめて管理できるツールです。ツールにもよりますが、顧客情報管理、対応履歴、メール配信、ソーシャルメディア連携、キャンペーン管理、ウェブサイトの解析、イベント管理、データ分析などが一般的に利用できる機能です。

中でも、DMとの連携という観点において注目すべき機能は以下の通りです。

顧客データや対応履歴の管理

各顧客の個人情報だけでなく、これまでにどのような接点を持っていたかという対応履歴も管理できます。また、実際の購入や成約に至っていない見込み顧客でも、問い合わせの受付等で顧客履歴として管理することができます。

蓄積したデータを活用して、見込み顧客に対して具体的な内容を提供したり、初回購入済みの顧客にリピート購入を促したりというマーケティングがやりやすくなります。

ターゲット属性に合わせたDMが送信できる

顧客の心を動かすには、誰にでも伝わるような「広く浅いDM」ではなく、自分のために書かれたような「自分ごと化できるDM」を送る必要があります。しかし実際は、一人ひとりに違う内容を送ることは不可能です。

CRMを使えば、顧客の属性や情報がわかるので、細かくセグメントしてDMを送り分けることができます。例えば、下記のようなことが可能です。

  • 性別や年令に応じた内容の訴求
  • 購買状況(金額や購買回数)に応じた製品の訴求

DMとCRMを連動した活用の仕方

DMとCRMを連動させたマーケティング施策の例をご紹介します。

見込み顧客の顧客化

問い合わせやアンケート回答を行ってくれた人も見込み顧客として管理できます。実際の購入には至っていなくても、サービスや商品に興味を持っていると予想できるので、より詳しい説明とオファーをつけたDMを送付すると、顧客化につながりやすくなります。

興味のある見込み顧客へのアプローチなので、効率的な売上アップが期待できます。

リピート促進

一度購入した顧客に対して適切なアプローチを行います。初回購入をした顧客に対して数ヶ月空けて再来店・再購入を促すDMを送ったり、新商品の案内を送付したりするとリピーターにつながります。

また、一定期間接点がない顧客に対しても、特別オファーをつけたり、季節商品のアピールをしたりすると、休眠顧客の掘り起こしができます。

優良顧客の育成

購入頻度や金額が高い顧客を大切にすることで、さらなる売上が期待できます。定期的に満足感が高まる情報やアフターフォローを行ったり、優待セールなどの案内を送ったりすると満足度が高まります。

既存顧客へのDMは、バリアブル印刷(顧客に合わせて画像やテキストを変更させる印刷方法)も有効です。あなたも、「お客様へ」というDMよりも、「○○様へ」と自分の名前が記載されたDMの方が読みたくなるはずです。

CRMシステムツールを選ぶ際のポイント

DMを効果的に発送するためにも、CRMツールを上手に活用しましょう。CRMシステムツールを選ぶ際に注意したいポイントは、以下の通りです。

導入目的にあった機能が備わっているか

何のために導入したいのかという目的を明確にし、その目的を達成できる機能があるCRMを導入しましょう。必要な機能があるのは当然ですが、機能が多すぎると使いにくくなります。BtoBなのかBtoCなのかによっても使う情報は変わってくるので、各CRMの特性を比較して選びましょう。

使いやすいインターフェイスか

CRMは、社内でもさまざまな担当者が使うツールです。使いにくい、見づらいシステムは使う人の負担になって導入の妨げになります。入力が簡単、スマホ等でも作業ができるなど、現場の利用者目線での使いやすさに気を配りましょう。

サポート体制がしっかりしているか

CRMの導入で効果を実感するには、長期的な視野を持った運用が必要です。単にシステムの導入時のサポートをするだけでなく、定着して活用できるまでのノウハウを持ち、サポートしてくれるサービスを選ぶと安心です。

おわりに

CRMの考え方やツールを導入し、使いこなすことができれば、顧客に合わせたDM戦略を考えることができます。DMで高い効果を求めるのであれば、顧客分析と、細かいセグメントによる個別アプローチは欠かせません。ツールを使えば、これまで時間がかかっていた分析や条件に合う顧客の抽出がスムーズに進みます。削減できた時間をコンテンツ作成などに充てることで、より効率的にマーケティングを行うことができます。

とはいえ、ツールの導入には社内の体制整備や、長期的な視点での運用が必要です。安易に導入を決めるのではなく、具体的な目標や目的を明確化して検討しましょう。

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教えて!DM先生 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引14,400社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。