メルマガ×DMの組み合わせで売上をアップさせよう!事例もご紹介

2024.11.18 2018.05.01マーケティング
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インターネットの普及によって消費者の購買プロセスが変化した現在、マーケティングやプロモーションの効果向上に欠かせないのが、デジタルとアナログを使ったクロスメディア戦略。大規模なものから小規模なものまでその方法はさまざまですが、比較的実施が手軽で効果も期待できるのが、メールマーケティングとDMの併用施策です。

顧客に定期配信しているメルマガや、キャンペーン告知のためのEメールをDMと連動させて、売上が約2倍アップしたという事例もあります。また、デジタルだけではリーチできないターゲット層へのアプローチ手法として、インターネット上での販売・サービスに特化した企業にも盛んに導入されています。

本記事では、Eメール・メルマガ×DM併用施策を実施する上で必要なノウハウや実施例を、詳しくご紹介していきます。

メルマガとDMの違い

まず、メルマガとDMの基本的な違いを理解することが重要です。
メルマガは、インターネットを介して顧客に商品やサービスの情報を送る手段です。デジタルマーケティングの一環として、多くの企業が活用しており、即時性が高く、コストが低いのが特徴とされています。また、メールアドレスさえあれば手軽に大量の顧客に情報を届けられるため、スピード感を重視するキャンペーンなどにも適しています。

DM(ダイレクトメール)は、郵便を利用して顧客に商品やサービスの情報を直接送る手法です。
物理的な形で送付されるため、保存率が高いという魅力があります。また、デザインや質感にこだわることができるため、高級感を出したり、特別感を演出する際にも効果的な方法です。

これらの特性の違いを理解した上で、具体的にどのような点でそれぞれが異なり、補完し合っているのかを見ていきましょう。

開封率

一般社団法人日本ダイレクトメール協会の最新データによると、DMの開封率は70%以上と非常に高い傾向にあります。DMは物理的なものであるため、受け手が少なくとも一度は手に取り、開封して内容を確認されるというケースが多いのです。
一方、メルマガの開封率はメールの種類やタイトルに依存しますが、全体としては20%前後とDMに比べて低めであります。しかしメルマガはコストが低めであるため、大量に配信でき、頻繁に接触することが可能なのです。

コスト

メルマガはデジタルで配信されるため、コストが非常に低いです。メールマーケティングシステムを使用すれば、ほぼ無制限にメールを配信することができ、費用対効果が高いという特徴があります。
一方、DMは印刷コストや郵送料がかかるため、メルマガと比べるとコストがかかります。しかしその分、受け手に特別感や重厚感を与えることができるため、特定のターゲット層には効果的な投資だと言えるでしょう。

保存率

DMの大きなメリットは物理的な形で手元に残るため、保存率が高いことが挙げられます。受け手がすぐに廃棄せず、デスクやリビングに置いておく可能性があるためです。
これに対してメルマガはデジタル上の情報であるため、保存されにくく、埋もれてしまうことが多いです。

スピード

メルマガの強みはそのスピードです。クリック一つで瞬時に大量の情報を配信できるため、急ぎのキャンペーンやセール情報を即座に顧客に届けることができます。DMは印刷や配送に時間がかかるため、スピード感という面ではメルマガに劣ってしまいます。
ただし、DMの方が印象に残りやすいことを考えると、事前に準備して効果的に使用するのが良いでしょう。

デザインの自由度

DMは素材・印刷方法・デザインに多くの選択肢があり、自由度が高いです。高級感を出すために厚みのある紙を使ったり、色鮮やかな印刷を施すことができ、受け取った顧客に強い印象を与えることができます。メルマガもデザインにこだわることができますが、デジタルフォーマットの制約により、物理的なDMに比べて視覚的なインパクトはやや劣ってしまいます。

効果測定のしやすさ

メルマガは、開封率やクリック率など、デジタルデータとして効果をリアルタイムで測定できる点が大きな強みです。ABテストやパフォーマンスの追跡が簡単にできるため、PDCAを素早く回すことが可能です。
DMは効果測定がやや難しく、クーポンや特別なオファーを利用して、反応を追跡する工夫が必要です。

役割

こうした特徴をふまえると、Eメール・メルマガとDMそれぞれの最適な役割は次のようになります。

Eメール・メルマガ ・告知、リマインド
DM ・クロージング(購入・申し込みなど)

高コストで行動喚起率の高いDMを読んでもらうために、手軽で機動的なEメール・メルマガを「告知」「リマインド」という形で組み合わせる。これが、トータルとしての反響を上げるための効果的な活用法です。

続いてさまざまな併用試作例を紹介してまいりますが、ぜひこの役割を念頭に置きながらお読みください。

メルマガ×DMで売上につなげる方法

メルマガとDMを組み合わせることで、売上アップにつながる具体的な方法をご紹介します。

ユーザーの購買プロセスを考慮する

Eメールやメルマガ、DMを上手に活用するための重要なポイントは、「ユーザーの購買プロセス(心理)を理解し、その流れに沿った内容やタイミングで配信する」ことです。メルマガは手軽であるため、つい頻繁に送信しがちですが、キャンペーン情報ばかりを送り続けると、迷惑メールとして扱われてしまうリスクがあります。送る内容や配信のタイミングは常に送り手の都合ではなく、受け手の立場に立って考えることを心がけましょう。

ターゲティングを徹底的に行う

メルマガとDMは、それぞれの特性を生かし、ターゲットに合わせてカスタマイズすることが重要です。メルマガでは顧客の興味に基づいて情報を提供し、DMでは特定のセグメントに特別なオファーを送るようにしましょう。顧客の購買履歴や行動データを基に、より精密なターゲティングを行うことが成功の鍵です。

ABテストを実施する

メルマガやDMを送る際にどちらを先に送るか、どのタイミングで送るかをABテストで試してみましょう。たとえばメルマガを先に送り、その反応を見てからDMを送ると、より効率的なマーケティング施策が可能になります。

DMの発送代行業者を利用する

大量のDMを効果的に発送するためには、専門のDM発送代行業者を利用することが賢明です。これにより、手間をかけずに大量のDMを効率よく発送することができます。

Eメール・メルマガ×DMを効果的に併用するポイント

Eメール・メルマガとDMを効果的に併用するポイントは、「ユーザーの購買プロセス(心理)に寄り添った内容とタイミングで届ける」ことです。メルマガは利便性が高いため、どうしても回数を多く送ってしまいがちです。しかし、キャンペーン案内など売り込みの内容ばかり続くと、迷惑メールに指定されかねません。内容・タイミングともに、売り手目線ではなく、あくまで受け手目線に立って設計することを心がけてください。

Eメール・メルマガ×DM併用例

ここで、見込み客向けから既存顧客向けまで、さまざまなパターンのメール・メルマガ×DM併用例を紹介します。ぜひ、自社の施策の参考にしてみてください。

見込み客向けのEメール×DM併用例

見込み客向け Eメール×DM 併用例(例:保険会社)

保険会社の見込み客に向けた新規保険加入促進キャンペーンの併用例です。

まずは多くの情報を伝えられる封書DMで保険プランやキャンペーンの詳細を紹介。お客様の声やQ&Aなどを入れ、疑問や不安を払拭することもポイントです。1週間後には、まだ読んでいない方に向けてリマインド目的のEメールも送付します。

キャンペーン期間の半ばにあたる2週間目に、返信用ハガキをつけた圧着DMで申し込みへ強力誘導。それでも反応のない方には、終了直前にEメールで最終告知をかけます。

🔍あわせて読みたい!
≫圧着DM(圧着ハガキ/封筒)とは?メリット・種類・折り方・活用事例を紹介!

フォロー(引き上げ・F2転換)施策のEメール×DM併用例

フォロー(引き上げ・F2転換)施策 Eメール×DM 併用例(例:化粧品EC通販)

化粧品EC通販のフォロー施策での併用例です。フォロー施策での大切なのは、一斉配信のメルマガではなく、引き上げ(F2転換)を目的とした専用のメール(ステップメール)を配信することです。

初回商品購入日を起点として、顧客の商品購入後の心理プロセスに寄り添う内容とタイミングで配信することがポイント。また、「初回商品購入時間=顧客の購買意欲が高まる時間」とみなし、ステップメールをすべて初回商品購入時間と同じ時間帯に配信し、効果を上げている事例もあります。

フォローDMの発送タイミングごとの形状や挨拶状の書き方については、以下の記事を参考にしてください。

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≫【例文も豊富!】ダイレクトメールの挨拶状/挨拶文の効果的な書き方
≫ダイレクトメールの仕様(サイズや種類など)と特徴について

既存顧客向けのEメール×DM併用例

アパレルメーカーの新ブランドのキャンペーン施策での併用例です。DMはキャンペーン開始直後に一度だけ発送し、あとはリマインドと終了直前の告知をEメールで配信しています。

既存顧客向け Eメール×DM 併用例(例:アパレルブランド)

某紳士服ブランドでは、このEメール×DM併用パターンとEメールのみ実施のパターンをテストした結果、DMとの併用の方が2倍以上もコンバージョン率が高かったそうです。まさにDMの保存率と行動喚起率の高さがうかがえる結果といえるでしょう。

既存顧客向けのメルマガ×DM併用例

既存顧客向け メルマガ×DM 併用例 (例:B to Bサービス)

コンバージョン(購入・申し込み)の後押しとしてDMを活用した例です。DMの行動喚起率の高さ、そして電話やハガキなど購入・申し込みの選択肢も広がることで、メルマガ単体での施策よりもコンバージョン率の向上が期待できます。

ネット通販(EC通販)でもDMは必要?

EC通販を運営している企業から、時折「ネットで購入した顧客はDMに反応しないのでは?」と質問されることがありますが、実際にはそうではありません。GoogleやAmazonなどの大手企業もDMを積極的に活用しています。顧客がネットで購入するのは単に便利であるからという理由であり、その後もずっとオンラインでのやりとりを希望しているわけではありません。顧客との関係をしっかり維持するためには手間はかかるものの、DMによるアプローチが有効です。顧客は手厚いフォローを受けることで「この会社で商品を購入してよかった」と感じ、購入後の満足度も高まります

おわりに

本記事では、Eメール・メルマガ×DM併用施策を実施する上で必要なノウハウや実施例を、詳しくご紹介しました。デジタル×アナログの併用といえば、最近ではLINEやSMS(ショートメール)を併用した施策も見かけるようになりました。Eメールよりも伝えられる情報量は少ないものの、開封率は高いため、リマインド目的としては効果的なツールといえるでしょう。
一方、DMはオンラインの利便性だけでなく、オフラインのパーソナルなコミュニケーションの要素も取り入れることで、顧客の評価をさらに向上させる手助けとなるのです。

しかし、どんなツールを使うにしても、成功のための大切なポイントは変わりません。それは、ユーザーの購買プロセス(心理)に寄り添う内容とタイミングで届けること。繰り返しになりますが、常にこの点を忘れないように心がけてください。

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教えて!DM先生 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引14,400社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。