【事例あり】メルマガとDMを組み合わせて売り上げをアップする方法
2018.05.01DMの効果測定記事一覧インターネットの普及によって消費者の購買プロセスが変化した現在、マーケティングやプロモーションの効果向上に欠かせないのが、デジタルとアナログを使ったクロスメディア戦略。大規模なものから小規模なものまでその方法はさまざまですが、比較的実施が手軽で効果も期待できるのが、メールマーケティングとDMの併用施策です。
顧客に定期配信しているメルマガや、キャンペーン告知のためのEメールをDMと連動させて、売上が約2倍アップしたという事例もあります。また、デジタルだけではリーチできないターゲット層へのアプローチ手法として、インターネット上での販売・サービスに特化した企業にも盛んに導入されています。
この記事では、Eメール・メルマガ×DM併用施策を実施する上で必要なノウハウや実施例を、詳しく紹介します。
目次
Eメール・メルマガとDMそれぞれの特徴
Eメール・メルマガとDMを効果的に活用するためには、それぞれの特徴をしっかりと知っておく必要があります。ここでは各ツールのメリットとデメリット、そして併用にあたってのそれぞれの最適な役割について説明します。
Eメール・メルマガとDMそれぞれのメリットとデメリット
それぞれのメリットとデメリットを比較すると、次のようになります。
Eメール・メルマガ | DM | |
---|---|---|
メリット | ・低コストで手間が少ない ・オンタイムで実施できる ・反応が即効的 |
・開封率、開読率が高い ・一度に多くの情報が伝えられる ・保存率が高い |
デメリット | ・開封率、開読率が低い ・情報量が多いと読まれにくい ・保存率が低い |
・高コストで手間がかかる ・制作~到着までに時間がかかる ・反応に時間がかかる |
このなかで反響に直接かかわる項目は開封率と保存率ですが、この点では、DMの方が圧倒的に優れています。
リアルなモノとして届くことも大きな要因ですが、もうひとつはEメールに比べてライバルが少なく、目にしてもらえる確率が高いことです。一般社団法人ダイレクトメール協会の調査(2016年)によると、一人あたり1週間の平均受け取り数は、Eメール65.6通、DM6.6通と、なんとEメールはDMの約10倍もの受け取り数。にもかかわらず、閲読率(≒開封率)はDMの約3分の1と、ほとんど見られていない状況なのです。
とはいえ、制作や発送にかかる手間やコストを比較すると、利便性ではEメール・メルマガの方が優れています。それぞれの特徴を大まかにまとめると、「手軽で機動的なEメール・メルマガ」、「行動を喚起させるDM」とまとめることができるでしょう。
Eメール・メルマガとDMそれぞれの役割
こうした特徴をふまえると、Eメール・メルマガとDMそれぞれの最適な役割は次のようになります。
Eメール・メルマガ | ・告知、リマインド |
---|---|
DM | ・クロージング(購入・申し込みなど) |
高コストで行動喚起率の高いDMを読んでもらうために、手軽で機動的なEメール・メルマガを「告知」「リマインド」という形で組み合わせる。これが、トータルとしての反響を上げるための効果的な活用法です。
続いてさまざまな併用試作例を紹介してまいりますが、ぜひこの役割を念頭に置きながらお読みください。
【コラムで一息】ネット通販(EC通販)でもDMは必要?
たまにEC通販を運営している企業の方から、「ネットで購入したお客様はDMに反応しないのでは?」と訊かれることがありますが、そんなことはありません。なにしろ、あのGoogleやAmazonですらDMを活用しているほどなのですから。
顧客がネットで購入したのは「たまたま便利だったから」というだけであって、その後もずっとネット上でのやりとりを望んでいるとはかぎりません。しっかり顧客維持しようと思うのであれば、手間はかかりますが、やはりDMによるコミュニケーションもオススメします。
なにより顧客は、手厚い対応をされるとうれしいもの。「この会社で商品を買った自分の選択は正しかった」と、購買後の評価もグッと上がるはずです。
Eメール・メルマガ×DMを効果的に併用するポイント
Eメール・メルマガとDMを効果的に併用するポイントは、「ユーザーの購買プロセス(心理)に寄り添った内容とタイミングで届ける」ことです。
メルマガは利便性が高いため、どうしても回数を多く送ってしまいがちです。しかし、キャンペーン案内など売り込みの内容ばかり続くと、迷惑メールに指定されかねません。内容・タイミングともに、売り手目線ではなく、あくまで受け手目線に立って設計することを心がけてください。
Eメール・メルマガ×DM併用例
ここで、見込み客向けから既存顧客向けまで、さまざまなパターンのメール・メルマガ×DM併用例を紹介します。ぜひ、自社の施策の参考にしてみてください。
見込み客向けのEメール×DM併用例
保険会社の見込み客に向けた新規保険加入促進キャンペーンの併用例です。
まずは多くの情報を伝えられる封書DMで保険プランやキャンペーンの詳細を紹介。お客様の声やQ&Aなどを入れ、疑問や不安を払拭することもポイントです。1週間後には、まだ読んでいない方に向けてリマインド目的のEメールも送付します。
キャンペーン期間の半ばにあたる2週間目に、返信用ハガキをつけた圧着DMで申し込みへ強力誘導。それでも反応のない方には、終了直前にEメールで最終告知をかけます。
フォロー(引き上げ・F2転換)施策のEメール×DM併用例
化粧品EC通販のフォロー施策での併用例です。フォロー施策での大切なのは、一斉配信のメルマガではなく、引き上げ(F2転換)を目的とした専用のメール(ステップメール)を配信することです。
初回商品購入日を起点として、顧客の商品購入後の心理プロセスに寄り添う内容とタイミングで配信することがポイント。また、「初回商品購入時間=顧客の購買意欲が高まる時間」とみなし、ステップメールをすべて初回商品購入時間と同じ時間帯に配信し、効果を上げている事例もあります。
フォローDMの発送タイミングごとの形状や挨拶状の書き方については、以下の記事を参考にしてください。
既存顧客向けのEメール×DM併用例
アパレルメーカーの新ブランドのキャンペーン施策での併用例です。DMはキャンペーン開始直後に一度だけ発送し、あとはリマインドと終了直前の告知をEメールで配信しています。
某紳士服ブランドでは、このEメール×DM併用パターンとEメールのみ実施のパターンをテストした結果、DMとの併用の方が2倍以上もコンバージョン率が高かったそうです。まさにDMの保存率と行動喚起率の高さがうかがえる結果といえるでしょう。
既存顧客向けのメルマガ×DM併用例
コンバージョン(購入・申し込み)の後押しとしてDMを活用した例です。DMの行動喚起率の高さ、そして電話やハガキなど購入・申し込みの選択肢も広がることで、メルマガ単体での施策よりもコンバージョン率の向上が期待できます。
おわりに
デジタル×アナログの併用といえば、最近ではLINEやSMS(ショートメール)を併用した施策も見かけるようになりました。Eメールよりも伝えられる情報量は少ないものの、開封率は高いため、リマインド目的としては効果的なツールといえるでしょう。
しかし、どんなツールを使うにしても、成功のための大切なポイントは変わりません。それは、ユーザーの購買プロセス(心理)に寄り添う内容とタイミングで届けること。繰り返しになりますが、常にこの点を忘れないように心がけてください。
教えて!DM先生 編集部
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