「同封」「同梱」の違いと売上アップにつながる有効な活用方法とは?

2024.03.05 2018.05.28マーケティング
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意味を知って、正しく使い分けたい重要ワード。
似ているようで実は違う「同封」と「同梱」の差って何?

普段何気なく使いがちな「同封」と「同梱」。同じような意味だろうと思っていたら要注意です。きちんと使い分けないと、周りのスタッフはどう動いたらいいかわからなくなり、現場に混乱を招いてしまうことも。この機会に「同封」と「同梱」の違いを再確認しておきませんか。

同封・同梱物を使った効果的な販促施策も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

「同封」と「同梱」。その違いのポイント

似ているけれど、明らかに違う。両者の違いを分けるポイントは2つあります。

何に入れるか

同封とは1つの「封筒」に2つ以上のものを入れることをいい、同梱とは1つの「箱」に2つ以上のものを入れることをいいます。つまり、DMの封筒の中にクーポン券を入れることは「同封」。商品発送の箱の中にチラシなどを入れることは「同梱」となります。

同封と同梱の違い

また、通販やECサイトなどで、複数の商品を1つの箱にまとめて発送することも「同梱」といいます。

どう入れるか

封筒を用いる際はほとんどの場合「同封」といいますが、例外もあります。それは、封筒の中にまた別の封筒を入れるとき。たとえば大きめの封筒に、別の封筒に入れた挨拶状などを一緒にして発送する場合は「同梱」といいます。

同梱について

同梱物を使ったプロモーション活動

顧客に商品を発送するとき、ダンボール箱の中には商品と明細書のみ…ではもったいない!EC・通販にとって、商品発送の箱は貴重な顧客接点。同梱することで売上アップにつながるアイテムをご紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。

挨拶状やメッセージカード

商品購入への感謝の気持ちを込めた挨拶状や、商品に対する想いやこだわり、スタッフ紹介、おすすめの使い方などを書いたメッセージカードを同梱すると、お店や商品に対する信頼度や親しみがアップします。

このメッセージカードは手書きの直筆が最もおすすめですが、発送数が多くて難しい場合は、手書きをスキャンして貼り付けるか、パソコンの手書きフォントがオススメです。定型的な明朝体やゴシック体を使うよりも、送り手側のあたたかみを感じてもらうことができるでしょう。

また、新規の顧客、何度も購入している顧客、久しぶりに購入した顧客など、顧客セグメントに合わせて内容も変えたほうがより心に届きます。メッセージすべてを変えるのが大変な場合は、せめて書き出し(タイトル)だけでも変えましょう。たとえば、新規顧客向けなら「ご縁に感謝して」、リピーター向けなら「ご愛顧に感謝して」といったものが良いでしょう。

クーポン券

次回購入時に割引価格になるクーポン券は、リピート購入を強く後押しします。割引だけではなく、プレゼントがついたり、同じ商品をもう1個もらえたりといった特典も魅力的です。ただし、誤解を招くことのないように、クーポン券には使い方や有効期限などを読みやすい字でしっかりと明記しておくことが大切です。

また、実店舗ではクーポン券を持参してもらうことで来店を促進することができますが、通信販売の場合、注文書と一緒に送ってもらうという方法は顧客に手間をかけるので避けた方が無難です。電話注文の場合は「クーポン券使用」と言うだけ、Web注文の場合は注文画面の備考欄に「クーポン券使用」と入力するだけ、注文書の場合は、最初からクーポン番号などを印刷しておけば気軽に使用してもらえます。

商品サンプル

新商品や限定販売商品のサンプルを、「いち早く使っていただきたくて…」「いつもお世話になっているあなたへ」などのメッセージを添えて送るのもおすすめです。顧客に特別感を感じてもらうことで、お店や会社への愛着が高まります。

また、発売前にサンプルを試してもらって感想を募集すれば、商品力のテストになりますし、お客様の声をまとめたツールを作成することもできます。さらに、本商品発送の際に同商品のサンプルを複数同梱し、友人や家族にも使ってもらい、商品のファンを拡大するという手法も使えます。

サプライズプレゼント

たとえば商品を定期購入されている顧客に対して、一定の頻度で他の取り扱い商品のサンプルをプレゼントとして同梱してみるのもひとつのアイデアです。

ずっと同じ商品を使っていると、特に不満はなくても何となく飽きた気がして別のものを試してみたくなるものですが、そんなタイミングでプレゼントが同梱されていると、まさにうれしいサプライズ。「プレゼントをもらったことだし、もう少し続けてみようかな」と思ってもらえる確率が高まります。

プレゼントを同梱するタイミングは、顧客の離脱(解約)率が高くなるタイミングに合わせるのが有効です。下の図のように、離脱を防ぐために「事前にプレゼントの同梱を告知する」という手法もあります。

食品EC通販のプレゼント同梱施策例

商品カタログやちらし

今おすすめの商品、新商品、限定販売商品、定番商品、関連商品など、取り扱っている商品をさまざまな形で紹介することで顧客単価アップにつなげることができます。いわゆる「アップセル」「クロスセル」と呼ばれるセールス手法です。

商品点数が多い場合は、年に1~2回ほど、全商品を紹介するパンフレットなどを同梱してみてはいかがでしょうか。

また、キャンペーンなどのちらしも、DMではなく、商品に同梱して届けた方が効率的です。送料を節約できるうえ、商品発送の箱は必ず開けるため、目に留めてもらえる可能性も高くなるからです。

アンケート

商品を実際に使っている方の生の声が聞けるアンケートは、商品改善や、新しい商品・サービスの開発に大変役立ちます。ぜひ行いたいものですが、アンケートに答える側にしてみれば、けっこう面倒ですよね。なるべく時間や手間をとらせずに回答してもらえるような工夫が必要です。そのためには漠然とした質問は避け、答えやすいよう選択回答式にすることをおすすめします。ただし意見をたくさん書きたいという方もいるので、自由回答欄も必ず設けましょう。

アンケートの方法としては、やはりインターネットを利用したものが最も手軽といえます。ただし、長ったらしいURLを入力するのは手間なので、QRコードを読みとるたけでアンケート画面に移動できるようにするなど、なるべく簡略化を。

高齢者の場合は、インターネットよりもアンケート用紙に直接書き込む方がやりやすいという場合が多いかもしれません。その際は、料金受取人払いのハガキを同封することで切手代の負担をかけない気配りが欠かせません。また、アンケート回答者にはプレゼントや割引など何らかの特典をつけるなどして、感謝の気持ちを示しましょう。

情報誌や手づくり新聞

商品同梱情報誌(例:化粧品EC通販)

商品購入者向けの情報誌も喜ばれます。目的は顧客とのコミュニケーション、ファンづくりです。商品情報だけではなく、季節に合わせた特集記事や暮らしに役立つコンテンツ、スタッフの紹介、顧客からのおたより紹介(顧客の写真を掲載できれば尚良しです)などで構成すると親しみを感じてもらいやすくなります。

雑誌の体裁にするのは費用も時間も相当かかるので、まずはA4サイズで1枚ものの「手づくり新聞」のようなものからはじめてみても。きれいなデザインでなくても、手書きでもかまいません。なにより楽しんでつくっている姿勢が伝わることが大切です。

商品のつくり手や開発者、裏方のスタッフもどんどん登場させちゃいましょう。スタッフの顔が見えるお店や会社であることが、顧客の信頼感や愛着感アップにつながります。

同封・同梱サービス(同封・同梱チラシ/同封・同梱広告)

自社商品のちらしを他社の通販商品に同梱したり、反対に他社のちらしを自社商品に同梱したりする手法です。「同梱・同封ちらし(広告)」とも呼ばれています。

たとえば、コーヒーや紅茶を発送するときはスイーツ店のちらし、健康食品を発送するときは血圧計やウォーキングシューズなど健康づくりにまつわるグッズのちらしといったように、購入商品との関連性が高いちらしを同梱します。

年齢や性別などの漠然としたものではなく、顧客が興味を持っていそうな分野に絞り込んでちらしを配布できるので、他の新規施策以上に高反響が期待でき、より売上につながりやすいというのが大きなメリットです。

商品への同梱だけでなく、他社DMや会報誌・業界紙への同封、さらに複数社が集まって一つのDMを発送するようなケースもあります。

他社商品へのちらし同梱・同封例

「同封・同梱サービス」の特徴をまとめると以下のようになります。

  • 自社商品と親和性の高い層にアプローチできる
  • 自社の顧客リスト以外にもアプローチできる
  • ちらしの閲読率がほぼ100%
  • 通常のDMより安価なコストで実施可能
  • 職種、収入など、詳細なターゲットセグメントも可能(※同梱媒体による)

他社とのトラブルを避けるために、売上があった場合、何パーセントバックするかなどを事前にしっかり決めておくことが必要です。興味がある方は、まずは「同封・同梱サービス」を行っているDM発送代行会社などに相談するのがよいでしょう。

おわりに

待っていた商品が届いたちょっとうれしい瞬間に、一緒に目に入るのが同梱物です。

ポジティブな気分をより高められるような内容・クリエイティブになるよう工夫してみてください。そのときの演出次第で、この先ファンになってもらえるか、リピートしてもらえるか、よい口コミをしてもらえるかが決まるといっても過言ではありません。

注文された商品をそのまま送り届けることが決してゴールではありません。最初の注文が同時に最後の注文にならないように、できることは何でも試してみることが大切です。

タグ : 発送
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教えて!DM先生 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引14,400社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。