信書の発送(信書便)で注意したいポイントと発送方法を解説
2024.10.10 2022.09.15ダイレクトメールDMを発送する際、送料をなるべく安く抑えたいという理由で宅配業者のメール便(DM便)や日本郵便のゆうメールなどを利用することは多いと思います。ところが、それらの発送方法を使えないケースがあるのをご存じですか?
それは、「信書」とされるものを送るときです。
注意しなければならないのは、信書が送れる業者は日本郵便や一部の企業になると法律で定められており、
それ以外の業者に頼んでも取り扱ってもらえないということです。
ここでは、信書を発送する際に注意したいポイントと信書が発送できる代表的な企業などをご紹介します。
※掲載情報は2022年9月15日時点での情報です。最新情報については、各社の公式サイトをご確認ください。
目次
信書とは?
そもそも信書とは何なのでしょうか?
郵便局が出している定義をそのまま引用すると、
「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」を指します。
・「特定の受取人」…差出人がその意思又は事実の通知を受け取る者として定めた者のこと。
・「意思を表示し、又は事実を通知する」…差出人の考えや思いを表現し、または現実に起こりもしくは存在する事柄等の事実を伝えること。
・「文書」…文字、記号、符号等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物のこと。(電磁的記録物を送付しても信書の送達には該当しません)。
※電磁的記録物とはCD、DVD、USBメモリのこと。外見上だけでは内容がわからないので、信書には該当しません。
また、信書の判断基準や取り扱い方法は郵便法および信書便法によって規定されています。
この説明だけで「なるほど!」とはなかなか思えないので、具体例を挙げてご説明します。
信書に当てはまる書類について
では一体、どんなものが信書でどんなものが信書ではないのか?
総務省のガイドラインを参考に、まとめてみました。
信書に該当する文書
- 請求書の類
納品書、領収書、見積書、契約書など
※通信販売の商品を発送する際に添える納品書や挨拶状などは、信書であっても宅配便に同封することが認められています。この場合、納品書や挨拶状などは無封(封をしない)の状態であることが条件です。
- 会議招集通知の類
結婚式の招待状、業務を報告する文書
- 許可書の類
免許証、認定書、表彰状など
- 証明書の類
印鑑証明書、健康保険証、健康診断結果通知書、調査報告書など
- ダイレクトメール
文書自体に受取人が記載されている文書
商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書
信書に該当しない文書
- 書類の類
新聞、雑誌、会報、手帳、カレンダー、ポスターなど
- カタログ
- 小切手の類
手形、株券、為替証明など
- プリペイドカードの類
商品券、図書カード、プリントアウトした電子チケットなど
- 乗車券の類
航空券、定期券、入場券など
- クレジットカードの類
キャッシュカード、ローンカードなど
- 会員カードの類
入会証、ポイントカード、マイレージカード
- ダイレクトメール
専ら街頭における配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシのようなもの
専ら店頭における配布を前提として作成されるパンフレットやリーフレットのようなもの
- その他
説明書の類(市販の食品や医薬品、ソフトウェアなど)、名刺、配送伝票パスポートなど
具体的な書類をいろいろと挙げましたが、DMも信書扱いになる場合があります。
例えば、挨拶文に「〇〇様へ」、ハガキに「〇〇様への特別ご優待」などといった受取人を特定する文言を入れると信書と判断されます。
更に、「〇月生まれのお客様」「車検更新のお知らせ」などの表記がある場合も、特定のグループに所属することを示唆しているため信書と判断されることがあります。
また逆に、商品カタログやキャンペーンのお知らせなどは、不特定多数に配布することを前提につくられたものなので、信書に該当しないといえます。
DMの文書そのものに顧客の名前を入れるのはよく使われる手法かと思いますし、
個人名を入れなくても信書になる場合があるということに驚かれる方も多いかもしれません。
「DMを送りたいけど、信書になりそうで不安…」
そんな方は、DM業者へ事前に確認をとることをおすすめします。
過去何千、何万通とDMを取り扱ってきた専門業者だからこそ信書についての知見があるため、
ぜひ活用していただければと思います。
信書の発送ができる「信書便業者」とは?
信書を取り扱う業者や、その発送方法についても総務省が定めています。
普段気にかけるような機会はないかもしれませんが、具体的な業者をご紹介する前提知識として簡単に説明させていただきます。
まず、総務大臣の許可を受けると「信書便事業者」に認定されて発送業務ができるようになるのですが、
その業務内容は「一般信書便業者」と「特定信書便業」の2種類に分けられています。
一般信書便事業
手紙やはがきなど、日常生活でよく使用されるような信書【一般信書】を取り扱う事業です。
・発送物のサイズ:長さ40㎝以下、幅30㎝以下、厚さ3㎝以下、重量250g以下
・国内において、差し出された日から原則4日以内に送達する
上記規定に則り、発送業務を全国で行うことを条件として信書の発送が許可されています。
※正式名称を「全国全面参入型」事業と呼びます。
※令和4年8月10日時点では、一般信書便事業者として参入している企業はありません。
特定信書便事業
【特定信書】を取り扱う事業になります。
特定信書は、下記条件のいずれかを満たすものになります。
・発送物のサイズ:長さ、幅、厚さの合計が73㎝超え、または重量が4kgを超えている
・信書便物が差し出されたときから3時間以内に当該信書便物を送達する
・料金の額が800円を超える信書便物を送達する
信書を送るときはどこに出せばいいの?
発送の業務内容について何となく分かったところで、
皆様が気になるのは、「では一体、どこの業者に出せばよいのか」という点になるかと思います。
以前、信書を発送できる業者は日本郵便のみでしたが、
信書便法改正によって平成15年4月から条件を満たした民間企業も信書が送れるようになりました。
ここでは具体的な企業名と、その企業が出している発送方法を紹介させていただきます。
日本郵便
最も一般的な方法で普通郵便と呼ばれています。
重量50g以内で、たて23.5㎝、横12㎝、高さ1㎝までとなります。
全国一律110円になります。
定形郵便のサイズを超えると定形外郵便になります。
規格内
重量1kg以内で、たて34㎝、横25㎝、高さ3㎝以内となります。
料金は重量によって140円から750円になります。
規格外
重量4kg以内で、たて・横・高さの3辺の合計が90㎝以内となります。(長辺が60cm以内)
料金は重量によって260円から1,750円になります。
重量4kg以内で、たて34㎝、横24.8㎝、厚さ3㎝までとなります。
全国一律430円になります。
なお、専用の封筒が必要ですので、注意してください。
重量1 kg以内で、たて25㎝、横17㎝、厚さ2㎝までとなります。
全国一律210円になります。
なお、専用の封筒が必要ですので、注意してください。
佐川急便
航空機の利用により、北海道から沖縄まで翌日配達が可能です。
サービスエリアは全国(離島を除く)になります。
取り扱いサイズは下記の2つになります。
長さ、幅および厚さの合計が73㎝を超え160㎝以内、又は重量が4kgを超え30kg以内が対象となります。
たて・横・高さの3辺の合計が160㎝以内、重量30kg以内が対象となります。
西濃運輸
集荷先・届け先の定まった定期的な配送(巡回集配サービス/定期集配サービス)を原則としたサービスです。サービスエリアは営業所によって異なるため直接お問い合わせください。
たて・横・高さの3辺合計が90㎝を超え、180㎝以内。または重量が4kgを超え50 kg以内が対象となります。
なお、1ヵ月の取引日数が15日程度および半年以上継続して差し出す信書郵便であることが条件で、事前申し込みが必要ですので注意してください。
おわりに
パンフレットやチラシなど、一般的なDMは、ほとんどの場合信書にあてはまらないといっていいでしょう。
ただし挨拶文に顧客名を入れ込んだり、不特定多数の方に送れないような内容にすると、
信書に該当する場合があるとお分かりいただけたかと思います。
発送作業が全て完了してから、信書に該当して発送できなかった!
という最悪のケースを起さないためにも、
ぜひ、信書にならないよう注意してデータ作成していただくことをおすすめします。
DM発送代行サービス・セルマーケでは印刷データ専門のDTP担当者が控えておりますので、
お手元にDMがあり、この記事を読んでも信書の判断ができない場合はぜひお問い合わせください。
信書以外にも、DMに関することでしたら電話やチャットでいつでもお問い合わせが可能です。
ぜひ一度、ご検討くださいませ。
教えて!DM先生 編集部
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