【例文・デザイン例あり!】宿泊業界(ホテル・旅館)の効果的なDM作成方法
2024.10.03 2019.11.11事例・効果測定民泊の解禁に相次ぐ異業種参入と、ますます競争激化が予想される宿泊業界。そんな中、ホテルや旅館の集客、とりわけリピーターを増やすために有効な販促物が、紙のダイレクトメール(以下:DM)です。
デジタル全盛の時代にあって、DMの大きなメリットは2つ。リーチ率(開封率・閲読率)の高さと、モノとして直接お客様に届けられること。Eメールやメルマガと比べて競合が少なく、クリエイティブを工夫すれば、施設の規模にかかわらず差別化することができます。
この記事では、リピート率アップに効果的なホテル・旅館のDM制作に役立つノウハウを、例文やデザイン例とともにご紹介します。ライバルにグンと差をつけるアイデア例も掲載していますので、企画のヒントとしても活用してください。
目次
ホテル・旅館DMを発送する際のポイント
まずはDM実施前に知っておきたい、ホテル・旅館のDM施策で成功するためのポイントを2つご紹介します。
ターゲットを絞る
DM施策において、ターゲットを絞ることは戦術のひとつ。とある旅館では、女将が好きなお客様にだけDMを送ることで80%以上のリピート率をたたき出しているそうですが、そこまで極端でなくても、ある程度リピートが期待できるお客様を選ぶことは重要です。
選定方法は、最終利用時期、宿泊プラン(料金)、居住地など。顧客名簿に年齢も含まれていれば、ライフステージに合わせたプランの提案も効果的です。
目標と結果を数値化する
DMは一度出して終わり、のツールではありません。実施後に結果を分析し、それを次回のターゲット選択やクリエイティブ改善に生かし、徐々に<勝ちパターン>を見出していくのが王道です。そしてそのためには、「今回は反応が良かった」「悪かった」といった漠然とした印象論ではなく、目標と結果をきっちりと数値化することが欠かせません。
ホテル・旅館DMの指標となるのは、損益分岐点、転換率(成約率)、費用対効果など。それぞれの指標の計算方法、結果にもとづいた改善方法については、こちらの記事を参考にしてください。
続いて、DMクリエイティブのポイントをご紹介します。
宿泊お礼状(サンキューレター)の書き方と例文
宿泊したお客様に「ありがとう」の気持ちを伝えるのがお礼状。形状はハガキでも封書でもかまいませんが、お客様に本気で想いを伝えたいのであれば、やはりすべて手書きがベストです。「そんな時間はない」「施設で決まったものを使っている」という場合でも、出来れば上の例のように一言添えたいもの。
例えどんなにきれいでも、印刷されたままのDMでは、「義務として送っているだけだな」という印象を与えてしまう可能性があるからです。
内容はとくにこだわる必要はありませんが、接客時の会話やアンケートの回答内容に触れると、パーソナル(=あなただけ)感が増してベター。下にいくつか文例をご紹介しますので、参考にしてください。
ごゆっくりお寛ぎいただけましたでしょうか。
スタッフ一同、心を込めて接客させていただきましたが、
至らない点などございましたら、何なりとお申し付けくださいませ。
またのご来館を心よりお待ちしております。
ゆっくりとおくつろぎいただけましたでしょうか。
季節柄、お身体くれぐれもお気をつけくださいませ。
またのお越しを心よりお待ち申し上げております。
天然かけ流しの温泉はいかがでしたでしょうか。
日頃の疲れが少しでもとれて“、ほっ”としていただけたとしたらうれしいです。
またのお越しを心よりお待ちしています。
次回はご家族皆様で御来館下さる事、スタッフ一同心より楽しみにしています。
お身体に気をつけてお過ごし下さいませ。
ご滞在中は何かと不行届きで充分なおもてなしも出来ませず恐縮に存じます。
お気づきの点など、お教え頂き、今後共何卒よろしくお願い申し上げます。
意を尽くせませんが、取り敢えず、お礼のみ申し上げます。本当にありがとうございました。
まだまだ至らぬ所もございますが、これからも職員一同、
精一杯おもてなしさせていただきますので、またのお越しを心よりお待ち申し上げます。
サプライズで心を動かす!クーポン付き「ご当選おめでとう」DM
業種を問わず、マーケティングやプロモーションにおいて <サプライズ>は重要な要素。顧客の予想や期待を良い意味で裏切ることで、自社を強く印象づけることができます。
こちらのお礼状もそんな施策の一種です。内容は、「宿泊時にアンケートを記入していただいたお客様のなかから抽選を行ったところ、次回の宿泊に使えるクーポンが当たりました!」というもの。普通、アンケートだけでプレゼントがもらえるなんて思いませんし、例えアンケート用紙に書かれていても帰ってくる頃には忘れているものなので、得した気持ちになることは間違いありません。
シンプルでありながら、顧客にサプライズを与え、おまけにリピートのハードルも下げるという、なかなか秀逸なアイデアのDM。通常のお礼状では効果を実感できていない方は、一度試してみる価値があるかもしれません。
ホテル・旅館のファンをつくる!ニュースレター
ニュースレターとは、いわゆる情報紙や会報誌のこと。DMの目的がセールスなら、こちらはファンづくり。定期的にお客様に送ることで、関係性を維持し、深め、料金や知名度ではなく、「好きだから」という理由で利用してくれるお客様を増やすためのツールです。
コンテンツは次のようなものが効果的です。
- スタッフ紹介
- 季節のイベント情報
- オススメ周辺エリアや地元の名産の紹介
- お客様の声
人は<対企業>よりも、<対人>に親しみを感じやすいもの。ニュースレターでは徹底的に<人>を前面に出すことがポイントです。担当業務、仕事の中で大切にしていること、お客様へのメッセージ、さらに趣味・特技など、人柄や個性まで伝えられると良いでしょう。
季節のイベント情報と周辺エリア・地元の名産紹介の目的は、ニーズ喚起。「こんな素敵なお店があります!」といった伝え方でも良いですが、「挑戦してみた」「食べてみた」のような、スタッフの体験レポート風にすると、より楽しんで読んでもらえるコンテンツになります。
とにかく会社案内のパンフレットのような堅苦しい内容のニュースレターは絶対にNG。お客様が次回利用したときの<話題>を提供するようなイメージで、楽しんで制作すると良いでしょう。
競合にグンと差をつける!DMデザインアイデア例
冒頭でもお伝えしたとおり、直接モノとして届けられるのは、デジタルにはないDMの大きなメリットです。時間やコストの都合で毎回は厳しいかもしれませんが、「いざ!」という時はデザインや形状にこだわってみたいもの。ここでは、そんな時のクリエイティブの参考になるアイデア例をご紹介します。
開封率UPに!旅行雑誌風DM
「どこかで見たことのあるデザインだな…」と思われたのではないでしょうか。そう、上の2つは、それぞれ有名な旅行雑誌の表紙デザインをイメージしてつくったハガキDM例です。目的は開封率アップ。他のDMに混じっていても存在感が抜群ですし、なんとなくユーモアも感じられて、「中はどうなっているんだろう」と気になりませんか? 上手くハマれば口コミ効果も期待できますね。
こうした「何か他のデザインに似せる」というアイデアは、週刊誌広告を模した大学DMをはじめ、他業界のDMでは結構取り入れられています。もちろん宿泊業界だからといって、旅行雑誌にこだわる必要はありません。ターゲットの性別や年齢層によっては、ファッション雑誌風やビジネス雑誌風に挑戦してみるのも良いでしょう。
特別感を演出!招待状型DM
通常、人は自分のことを大切に扱ってくれる人に対して好感を覚えるもの。それはDMでも同じです。そしてそのような、受け手に<特別感>を感じてもらうのにうってつけなのが、例のような招待状型のDMです。
内容は普通のキャンペーンDMにもかかわらず、すみずみまで高級感とVIP感にこだわるのがポイント。封筒は実際に結婚式などの招待状に使う洋型封筒、中身も同様に、チラシではなく二つ折りカードにすると良いでしょう。
言葉遣いも重要です。「お得意様限定」「ご優待プラン」など、どこを見ても「これは限られた特別なお客様にだけ送っているDMです」ということが伝わると反響も期待できます。
臨場感バツグン!AR付きDM
ARとは拡張現実(Augmented Reality)のこと。AR自体は様々な可能性を持つ技術ですが、一般に紙の販促物で使われているのが動画機能です。ARマーカーという、QRコードのようなものを画像などに埋め込み、それを事前にアプリをダウンロードしたスマホで読み取ると、アプリが立ち上がって動画が再生できるという仕組みになっています。
例えば不動産のチラシでは、まるで下見をしているかのような感覚で部屋を見せるために活用されていますが、それをホテル向けに転用したのが上の例です。ロビーから見える海の美しさもステーキの美味しさも、もちろん写真でもある程度は伝わります。けれども、太陽の光を受けて揺れる波頭のきらめきや、肉から立ち上る湯気やジュージューという音、つまり臨場感は、さすがに動画にはかなわないでしょう。思わず「行ってみたい!」と前のめりになってもらえること間違いなし!と言っても過言ではありません。
おわりに
以上、ホテル・旅館DMの制作ポイントをご紹介してきました。
最後にひとつ。これは一ユーザーとしての意見でもあるのですが、他の商品とは違って、ホテルや旅館は、どうしても家族や友人、または大切な人との思い出につながるもの。DMも、売り込みだけではなく、そんな記憶や思い出を美しいものにしてくれる、あるいはさらに素敵な思い出が作れる、ワクワクする体験ができるといった内容であってほしいなと思います。
そして、そのようなDMならば、お客様も自然に「また利用したいな」と思ってくれるのではないでしょうか。この記事が、あなたのホテル・旅館のお客様を増やすきっかけになってくれるとうれしいです。
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教えて!DM先生 編集部
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