開封率・反響率の高いダイレクトメールの作成方法とは?

2019.12.25 2018.05.01事例・効果測定
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効果のあるDMを作るためには、宛名の書き方からデザイン、紙の選び方まで、さまざまな知識が必要です。そのため、初めてDM作成にかかわる方や慣れていない方は、「どこから手をつけたらよいか分からない」と戸惑うこともあるでしょう。そこで今回は、初心者でも開封率・反響率の高いDMが作成できる基本のノウハウやテクニックを、まとめてドン!と紹介します。

宛名の書き方

「宛名の書き方が反響に関係あるの!?」と思われるかもしれませんが、宛名はDMを手に取った人が最初に確認するところ。工夫次第で開封率をグンと上げることのできる、重要な要素です。

「御中」は使わない

企業向けのDMで「御中」という宛名をよく見かけますが、ビジネスマナーとしては正解でも、DMではNG。できれば控えましょう。「御中」とは「そのなかの誰か」という意味。これでは受け取った企業の人も誰が読めば良いのかわからず、捨てられてしまうからです。

DMの宛名はターゲットへの呼びかけです。誰に読んでほしいのか、はっきり伝えなければいけません。ベストは名前を書くこと。経営者宛てなら企業HPで調べられます。経理ソフトやマーケティングツールなど、ある部署に特化した商品を案内したい場合は、事前に電話で確認するか、「○〇課課長」など、役職名にすると良いでしょう。

手書きが一番効果的

ほとんどのDMが整った印字を使う中、手書きの宛名は目を引きやすく、読んでもらえる確率が高くなります。なにより「自分のためにわざわざ手間をかけてくれた」という特別感が伝わり、受け取った人にも好印象。発送数が多いと大変ですが、宛名ラベルを使う場合も手書き風のフォントを使ったり、宛名のまわりに手書きでひと言添えたりすると効果的です。

挨拶文の書き方

DMの中身で最初に目を通すのが挨拶文です。つまり、DMをすべて読んでもらえるかどうかは、挨拶文の内容にかかっているといっても過言ではありません。顧客の属性や発送タイミングによって内容を変える必要もあり、簡単なようで奥の深い挨拶文ですが、最低限、次の2つのポイントを心がけて書いてください。

いきなり売り込まない

「○○のご案内」という見出しや、いきなり商品・サービスの説明から入るのは控えましょう。一方的で、売り込み臭が強く、良い印象を与えません。

挨拶文の目的はDMの続きを読んでもらうこと。読み手が共感し、「これは自分に関係のあるDMだ」と思える書き出しにする必要があります。商材にもよりますが、消費者向けDMなら共通の話題になる季節のこと、企業向けDMならターゲットが抱える悩みから入ると良いでしょう。

例)化粧品通販DMの書き出し
「朝晩の寒さが身にしみる季節となってきましたね。そろそろお肌の乾燥も気になってきたのではないでしょうか?」

※ただ季節の挨拶を伝えるのではなく、ターゲットが抱える悩みに結びつけることがポイントです。

「あなただけ」の私信のように書く

挨拶文の文章で一番大切なのは、一人に向けて書くことです。「私に向けて書かれている」と感じてはじめて、読み手はDMの内容を「自分ごと」として捉えてくれます。イメージは私信やラブレター。礼儀はもちろん必要ですが、「拝啓…」のような、ビジネスライクで堅苦しい表現は不要です。「皆様」という言葉も極力使わないようにしましょう。

最初は難しいかもしれませんが、あなたの商品・サービスを必要としているお客様を思い浮かべて、1対1で語りかけるように書くと、自然に私信風の文章が作れるようになります。手書きで書くとさらに効果的です。

また、下の記事では挨拶文の例文を紹介しておりますので、こちらも参考にしてください。

DMデザインのポイント

DMのデザインの目的はレスポンスの獲得です。どんなに美しいデザインでも、反響が悪ければ価値はありません。必要なのは、読み手の目線に立った、わかりやすく、伝わりやすいデザイン。そのために大切なポイントを紹介します。

コピーを読みやすく

DMのデザインの役割はコピーを伝えることだ、ともいわれています。コピーとはキャッチコピーだけではなく、DMの中のすべての言葉を指します。余白を使ったり、色数を少なくしたりして、文字の読みやすさを最優先してデザインしましょう。ターゲットがシニア層の場合はフォントを大きくするなど、読む人への配慮も忘れないでください。

シズル感のある写真を使う

DMでは商品に直接触れることはできません。だからこそ、まるで目の前に商品があるようなシズル感のある写真が必須です。食品なら美味しさ、高級品なら高級感、化粧品なら「使うとこんなにキレイになれる!」ということがひと目で伝わる写真を使いましょう。

目線の動きを意識したレイアウトにする

レイアウトで重要なのが、人間がモノを見るときの自然な目線の動き(アイフロー)を意識することです。例えば横書きのDMの場合、読み手の視線は左上、右上、左下、右下と、アルファベットの「Z」を描くように進むといわれています。

DMを読むときの目線の動き

この流れに沿って、「認知(キャッチコピー)」、「理解(商品説明)」、「行動(申込方法)」と導くようなコンテンツ構成を心がけてください。

効果的なデザインについては下記で紹介しておりますので、こちらも参考にしてください。

お客様の声の使い方

読む人からすれば、DMも広告の一種です。どんなに商品・サービスの良さを伝えても、企業目線の情報ばかりではなかなか信用してもらえません。そこでオススメなのが、第三者の証明として、お客様の体験談を入れることです。

ターゲットの属性と近いお客様の声を使う

人は自分と境遇や属性が似ている人に影響を受けやすいものです。経営者に購入してほしいなら経営者の声、40代の女性に使ってほしい商品なら30代後半から40代の女性の声を使いましょう。

具体的なエピソードを伝える

商品・サービスを購入するまでの「悩み」、購入した「理由」、使用した「効果・成果」が、簡潔に伝わる内容がベストです。スペースが少ない場合はどれか一つでも構いません。また、「売上が〇〇%UPしました」といった数字を入れるなど、エピソードが具体的であればあるほど信ぴょう性が高まります。

用紙・封筒サイズの選び方

DMでおもに使われる用紙・封筒のサイズは次の5種類です。

ハガキDM

ハガキサイズ(100mm×148mm)
A判のA4サイズ(210mm×297mm)

コンパクトで持ち運びに便利なハガキサイズは、それ自体クーポンや招待状としても使えるので、おもに店舗やイベントの集客用DMに利用されています。新商品やキャンペーン案内、B to Bのサービスなど、たくさんの情報が必要なDMや、大きな写真で視覚的にインパクトを与えたい場合には、大型のA4サイズがおススメです。

他に費用対効果の良さで人気なのが、見開き型の圧着タイプです。郵便料金はそのままで情報を伝えられるスペースは倍になるので、ハガキ・A4サイズともに多く活用されています。

封書DM

長型3号(120mm×235mm) タテ長でA4サイズの縦三つ折りが入る最適なサイズ
長3横封(235mm×120mm) ヨコ長でA4サイズの横三つ折りが入る最適なサイズ
角型2号(240mm×332mm) A4サイズのチラシやパンフレットも折らずに封入できるサイズ

封書DMのメリットは、パンフレットや冊子などを同封して、ハガキDMよりもたくさんの情報を伝えられることです。また、サンプル商品やノベルティ、ちょっとしたプレゼントも一緒に送れるので、情報告知だけでなく、さまざまなアプローチに活用できるのも魅力です。

こちらの記事では、DMの用紙サイズについてより詳しく紹介しています。

紙質の選び方

DMで使われる紙は大きく分けて次の3種類です。

コート紙(光沢あり)
マットコート紙(光沢控えめ)
上質紙(光沢なし)

DMは基本的に文字が多いため、表面の反射を抑えたマットコート紙が多く使われています。また、申し込みハガキやアンケートにボールペンで記入してもらう際、コート紙よりも書きやすいという特長もあります。

厚さはハガキDMの場合180kg~220kg、封書DMの場合110kg~135kgあたりが一般的です。厚い紙の方がレスポンスは良い傾向にあるとよくいわれていますが、どっしりとした厚みは、やはり商品や会社への信頼感につながります。とくに高価な商材のDMには厚めの紙がオススメです。

紙を選ぶ上で大切なのは、事前に自分の目と手で紙を確認することです。種類や厚さによっては、イメージからかけ離れた色合いに仕上がる可能性もあります。最近はインターネットで注文できる安価なオンデマンド印刷が普及していますが、慣れないうちは信頼できる印刷会社としっかり打ち合わせするのが安全です。

こちらの記事では、紙質についてより詳しく紹介しています。

形状の選び方

見込み客や顧客のもとには、毎日たくさんのDMが届きます。その中で、「開封したい」「捨てたくない」と思ってもらうためには、形状にも工夫が必要です。たとえば、あえて小さいサイズの封筒をたくさんの同封物でパンパンにさせて中身への期待感を高めたり、封筒ではなく透明のビニール(OPP袋など)に封入して商品券を目に入るようにしたりといった例はよく見られます。

また、必ずしもハガキタイプか封書タイプを選ばないといけないわけでもありません。DMの最大の魅力はリアルに「モノ」として届けられること。これはデジタルでのアプローチでは不可能です。そのメリットを最大限生かしたインパクトのあるDMも登場しています。ここで少し、「このアイデアは秀逸だ!」と感じた事例を紹介します。

  • お客様に賞状のような感謝状を入れる(化粧品通販DM)
  • 「飛び出す絵本」のように開くと家が立ち上がる(不動産会社DM)
  • あえて普通の封筒を使い、すべて手書きで完全な私信風にする(老人ホームDM)
  • 封筒ではなく、透明な食品用パッケージに封入(焼き肉店DM)
  • 封筒がスマホスピーカーに変身する(スマホメーカーDM)

…挙げていければキリがありませんが、ぜひあなたもユニークな形状を考えてみてください。

おわりに

以上、DMの開封率・反響率を上げる方法を紹介してきました。とはいえ、これらはあくまで基本的なノウハウです。こだわればこだわるほどレスポンスに反映されるのがDMの魅力であり、奥深さです。ぜひ他の記事も参照して、より成果の上がるDMを目指してください!

タグ : マーケティング
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教えて!DM先生 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引14,400社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。