エリアマーケティングとは?分析ポイントや有効な手法について

2024.03.05 2019.08.29マーケティング
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エリアマーケティングとは、マーケティングを行う際にエリア(地域)によるセグメンテーションを取り入れる手法を指します。地域ごとの特性を活かして、そこに商品戦略などを当てはめて展開していきます。

エリアマーケティングを成功させるためには、地域の特性を分析し、効果的にマーケティングを行えるためのプランニングが大切です。ここでは、エリアマーケティングを始める前に行う分析のポイントや、有効な手法をご紹介します。

エリアマーケティングとは?

エリアマーケティングとは、地域ごとの特性に合わせたマーケティング方法を行う手法です。例えば、同じコンビニであっても、住宅街とオフィス街では必要とされる商品は異なります。このような地域ごとの違いを分析し、エリアごとに売れる仕組みを作るのが、エリアマーケティングの考え方です。

エリアマーケティングに必要な8つの分析ポイント

エリアマーケティングを成功させるためにポイントとなるのが、「自社の商品・サービスを購入しているターゲットがどこに住んでいるのか」「そのエリアにはどのような売り方が好まれるか」等の分析を事前にしっかり行うことです。

ここでは事前に分析しておきたい8つのポイントの考え方を紹介します。

市場特性の分析

販売を考えている地域の社会・経済状況の分析です。市場規模、人口世帯、成長性などのデータが該当します。そのエリアが人口増加が期待できる場所なのか、過疎化が想定される場所なのかを予め把握しておきましょう。

需要特性の分析

その地域に住んでいる人がどのようなライフスタイルで、どのような消費傾向を持っているかを分析します。家族構成の傾向(小さい子ども連れが多い、シニア層が多い)や、普段の移動手段、好まれる食事の傾向、余暇へのお金の使い方などを把握し、それに基づく需要の特性を考えます。

チャネル特性の分析

チャネルとは、集客するための経路のことです。そこで暮らす人々がどのような買い物の仕方に親しんでいるのかを把握します。コンビニが主に使われる場合、地域のスーパーや商店街が好まれる場合、大型ショッピングセンターに多くの人が集まる場合、通信販売がよく使われる場合などがあります。

競争特性の分析

特に店舗を出店する場合に重要となるのが、そのエリアにおける競合の分析です。競合店舗があるのか、競合のサービスにどんな特徴があるのかを考えます。競合との距離やサービス内容、駐車場の状況、店舗の大きさなどを定量化して、どのように有利な戦略を取れるかを考えます。

自然・風土特性の分析

その地域の自然環境からライフスタイルを考えます。平均気温や降雨量などのデータが使えます。降雪地域であれば雪の存在が生活に影響を与えますし、暑い地域であれば夏の過ごし方に違いが出てきます。自然条件は消費者意識にも影響を与えるので、忘れずに検討しておきましょう。

歴史・文化特性の分析

その地域ごとの文化的な違いにも目を向けましょう。お盆の時期も日本全国で違いますし、料理の味付けも好みが変わります。このように、生活習慣や催事、風習などは地域と深く根付いているので、エリアごとに販売戦略を考えたいならしっかり分析しておきたいところです。

情報特性の分析

どのように情報に触れるかという点も、地域ごとに差があります。都市部であればインターネットを通じての情報接触が多いかもしれませんが、郊外であれば新聞が第一の情報源になっているケースもあります。交通広告を考える際も、公共交通機関での露出が有効な場合と、道沿いの看板のほうがインパクトを与えられる場合があります。

ユーザー特性の分析

いわゆる「県民性」のような、地域における人柄の特徴を分析します。新しいものに積極的にチャレンジする傾向にあるのか、伝統を重んじるのか、地域密着型が好まれるのか等、その地域のユーザー特性によって、お店や商品に対する好感度も変わってきます。

エリアマーケティングに必要なデータ

エリアマーケティングの分析を行うためには、以下のような観点からデータを集めるのがおすすめです。以下のデータを駆使して分析し、その結果を使って広告展開や販促施策を考えていきます。

地域情報

自社商品・サービスのターゲット層はどこに住んでいるのかを考えます。国勢調査の結果からは、人口統計や分布だけでなく、世帯や年齢、就業状態などを把握することもできるので、上手に活用しましょう。また、人口増減からその地域の経済成長性が予想できます。

店舗状況

競合の分布を地図に表し、自店舗との商圏重複を考えます。それを踏まえ、自店舗周辺にはターゲット層がいるかどうかを考えてみましょう。競合が弱いエリアがあれば、そこを狙ってマーケティングを行うことも考えられます。

顧客情報

自社の顧客データから、年齢、性別、居住地などを導き出します。強みのある地域とそうでない地域がわかるので、集客の少ないエリアがあればそこを狙って広告展開するかが検討できます。購入学の高い上位顧客やリピートの多い顧客がどこに住んでいるのか分かれば、集中的なアプローチができるかもしれません。

営業強化エリアを知るためのデータ

国勢調査データなどの市場規模データが該当します。市場規模があるにもかかわらず、店舗出店や広告展開が弱いエリアを探し、優先すべき地域を考えます。

施策の効果を把握するためのデータ

エリアマーケティングは、一度行って終わりではなく、結果を分析して改善する活等を続けていくことが大切です。エリアマーケティングによってどのように状況が変わったのか、実績と比較するためのデータを集めましょう。来店実績や売上の変化などが該当します。

エリアマーケティングに有効な手法

各地域を知る分析を行い、どの地域のどのターゲットに向けて広告展開を行うかを決めたら、いよいよ具体的にマーケティングを行います。エリアマーケティングと相性の良い方法をご紹介します

新聞や折り込みチラシ

新聞広告や折込チラシは、その地域の顧客に効率的に情報を伝えられる方法です。地域ごとに発行されるフリーペーパー等も同じです。顧客リストがない場合であっても、不特定多数に情報を伝えられる手段です。

ダイレクトメール

顧客リストがある場合に使えるのがDMです。その地域の見込み客にピンポイントに情報を伝えられるので、広告効果が高まることが期待できます。

YDN・GDNなどのWebを活用したエリアターゲティング広告

Web広告も、地域ごとのターゲティングに向いています。広告が配信される地域や時間を細かく設定できるので、少ないコストで広告運用が可能です。インターネットでの情報提供を考えている場合は、上手に活用したい広告です。

交通広告

都市部であればバスや電車の車内広告、車移動の多い郊外であれば道路沿いの看板広告など、その地域の特性に合わせた交通広告を活用すると不特定多数に情報をアピールできます。

おわりに

マーケティング戦略を考える際に、地域ごとの特性に合わせた情報を組み合わせて考えるのは有効な観点です。効率的にターゲット層に情報を伝え、サービスや商品の購入を促すことができるからです。特に実店舗を展開している場合は、エリアマーケティングの観点は不可欠です。今回ご紹介した考え方や手法を参考に、エリアマーケティングの考え方を取り入れてみてください。

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教えて!DM先生 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引14,400社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。