新規顧客獲得の戦略とプロセス|デジタル×アナログで成果を最大化

2025.12.23マーケティング
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【オフライン】新規顧客獲得の代表的な手法企業の持続的な成長のためには、新規顧客の獲得が不可欠です。
多くの企業が様々な方法や手法を試行錯誤する中で、効果的な営業戦略の立案が求められています。
新規顧客を獲得するには、デジタルとアナログの両面からアプローチを検討し、自社に最適なプロセスを構築する必要があります。
この記事では、新規顧客獲得の戦略を立てるステップと、オンライン・オフラインそれぞれの具体的な手法、両者を融合させた新しいアプローチについて解説します。

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新規顧客獲得の重要性と「1:5の法則」

企業の持続的な成長には、新規顧客の獲得が不可欠です。
市場環境の変化や競合の存在を考慮すると、既存顧客の維持だけでは事業の継続が困難になるリスクがあります。
一方で、新規顧客の獲得には相応のコストが発生するため、その投資対効果を最大化する戦略的な視点が不可欠です。ここでは、顧客獲得の必要性と、コストを考える上で重要な「1:5の法則」について説明します。

新規顧客の獲得が必要な理由

ビジネスを持続的に成長させるためには、既存顧客からの売上だけでなく、新規顧客の流入を確保することが不可欠です。
市場の変化や競合の台頭など、外部環境の変化によって既存顧客を失うリスクは常に存在します。
既存顧客への依存度が高いビジネスモデルは、主要顧客の離脱が売上の急減に直結する脆弱性を抱えています。事業基盤を安定させながら成長を続けるためには、絶えず新規顧客を開拓し、顧客ポートフォリオを多様化していく必要があります。

既存顧客維持とのコスト比較(1:5の法則)

新規顧客を1人獲得するためにかかるコストは、既存顧客を維持するコストの5倍に相当するという「1:5の法則」があります。
新規獲得には多大な費用と時間が必要なため、無計画な施策は避けなければなりません。
投下した費用に対してどれだけの顧客を獲得できたかを示すCPA(Cost Per Action)を厳密に管理し、費用対効果の高い施策にリソースを戦略的に配分することが重要です。

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新規顧客獲得の戦略を立てる5つのステップ

新規顧客の獲得は、単に広告を出稿すれば達成できるものではありません。
CPAが高騰しやすい領域だからこそ、実行前の準備と戦略設計が成果を左右します。
ここでは、無駄なコストを抑え、確度の高い顧客を獲得するためのプロセスを5つのステップで解説します。

1.現状分析と目的の明確化

新規顧客獲得の第一歩として、自社の現状を客観的に分析することが重要です。
市場、競合、自社の3つの視点から分析を行う「3C分析」や「SWOT分析」などのフレームワークを活用し、自社の強みや市場での機会を把握します。
その上で、「半年で売上を15%向上させる」といった具体的かつ測定可能な目標を設定し、戦略の全体像を明確にすることが成功の鍵となります。

2.ターゲット(ペルソナ)の設定

新規顧客獲得の成功には、ターゲットを詳細に設定することが不可欠です。
年齢、性別、居住地などの基本的な情報に加え、価値観やライフスタイル、抱える悩みや課題、情報収集方法といった心理的特性や行動特性まで掘り下げた具体的な人物像(ペルソナ)を定義することが重要です。
ターゲットが曖昧なままだと、ダイレクトメール(DM)やWeb広告の内容が誰の心にも響かず、結果として効果の薄い施策に終わってしまいます。
ペルソナを明確にすることで、顧客のニーズに深く刺さるメッセージやクリエイティブを作成し、施策の効果を最大化することができます。

3.カスタマージャーニーの設計

設定したペルソナが、製品やサービスを認知してから購入に至るまでの顧客の心理や行動プロセス(カスタマージャーニー)を可視化します。
カスタマージャーニーを設計することで、各段階で顧客がどのような感情や思考を抱き、どのような情報に触れるのかを把握できるのです。
顧客の行動プロセスを可視化し、ボトルネックになりそうな箇所を特定しておくことで、離脱を防ぐための手立てを事前に講じることができるようになります。

4.アプローチ手法の選定

ターゲットの属性に応じて最適なチャネル(オンライン/オフライン)を選定します。
例えば、若年層にはSNS広告、企業の決裁者にはダイレクトメールといったように、カスタマージャーニーで特定したタッチポイントとペルソナの行動特性に基づいたアプローチが必要です。
これにより、マーケティング予算の適切な配分と、クリック率やコンバージョン率などの具体的なKPIを設定し、効率的な顧客獲得を目指します。

5.PDCAサイクルによる効果測定

施策は実行するだけでなく、必ず効果測定を行い、計画、実行、評価、改善から成るPDCAサイクルを回すことが重要です。
Web施策はデータ取得が容易ですが、オフライン施策もDMにQRコードを印刷するなどの工夫で貢献度を可視化できます。

【オンライン】新規顧客獲得の代表的な手法

【オンライン】新規顧客獲得の代表的な手法
デジタル技術が発展した現代において、インターネットを活用した集客はビジネスの基本となりました。
オンライン施策は、詳細なターゲティングや数値計測が容易であるという特徴を持っています。
ここでは、代表的な3つのオンライン手法について、それぞれの特性と活用ポイントを解説します。

■Web広告(リスティング・SNS・動画)

Web広告には、検索行動と連動し顕在層に即座にアプローチするリスティング広告や、ユーザー属性や興味関心に基づいて潜在層へアプローチするSNS広告などがあります。
特にSNS広告は、テキストや静止画だけでなく動画を活用することで、ブランドの世界観をより深く伝え、認知拡大や記憶への定着に効果が期待できます。

■コンテンツマーケティング(SEO)

ユーザーが抱える課題に対し有益な情報を提供することで、自社への信頼を醸成し、将来的な顧客育成を目指します。
検索エンジンの上位表示を狙い、広告費をかけずに継続的なアクセスを見込むことが可能であり、中長期的な企業の資産となります。しかし、効果が現れるまでに時間がかかるため、即効性は期待できません。

■SNS運用・SNSマーケティング

X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSプラットフォームで企業が公式アカウントを運用し、ユーザーと直接的かつ双方向のコミュニケーションを図ることは、顧客との関係性を深める重要な手段です。
製品情報だけでなく、業界の専門知識や開発の裏側、社員の日常などを投稿することで、ユーザーに親近感を持たせ、ブランドのファンを育成できます
ファンが増えれば、彼らが自社製品について自発的に発信するUGC(User Generated Content)が増加します。企業からの情報発信に加え、UGCは第三者からの好意的な口コミやレビューとして信頼性が高く、他の消費者の購買意欲を喚起する強力なプロモーション効果が期待できます。

【オフライン】新規顧客獲得の代表的な手法

【オフライン】新規顧客獲得の代表的な手法

デジタルマーケティングが主流の現代においても、オフラインでの顧客獲得手法は依然として重要な役割を担っています。
特に、オンラインではリーチしにくい特定のターゲット層に情報を届けたり、直接的な対話や体験を通じて深い信頼関係を築いたりする上では、オフラインならではの価値が再評価されています。

ダイレクトメール(DM)・チラシ

DMやチラシは、自宅やオフィスに物理的な印刷物を直接届けるプッシュ型の手法です。
電子メールとは異なり、手元に実物が届くため手に取ってもらえる可能性が高く、視認性に優れています。
クーポンや重要な案内など価値のある情報であれば、保管されて後から見返してもらえる期待もできます。
企業の決裁者や、日常的にインターネットを利用しない層など、Web広告ではアプローチが難しいターゲットに直接情報を届けられるため、有効な手段となります。

展示会・イベント出展

展示会やイベントへの出展は、製品やサービスへの関心が高い見込み顧客と直接対話し、その場で製品を実演することで、オンラインでは伝わりにくい魅力や熱意を伝え、深い信頼関係を築く貴重な機会です。
特にBtoBビジネスにおいては、複数の競合製品と比較検討中の担当者と名刺交換を行い、具体的なニーズをヒアリングできるため、対面での信頼構築がリード獲得に直結します。
しかし、獲得した名刺を単なるリストで終わらせず、迅速なフォローアップで商談へと繋げることが成功の鍵となります。

テレアポ・飛び込み営業

テレアポや飛び込み営業は、企業側から見込み顧客へアプローチするプッシュ型営業の代表的な手法です。
断られることが多いという課題はあるものの、他の手法ではなかなか接点を持てない企業の担当者と直接対話できる可能性があり、相手の反応をリアルタイムで感じ取りながら柔軟に提案内容を調整できるという強みがあります。
ターゲットを精査し、スクリプトを練り上げるなどの事前準備が成功の鍵となります。

看板・交通広告(OOH)

看板や交通広告は、特定のエリアで不特定多数の目に触れるOOH(Out of Home)広告です。
駅構内のポスターやビル壁面の大型ビジョンなどが代表的です。
これらの広告は、地域を限定して企業やブランドの認知度を高めるのに効果的です。
直接的な購買には繋がりにくいものの、日常生活の中で繰り返し接触することで、無意識のうちにブランドに対する興味・関心が高まる「ザイオンス効果」を期待できます。
これにより、将来的なサービス選択時に想起されやすくなり、親近感や信頼感の醸成に貢献します。

デジタル×DMの融合で新規顧客の獲得を促進しよう

オンライン・オフライン施策はそれぞれに長所と短所があります。
新規顧客獲得の効果を最大化するためには、これらの手法を対立するものとして捉えるのではなく互いの強みを活かす形で戦略的に連携させることが重要です。

特にデジタル情報が飽和状態にある現代において古くからあるアナログ手法のDMがテクノロジーと融合することで新たな価値を生み出しつつあります。

なぜ今、アナログなDMが見直されているのか?

デジタル情報があふれる現代において、物理的に手元に届くDMは、他の情報との差別化を図る強力な手段として見直されています。
日々受信トレイに溜まっていく大量の電子メールと比較して、丁寧にデザインされたDMは、「自分だけに宛てられた」という特別感を演出し、高い開封率が期待できます。
また、Web広告では反応しなかった層や、サイトを離脱した層に対してDMを送付することで、再訪を促すリターゲティング施策としても有効活用できます。
フィッシング詐欺などの懸念から電子メールへの警戒心が高まる中、信頼できる企業からの物理的な紙媒体は、デジタルにはない安心感と信頼性を与える側面も持ち合わせています。

オフライン施策の課題を解決する方法

従来のオフライン施策は、効果測定の難しさ、発送作業の煩雑さ、個人情報管理への不安といった課題を抱えていました。
しかし、DMに個別のQRコードを印刷し、専用LPへ誘導することで、誰がDM経由でアクセスしたかを正確にトラッキングできるようになり、オフライン施策の効果を可視化できます。

効率的に新規獲得を実現!DM発送サービス「セルマーケ」を活用

Webから24時間注文可能なDM発送プラットフォーム

セルマーケは、DMのデザインデータ入稿から宛先リストの登録、印刷、発送まで、すべてのプロセスをWeb上で24時間いつでも完結できるクラウド型のサービスです。

これまで必要だった印刷会社との見積もり交渉や電話・メールでの煩雑なやり取りが一切不要となり、オンラインの管理画面上でシームレスに発注作業を行えます。
最小100通から注文が可能なので、大規模なキャンペーンだけでなく、特定のセグメントに向けた小規模なテストマーケティングも低コストかつ手軽に実施できます。
例えば、異なるキャッチコピーやデザインのDMを複数のグループに送付し、Webサイトへのアクセス率などを比較するA/Bテストも容易に行え、データに基づいたクリエイティブの最適化が可能です。

「hubstep」による追跡と安全安心の宛先管理

DMの発送先リストの管理ツールhubstepでは、宛先データの整備から履歴登録までを自動化し、宛先管理業務の効率化を図ることが可能です。
発送後の未着履歴の登録/データクレンジング/重複チェックなどを自動で行うため、現状のコア業務を圧迫することなく、新規顧客の獲得につながるDM発送を実施できます。
また、 hubstepはDMが「いつ届いたか」まで追跡できるため、到着に合わせた架電やメールフォローなど、緻密なクロスメディア戦略も可能になります。

まとめ

市場の変化が激しい現代において、単一のチャネルだけに頼った集客はリスクを伴います。
Web広告やSNSといったデジタル施策はもちろん重要ですが、物理的に顧客の手元に届き、高い開封率を誇る進化したDM施策が大きな突破口となり得ます。

「誰に」「いつ」「何を」届けるかという明確な戦略に基づき、デジタルとアナログをシームレスに連携させることこそが、これからのマーケティングのスタンダードとなるでしょう。

 

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小山咲

小山咲

ダイレクトメール発送代行専門会社・上場企業 【ディーエムソリューションズ株式会社】 ◆ダイレクトメール事業 営業部 ◆DM発送営業→新卒教育担当→教えてDM先生編集等のオウンドメディア運営や事業部の営業推進に関わる業務を担当。