ダイレクトメールを活用したクロスメディア戦略とは?

2024.03.05 2022.10.25マーケティング
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商品やサービスの販促活動をするとき、媒体選びを「なんとなく」行なっていないでしょうか。とりあえずはDM、みんなやっているからインターネット、などといった販促活動では、顧客の取りこぼしが発生してしまいます。

DM、インターネット、TVなど複数の媒体を組み合わせて、より効果的な販促活動を実現する「クロスメディア戦略」についてご紹介します。

クロスメディア戦略とは?

クロスメディア戦略とは、1つの商品やサービスをDMやインターネット、TVなど、さまざまなメディア(媒体)を利用して販促活動することをいいます。マルチメディア戦略と何が違うの?という疑問が湧いてくるかもしれませんが、マルチメディア戦略は、1つの商品やサービスを複数のメディアを使って販促活動すること。基本的に、メディアによってアプローチを変えるということはしません。

クロスメディア戦略でよく見かける例として、TVCMで新商品発売の告知をし、詳しい情報やキャンペーンなどについてはインターネットで検索、というものが挙げられます。単に多くのメディアを利用するというのではなく、TVならTV、インターネットならインターネットならではのメリットとデメリットを理解し、その媒体の特長を十分に活かした販促にする必要があります。つまり商品やサービスの告知から資料請求、購買に至るまでの各段階で、ふさわしいメディアを選択し組み合わせることによって、より精度の高い販促が可能になるのです。クロスメディア戦略とは、1人の消費者が購買にいたるまでの動線づくりをすることといえるでしょう。

クロスメディア戦略のメリット

クロスメディア戦略における3つのメリットについてご説明します。

顧客のフェーズ(潜在層、顕在層など)に合わせたアプローチが可能

一口に「顧客」といっても、それぞれ持っている欲求は違います。キッチン洗剤を例に挙げると、「キッチンをピカピカにする洗剤がほしい」と思っている人と「キッチンをピカピカにする◯◯洗剤がほしい」と思っている人がいる場合、前者を潜在層、後者を顕在層と呼びます。

潜在層とは、その商品は知らなくてもその商品のジャンルのものを購入しようとしている人、顕在層とはすでにその商品を知っていて購入まで考えている人のことです。

この両者ともに◯◯洗剤を購入してもらうためには、当然アプローチを違ったものにする必要があります。クロスメディア戦略は複数のメディアを使って顧客のフェーズに合わせた展開ができるので、単一メディアでの販促では見えてこなかった顧客を発見できたり、高いニーズを持っているのに今まで購入に結びつかなかった顧客を購入へと誘導できたりするなどのメリットがあります。

さまざまなメディアから顧客へのアプローチが可能

TVCMはとても多くの人にアプローチできますが、秒数が限られているため、詳しい情報を届けることはできません。DMは商品情報をじっくりと読んでもらえますが、住所などの個人情報がわかる人にしか送付できません。メディアにはそれぞれ一長一短ありますが、クロスメディア戦略であれば、チラシにQRコードを印刷してWEBサイトに誘導したり、TVCMで新商品告知をして雑誌に誘導したりするなど、メディアの弱点を補完し特性を活かした販促活動ができるというメリットがあります。

メディアごとの効果測定がしやすい

DM、TVCM、インターネットなどを組み合わせるクロスメディア戦略では、メディアごとに段階的なプロモーションを行うことができます。メディアは分かれていますが、バラバラではなくひとつの目的に向かって一連の流れがつくられているため、それぞれのメディアでの効果測定が行いやすいというメリットもあります。

DMとのクロスメディア戦略とは?

DMはTVCMなどに比べると多くの情報を盛り込みやすいといえますが、紙面には限りがあり、また文字数が多すぎると読む気を失わせてしまいます。もっと多くの情報を伝えたい、プレゼントキャンペーンなどに参加してほしいなどと思うときに活用したいのがインターネットです。DMの紙面に商品やキャンペーン情報などの専用ページのURLを記載することで反響率を上げることができます。

日本ダイレクトメール協会の調査によると、DMを受け取った後の行動として、商品を購入した人は3.4%、問い合わせた人は0.7%なのに対し、インターネットで調べた人は8.0%(※1)ということです。DMからインターネットへの誘導は一定の成果がでているといえます。

※1 引用元 一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2021」

特に高額商品を購入に結びつけたいときには、インターネットとの連動が有効です。一般的に高額商品を衝動買いする人は少なく、商品について詳しく調べたり、その企業やお店の理念、実際に購入した人の感想を読んだりして、自分自身が十分に納得してから購入を決意する場合が多いと思われます。インターネットであればページ数を気にせずにすみ、複雑になりがちな説明は動画で行うなどの工夫ができるので、商品のよさや企業理念などをしっかりと伝えることができます。

クロスメディア戦略の事例

クロスメディア戦略を成功させるためにはDMやインターネット、TVCMなど、今まで別々に展開していたものをスタートからゴールまでつなげていかなければなりません。それには綿密な戦略が必要ですし、コストもかかります。業態やターゲット、商材などに合わせた効果的なメディアの組み合わせを考えましょう。ここでは、その事例をいくつかご紹介します。

DM・チラシ ⇒ WEBサイト ⇒ 資料・カタログ請求・来店促進

DM・チラシを使って企業やお店のWEBサイトに集客し、資料請求や来店につなげます。DMにQRコードやURLを記載し、サイト訪問によるオファー(特典)を用意するなどしてアクセスしたくなる仕組みをつくりましょう。クロスメディア戦略を意識して、DM・チラシに盛り込む内容は「インターネット集客」「来店促進」に絞り込んだものにするのがポイントです。

DM・チラシ ⇒ ECサイト

DM・チラシを使ってECサイトに集客します。今まで店舗販売だけだった商品をECサイトでも販売する場合、まずはECサイトの存在を顧客に知らせないことにははじまりません。DM・チラシであれば、広く確実に告知することができます。

WEBサイト + SEO対策 ⇒ 資料・カタログ請求

SEO対策によって企業やお店のWEBサイトに集客し、そこから資料請求につなげます。取り扱い商品がとても多い場合や商品の色をきちんと見せたい場合は、インターネットよりも紙の資料の方が見やすいし、魅力も伝わりやすくなります。資料請求のハードルを下げるために、個人情報の入力項目が多くなりすぎないようにするなど、工夫してみるといいかもしれません。

おわりに

クロスメディア戦略を取り入れる際に考えたいことは、下記の3点です。

  • 何のメディアで集客するか
  • 何のメディアに集客するか
  • 顧客にどのような行動をとってもらいたいのか

これらを戦略立てて考えていくことで、活用するメディアや、メディアをいくつ組み合わせるのかが決まってきます。

そのためには、それぞれのメディアの特性をよく理解しておくことが必要です。DMの場合、顧客情報を把握しておかなければ送ることができないため、まずは顧客に情報を登録させる仕組みを用意しておく必要があるでしょう。そして、直接手元に届けることができる特性を意識して他のメディアとのクロスメディア戦略に取り組んでみてください。

タグ : マーケティング
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教えて!DM先生 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引14,400社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。