テストマーケティングとは?メリットとその方法
2024.03.21 2019.09.24マーケティング時間と費用と情熱をかけて開発した新商品、「これは絶対売れるに違いない!」と信じて市場に出したのに、期待はずれの結果に終わった…。こんな経験がある方は少なくないと思います。
社内でも評判がよく、市場調査もしたのに何が足りなかったのでしょうか?その鍵となるのが「テストマーケティング」なのです。ここでは、より多くの方に支持される商品開発のために取り入れてほしい、テストマーケティングについてご説明します。
目次
テストマーケティングとは?
テストマーケティングとは、商品を本格的に販売する前に限定した市場や流通チャネルで試験的に販売し、消費者の反応をみて実際の施策に活かすマーケティング手法です。
なぜこのテストマーケティングが必要かというと、人には自分が信じたいこと(たとえば商品が売れること)を信じるために、その根拠となりそうなデータばかりを意識的に集め、否定的なデータは無視してしまうという傾向があるからです。このような傾向のことを認知心理学や社会心理学における用語で「確証バイアス」といいます。つまり、思い入れの強い商品に対しての自己評価がポジティブに偏ってしまうのです。テストマーケティングをすることにより、確証バイアスがかかっていないフラットな状態で商品の評価ができます。
テストマーケティングのメリット
テストマーケティングを行うことによって得られるメリットは、大きく3つあります。
販売リスクを最小化できる
テストマーケティングでは限定した市場や流通チャネルでの販売を行うため、いきなり大量生産をすることはありません。それによって、不良在庫をかかえたり、初期投資に費用をかけすぎたりする失敗を避けることができます。
販売計画が立てやすい
テストマーケティングを行う中で、広告や販促活動の効果を測定し検証していけば販売計画が立てやすくなります。テスト結果をもとに商品のパッケージや広告物などを最適化できるので、時間やコストを抑えつつ効果的で効率のよい販売を目指せます。
ターゲットが明確になる
実際にテストマーケティングをしてみると、想定していたターゲットとは違う層が大きく反応した、ということは珍しい話ではありません。テストマーケティングで得た、販売チャネルや広告の違いによる反応率のデータなどを参考にして、思い込みではなく客観的にターゲットを絞ることができます。
たとえ非常によい商品であっても、ターゲットを間違えると売り上げはあまり期待できません。逆にいうと、ターゲットにぴったりはまっていれば半分以上は成功したようなものです。それほど、ターゲット選定は重要なものなのです。
テストマーケティングを行う方法
実際にテストマーケティングを行うにはさまざまな方法が考えられます。ユーザーに商品を使ってもらったら、生の声をしっかりと聞くことが大切です。
市場で実際に利用してもらう
地域を限定して小さい規模で商品を試験的に販売し、消費者の反応をみます。地域によって好みが分かれやすいもの(食品など)は、西日本と東日本の両方でテストマーケティングを実施するといいかもしれません。
キャンペーンを開催し、参加者に利用してもらう
期間限定のキャンペーンで集客し、応募してきた人たちに商品を利用してもらいます。キャンペーンに興味を持ったという時点で、ターゲットからははずれていないので有効なデータが集められる可能性が高まります。
イベントや展示会で利用してもらう
イベントや展示会に来ている人たちに商品を利用してもらえば、その場で感想を聞くことができます。商品のいいと思う点、改善した方がいいと思う点など、自分たちが知りたいことをなるべく細かくヒアリングしてみましょう。
ユーザーの人数が多い場合はアンケート用紙を用意して記入してもらう方法がスムーズですが、アンケート項目をマーケティングに有用なものにしつつ、気軽に答えられるものにするよう工夫が必要です。
Webモニターに利用してもらう
自社商品の既存客にモニターを依頼する方法です。自社サイトで募集したり、個別にメールを送ったりしてモニターを集めます。すでに自社のことを知っているユーザーなので商品の使用に抵抗感が少なく、アンケートにも詳しく答えてもらいやすいはずです。モニターには何らかの特典(割引やプレゼントなど)を用意すると、より真剣にアンケートに取り組んでもらえるでしょう。
テストマーケティングの結果で分析すべき指標
テストマーケティングで売り上げを上げることは重要ではありません。テストマーケティングで得たデータを、いかに活用するかが大事なポイントです。以下の4つの項目について検証してください。
商品やパッケージの仕様
機能性のほか、パッケージや価格設定、ネーミング、食品であれば色や味付け、香りなど商品そのものに関する仕様について、ユーザーはどう感じているのかを分析します。「価格が高すぎる」「パッケージがかわいくない」「味が悪い」など、ネガティブな意見こそしっかりと聞いて改善ポイントを探りましょう。
ユーザー属性
年齢、性別、職業、居住地などのユーザー属性を確認することも非常に重要です。男性向けのつもりで開発した商品が意外にも女性に受けたり、子供向けの商品に高齢者が反応したり、当初のターゲットとは違う層に受け入れられる現象はしばしばあります。最初に設定したターゲットにこだわらず柔軟に対応して、より支持される商品開発に活かしましょう。
テストマーケティングのチャネル
商品がどの経路からユーザー届くのかを確認します。複数の場所でテストマーケティングを行う場合は、どの場所でよく売れたのかがわかれば、似たような場所(立地や居住者の属性が同様など)でもよい結果が得られるのではないかと予想できます。
広告やプロモーション内容
商品の販売には、商品そのものの魅力はもちろん、広告手法も大きくかかわってきます。たとえばDMの場合、商品は同じでもオファーやキャッチコピー、デザインなどによって顧客の反応は変わります。広告のどの点に反応が高かったのか、どの点がいまいち届いていなかったのかなどを詳しく検証すれば、本格販売のときに最適化した広告を打ち出すことができます。
おわりに
商品をよりよく改善し、売り上げをアップさせるために有効なテストマーケティングについてご説明しました。テストマーケティングを行うことによって、販売リスクを抑えたり、販売計画が立てやすくなったり、ターゲットが明確化されたりするなどのメリットが得られます。
テストマーケティングの方法については前述していますが、既存の優良顧客に対するDMにサンプルやモニター募集のチラシを同封して、テストマーケティングに協力してもらうこともひとつの手です。優良顧客からの貴重な意見がもらえるだけでなく、販売する場所を確保したり、イベントを行ったり、新たにリストを入手したりする場合と比べてコストを抑えることもできます。さらに、既存顧客なのでユーザー属性の分析もしやすく、「テストマーケティングははじめて」という企業やお店でもトライしやすくおすすめです。
教えて!DM先生 編集部
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