顧客ロイヤリティ(顧客ロイヤルティ)とは?改善施策と計測方法を解説
2025.02.28マーケティング
競争が激化する現代において、企業の成長や売上を左右するのは、顧客との絆の強さです。
一度きりの取引で終わらせず、長く愛される存在になるためには、顧客ロイヤリティの向上が欠かせません。そこで本記事では、顧客ロイヤリティを高めて熱狂的なファンを増やすための戦略と、その効果の計測方法を解説します。
目次
顧客ロイヤリティ(顧客ロイヤルティ)とは?
顧客ロイヤリティとは、顧客が特定のブランドや企業に対して持つ親しみや愛着を感じることを指します。
企業が提供する製品やサービスに対して高い信頼を寄せ、繰り返し購入や利用をする傾向が強くなる状態です。顧客ロイヤリティが高くなるとサービスの質やブランド価値といった、価格以外の要素を重視し、その結果、その企業を選びます。日本語では「ロイヤリティ」と「ロイヤルティ」が混同して使われることもありますが、本来は下記のように別の意味を持ちます。
●ロイヤリティ:顧客の忠誠心、ブランドへの忠誠を意味する
●ロイヤルティ:特定の契約や商取引に関連する対価を指す
このように、双方はそれぞれ別の意味を持つ言葉ですが、似た言葉であることからしばしば同じ意味として使われます。
また、ロイヤリティは「Loyalty」と表現されますが、英語表記では「Royalty」と混同されることがあります。Royaltyは王族や王位、気品といった意味合いを持つ言葉であり、Loyaltyとは明確に違う意味を持ちます。
顧客満足度との違い
顧客の感情を表す言葉の中には、顧客ロイヤリティだけではなく「顧客満足度」というものがあります。
顧客満足度とは、顧客が一度の購入やサービス提供を受けてどれだけ満足したかを示す指標です。一方、顧客ロイヤリティは購入後ブランドや企業に対する親しみを指す言葉であることから、顧客満足度よりも広い意味を持ちます。そのため、顧客満足度が高くてもほかのブランドに乗り換える可能性があります。
しかし、顧客ロイヤリティが高くなるほど乗り換える可能性は低くなるといえます。
顧客エンゲージメントとの違い
顧客エンゲージメントとは、顧客が企業やブランドとどれだけ積極的に関わっているかを示す言葉です。
近年ではSNSやDMなどさまざまな方法で顧客と企業が関わることができ、その際の感情や行動の反応度合いを示します。顧客ロイヤリティは長期的に関係が構築できている状態であり、いわゆるファンである状態といえます。企業はファンの期待を裏切らないために、プロダクトの改善や新商品開発、企業活動に注意しなければなりません。顧客ロイヤリティが高くなるとリピート購入も期待できることから、将来的に大きな価値がある状態といえるでしょう。
顧客ロイヤリティ(顧客ロイヤルティ)を高めるメリット
以下、顧客ロイヤリティを高めるメリットをご紹介します。
顧客単価の向上
ロイヤリティが高い顧客(ロイヤルカスタマー)は企業やブランドのファンであるため、継続した自社商品の購入が期待できます。
1回の購入金額が少なくても、継続して何度も購入することで顧客単価が向上するのです。複数のロイヤルカスタマーに育成することで、毎月安定した売上を獲得できる点がメリットといえます。
リピート率のアップ
ロイヤリティの高い顧客は再度購入する可能性が高いため、リピート率の向上につながります。
企業およびプロダクトの良さを理解していることから、新商品や商品情報などにも積極的に興味を持ってくれます。特に、サブスクリプション型や定期購入型のビジネスモデルの場合、長期契約により継続して売上を積み重ねられるメリットがあります。
解約率の低下
世の中には多くの商品やサービスがあふれているため、顧客は常にサービスの選択を迫られます。
選択は想像以上に心身に負担をかける行動であることから、できるだけ信頼できる企業やプロダクトを選びたがるものです。顧客ロイヤリティが高くなるほど顧客がサービスや商品を継続的に利用するため、解約率が低くなります。
口コミの増加
顧客ロイヤリティが高くなることで顧客は周りの人やSNSなどに、良かった旨を伝えたいと思うようになります。
いわゆる口コミになるものですが、この口コミの増加は企業にとって新たな顧客獲得の手段となるのです。顧客自身がプロモーションをしてくれるため、企業は費用をかけずに集客、および購入数の増加が期待できます。
顧客ロイヤリティ(顧客ロイヤルティ)を下げる要因
顧客ロイヤリティが下がるということは、ファンが減る、リピーターが減ることと言い換えられます。
下記のようなアクションは、顧客ロイヤリティの低下を招いてしまいます。
●問い合わせに対する対応が遅い
●顧客との接点の頻度が低すぎる
●顧客が望んだチャネル(メール、電話、SNSなど)で対応ができない
●会員サービスを利用するためには長期契約が必要
●解約には多額の違約金が発生する
●解約手続きのプロセスが煩雑
顧客ロイヤリティが下がってしまうと、顧客はほかの店舗やブランドに目を向ける可能性があります。その結果顧客離れが進んでしまい、プロダクトの購入が滞ってしまうことから、売上が低迷してしまいます。
顧客ロイヤリティ(顧客ロイヤルティ)を高める施策
顧客ロイヤリティを高めるためには、企業側から積極的に施策を行うことが求められます。
以下のようなアプローチを実践することで、顧客との信頼関係を深めることができます。
顧客との接点を増やす
顧客ロイヤリティ向上のためには、ホームページのお問い合わせやSNSでの情報発信などで顧客との接点を増やすことが重要です。
接点が増えることで、顧客は「自分が大切にされている」と感じるため、企業に対して特別な感情を抱くことが期待できます。接点を増やす方法の一例として、定期的なニュースレターやダイレクトメール(以下、DM)などを活用することが挙げられます。顧客とのコミュニケーションを円滑にし、企業やブランドへの親近感を増やすことができます。
具体的に顧客との接点を増やす施策はこちらの記事でご紹介しています。
≫集客アイデアを大公開!顧客を惹きつけ売上を伸ばす方法を解説
特別感やお得感を感じられる施策を実施する
顧客ロイヤリティが高い状態にするには、価格以上の価値を顧客に提供することが重要です。
「値段の割には質が良い」と思ってもらうことで、特別感やお得感を感じてもらえます。そのためには限定キャンペーンや特典の提供、会員向けのサービスを提供することもあるでしょう。顧客に対して特別感やお得感を提供することが、ロイヤリティ向上につながります。
顧客の声を正しく把握する
顧客ロイヤリティを高めるためには顧客との接点を持つことが重要ですが、一方通行のコミュニケーションは避けましょう。顧客が何を求めているのかを理解し、ニーズに応えることによって、顧客ロイヤリティを向上させることができます。
しかし、顧客の感情は定性的であることが多く、検討した人によって見解に個人差が生まれてしまいます。そこで後ほどご説明するネットプロモータースコアやライフタイムバリュー、ネットリピータースコアを参考にしましょう。
顧客ロイヤリティ(顧客ロイヤルティ)の計測に使える指標
顧客ロイヤリティを計測するためには、以下の指標を活用することが有効です。
NPS(ネットプロモータースコア)
NPS(ネットプロモータースコア)とは、顧客がどれだけそのブランドを他者に推薦する意向があるかを測る指標です。
NPSは「推奨者の割合 – 批判者の割合」で算出できる指標であり、下記のように0点から10点で評価が分かれます。
●0〜6点:批判者
●7〜8点:中立者
●9〜10点:推奨者
点数が高いほど顧客ロイヤリティも高い状態を指しており、継続して利用してもらえる状態だといえます。
LTV(ライフタイムバリュー)
LTV(ライフタイムバリュー)は、ひとりの顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益を指す指標になります。
下記のようにさまざまな数式で計算できます。
●LTV = 平均購入単価 × 平均購入回数
●LTV = 平均購入単価 × 利益率 × 継続期間
●LTV = 年間取引額 × 利益率 × 継続期間
LTVを向上させるためには、購入単価・購入回数・継続期間を高める必要があります。
LTVが高い顧客はロイヤリティが高い顧客であり、生涯にわたって多くの売上に貢献してくれます。
NRS(ネットリピータースコア)
NRS(ネットリピータースコア)とは、顧客が繰り返し購入する意向を示す指標です。
先述したNPSも用いられることが多い指標ですが、下記のような問題もかかえていました。
●情報の正確性が確保しにくい
●スコアに納得感を得られないことがある
●スコアが低い場合、自社従業員のモチベーションが低下してしまう懸念がある
このような懸念を払しょくするために、ロイヤリティをメインの指標としたNRSが考案されました。
NRSは「リピーター率 – 離反リスクを抱えている人の割合」で算出できます。NRSは1年後の継続利用を具体的にする指標であり、下記5段階で評価されます。
●1~3:離反リスクを抱えている人
●4:中立者
●5:リピーター
離反リスクを抱えている人は、1年以内に購入しなくなる可能性が高い状態です。
これらの人をカバーするのか、それとも中立者をリピーターに育成するのかなどの戦略は、企業の方針に依存します。
おわりに
本記事では、顧客ロイヤリティとはどのようなものなのかについて解説しました。
顧客ロイヤリティとは、顧客が特定のブランドや企業に対して持つ親しみや愛着を感じることを指します。顧客ロイヤリティを高めることで、顧客単価やリピート率の向上、解約率の低下、口コミの増加といったメリットを得られます。顧客ロイヤリティを向上させるための手段として、顧客との接点を増やすことが重要です。
接点を増やす方法の一例として、定期的なニュースレターやDMの発送などが挙げられます。
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三輪姫乃

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