ダイレクトメールのターゲット(性別・老若男女)に合わせた有効なデザイン
2023.10.19 2019.04.09印刷・デザイン「なかなかコレ!というデザインが決まらない」「何度デザインを変えても反響が伸びない」ダイレクトメール(以下:DM)の制作でこのようなお悩みを抱えていませんか?
DMでは、「美しいデザイン=反響の多いデザイン」とは限りません。「売れるDM」を作りたいなら、美しさやキレイさよりも「ターゲットが好むデザイン」にすることが重要です。
この記事では男性・女性、10代からシニア層まで、それぞれの性別と年代に最適なデザインと配色例を紹介します。DMだけでなく、チラシやニュースレターなど、他の広告・販促ツールの制作にも使えるので、ぜひ活用してください。
目次
ターゲットの性別・年代に合わせてデザインを変える理由
突然ですが、想像してみてください。
あなたはいま「38歳の男性会社員」だとします。仕事で疲れて帰宅したとき、郵便受けに下のようなデザインのDMが届いていたらどうするでしょうか?
たしかに「Men’s(メンズ)スーツ」と書かれてはいます。しかもかなりお得です。にもかかわらずあなたは、キュートでポップなピンク色が目に飛び込んできた瞬間に、10代か女性向けのDMが間違えて送られてきたと思って、そのままゴミ箱に捨ててしまうのではないでしょうか。
もちろんこれは極端な例です。しかし、現実でも同じような、「誰に向けて送っているのかわからない」デザインのDMは結構目にします。
人間は性別によって好みや馴染み深い色の傾向が異なり、それも年齢とともに変化していきます。「自分に関係がありそうだな」と思ってもらえなければ読まれないのは、コピーもデザインも同じ。しかもデザインは文字よりも情報伝達スピードが速いため、一瞬でDMの第一印象を決めてしまいます。
つまり、デザインはDMの開封率と反響(レスポンス)率を決める、最初のタッチポイントなのです。
女性・男性向けのDMデザイン
それでは、まずは男女別の最適なDMデザインについて、それぞれの購買行動の違いから説明していきます。
女性向けDMデザインのポイント
女性向けDMデザインのポイントは次の2つです。
- 説明は写真やイラストを使って具体的に見せる
- 商品の先にある未来の良い変化をはっきりイメージさせる
女性が購買行動で重視するのは、商品のスペックや機能以上に、その商品を手に入れた先にある「変化」、「理想の未来」だといわれています。DMのデザインでも、その変化や、そこに至るまでの商品体験を具体的にイメージさせると効果的です。
また、女性はパッと見のイメージに敏感です。第一印象が悪いとそれだけで読まれなくなってしまいます。とくに文字でゴチャゴチャした紙面は禁物。充分に余白をもうけて、すっきりとしたレイアウトを組みましょう。
女性向けDMデザインの配色例
女性向けのデザインで好んで使われているのが暖色系の配色です。
ティーン層向けなら、あどけない印象が出るパステルカラーや暖かみのあるソフトでキュートな配色。少し年齢が上がると、ナチュラルさを感じさせる色合いも使われます。ミドル層以上の場合は、エレガントさが出る少しグレーが入った配色もよく見られます。
男性向けDMデザインのポイント
男性は購買行動において「正しい選択をしたい」「間違いたくない」という意識が強く、商品の性能や機能性を重視する傾向があるといわれています。
そのため男性向けDMのデザインでは、数字やグラフなどのデータや専門家のコメントを使って、客観的に商品の素晴らしさを証明することがポイントです。
男性向けDMの配色イメージ
男性向けのデザインでは、寒色系で構成した配色が一般的です。
若々しいイメージを出す場合は彩度や明度の高い色、アダルトなイメージを出したいときは彩度の低いダークな色を使います。アパレル系のDMなどでダンディーな印象にしたいときは、茶系色や紫系色を加えると効果的です。
年代別向けのDMデザイン
つづいて年代別に効果的なデザインを、キーワード・あしらい・配色の3つの視点から紹介します。
ティーン層(10代)向けデザイン
キーワード
等身大 自由 遊び心 夢 ワクワク感 感覚的 躍動感
あしらい
ティーン層向けのデザインは、共感を呼ぶリアルで等身大のビジュアルを使うのがポイントです。また大人向けとは反対に、余白の少ない賑やかな紙面が好まれます。イラストや手書き文字、レースやハートなどのデコレーションをふんだんにあしらった、遊び心あふれるデザインも好まれます。特殊なフォントを使って、躍動感を与えるのも効果的です。
配色
あたたかみのある配色、とくにあどけない印象が出るパステルカラーが人気です。楽しさを訴求するならとびきりポップな配色も良いでしょう。
ヤング層(20~39歳)向けデザイン
キーワード
おしゃれ クール 飽きさせない 大胆 インパクト
あしらい
ヤング層は商品のスペックや機能面よりも、商品の持つ世界観に共感できるか、自分の感性に響くかどうかを重視する傾向にあります。そのため、商品の特長をアピールするよりも、商品の持つ世界観をふくらませたデザインが効果的です。
あしらいはティーン層向けほど賑やかにする必要はありませんが、ミドル層向けほど落ち着いてしまうと寂しい印象を与えてしまいます。商品にもよりますが、洗練しつつも大胆なデザインを心がけてください。
配色
流行の影響を受けやすい年代ということもあり、時代によっても個々人の趣味嗜好によっても好きな色は千差万別です。そんななかでも、定番ともいえるのが上品でクリアな配色です。
ミドル層(30~49歳)向けデザイン
キーワード
大人 若々しさ 美しさ 信頼性 共感 親しみやすさ
あしらい
30代は、大人っぽいシンプルなデザインが好まれる傾向にあります。あしらいは控えめに、落ち着いた余裕のあるデザインが良いでしょう。ただし、小さな赤ちゃんを持つファミリー向けのDMでは、手書きのフォントやイラストを多用した賑やかで可愛いらしいデザインが効果的です。
配色
ミドル層に広く好まれるのが、下の例のようなナチュラルでカジュアルな配色です。もう少し男性向けに大人っぽい雰囲気を出したい場合は、少し濁りを加えたブルーを基調とし、黒とグレー系で配色するのも良いでしょう。明るく元気なファミリーを表すには、オレンジなどの黄色系の色が効果的です。
シニア層(50歳~)向けデザイン
キーワード
わかりやすさ あたたかさ 上質さ センス 知性 前向き
あしらい
シニア層には、ワンランク上のライフスタイルを感じさせる上質なデザインが響きやすい傾向にあります。若年層のように表面的な演出に惑わされることはありません。商品の価値がしっかりと伝わる、わかりやすいデザインを意識しましょう。
配色
イメージよりも、見やすさと読みやすさを最優先して配色することがポイントです。たとえカジュアルな商品でも、落ち着きや高級感を感じられる色使いを心がけましょう。
おわりに
デザインにはわかりやすい正解はありません。今回は性別・年代別と、もっともシンプルな分類でしたが、実際は趣味嗜好や感性、ライフスタイルによっても効果的なデザインは異なってきます。
どうしても迷ったときや上手くいかないときは、ターゲットが重なる他社のDMを参考にするのが良いでしょう。ターゲットがよく読む雑誌の色使いやトーン&マナーを真似てみるのもオススメです。
余談ですが、本コンテンツは、長時間ご覧いただく方の目に少しでも優しいようにと、緑色をメインに使ったデザインにしております。ぜひぜひ他の記事もご覧ください。
教えて!DM先生 編集部
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