コピーライティングとは?コピーライティングで身に付けたい基礎知識5選

2024.03.15 2018.07.09印刷・デザイン
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DMのコピーは営業におけるセールストークのようなもの。同じ商品でも営業マンによって売上に天と地の差が生じるように、コピーの出来しだいでDMのレスポンスも大きく変わります。とはいえ、なにも知識がないと「売れるコピー」は書けません。

そこで今回は、「これからコピーライティングの技術を身に付けたい!」という方のために、「売れるコピー」を書くために最低限身に付けたい基礎知識を紹介します。簡単に使える効果的なテクニックや構成パターンまで網羅していますので、ぜひ参考書代わりにお役立てください。

そもそもコピーライティングとは?

コピーライティングという言葉の辞書的な意味は、「広告・販促のための文章を書くこと」。ただし実際は、「言葉で商品・企業の価値を上げること」「商品と消費者の新たな関係性をつくること」など、さまざまな意味で使われています。

DMの場合は、宛名・差出人名以外の、あらゆる文章がコピーに含まれます。

イメージコピーとセールスコピーの違い

コピーには、大きく分けて「イメージコピー」と「セールスコピー」の2種類あり、それぞれ目的や使い方が異なります。

イメージコピーとは

「一瞬も 一生も 美しく」(資生堂)、「お、ねだん以上。」(ニトリ)など、企業・商品の認知向上やイメージアップ、ブランディングを目的としたコピーです。

おもにテレビや新聞、ポスターなどのブランド(ブランディング)広告で使われ、広告効果は認知度や好感度調査などで測られます。広告から商品の注文はできないので、厳密に費用対効果を測ることはできません。

セールスコピーとは

読んで字のごとく、商品・サービスを売るためのコピーです。ここでいう「売る」には、購入や契約だけでなく、来店、問い合わせ、資料請求、見積もり依頼など、顧客獲得につながる反応(レスポンス)も含まれます。

どこか洗練された印象のあるイメージコピーと違い、消費者に一対一で話しかけるような、直接的な表現が特徴です。

DMのコピーライティングに必要なテクニック

DMで使うのはセールスコピーですが、セールスコピーを書いたからといって「売れる」わけではありません。「売れるコピー」を書くためには、読み手を引きつけ、商品・サービスを「欲しい!」と思ってもらうテクニックが必要です。

ライティングテクニック

キャッチコピーでインパクトを与えるブランド広告とは違い、DMコピーを書くためには、キャッチコピー(見出し)からボディコピー(文章)の最後まで、読み手を引きつけてグイグイ読ませる文章スキルが必要です。そのような文章スキルを身につけるためには、コツを覚えて実践することが近道になります。

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心理戦略

売れるコピーにあって、売れないコピーにないもの。それは、読み手の「心理」にはたらきかけるテクニックです。一見普通の文章のように見えても、反応の良いコピーには必ず読み手の興味を惹きつけるさまざまな心理戦略が隠されています。ここではそのなかから、代表的なテクニックを3つ紹介します。

認知的不協和

認知的不協和とは社会心理学の用語で、人が矛盾を感じたときに、心理的な不快感を解消するために行動を起こす心理のことです。これをコピーライティングに応用したのが、矛盾やギャップのあるキャッチコピー(見出し)です。読み手の意表をつき、思わず続きを読ませる効果があります。

認知的不協和を応用したコピー例
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希少性の法則

人はいつでもどこでも手に入るものよりも、手に入りにくいものほど価値が高いと感じる傾向があります。コピーでも、商品・サービスの希少性や限定性をアピールすると非常に効果的です。希少である理由も書くと、より説得力が高まります。

希少性の法則を使ったコピー例
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ツァイガルニク(ザイガニック)効果

会話をしているとき、相手が話を途中で中断したために、余計に続きが気になった経験はないでしょうか?人は完結したものよりも、答えを知らされずに中断されたものの方に興味を引かれるといわれ、心理学ではこれをツァイガルニク(ザイガニック)効果と呼んでいます。

この心理を利用したのが、続きを読みたくさせるティーザー(じらし)コピーです。おもに封筒や見出しに使われます。

ツァイガルニク(ザイガニック)効果を応用したコピー例
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USPとターゲットを知る4つの質問

コピーを書くときに絶対に欠かせないのが、「商品・サービスのUSP」と「ターゲット」についての理解です。USPはUnique Selling Propositionの略です。独自の売りや強みを伝える提案のことであり、その提案をメッセージ化してコピーに落とし込みます。

USPとターゲット、この2つを理解していないと、どんな商品にもあてはまる無難なコピー、誰に向けて書かれたのかわからない中途半端なコピーになってしまいます。

そこで、あなたの「商品・サービスのUSP」と「ターゲット」を知るための4つの質問をご用意しました。ぜひあなたも答えを書き出してみてください。回答はひとつに絞らなくても大丈夫です。4つの質問全てに回答すれば、あなたが書くべきコピーの骨格がみえてくるでしょう。

〈質問1〉ターゲットが抱える問題は何か?

人は何か商品を買う際、信頼できる人から買いたいと思うものです。そして信頼できる人とは、自分のことを良くわかってくれている人です。コピーでも、ターゲットが抱えている問題や課題、悩みを指摘して「私のことを良くわかっている」と思ってもらえると効果的です。

ポイントは、できるだけ具体的にイメージすること。たとえばファミリー向け駅近マンションを販売したい場合、「駅から遠いのが悩み」だけでは不十分。「毎日塾通いしている娘が、暗い夜道を歩くのが心配」というくらいまで掘り下げてみてください。

〈質問2〉問題が解決されていない理由は何か?

「良い物件が見つからない」「不動産屋に通う時間がない」「住み替えで発生する手数料が高い」など、他社の商品・サービスでは問題解決が難しい理由を伝えると、あなたの商品・サービスだけが提供できる解決策への期待を高めることができます。

コピーでは、「Webサイトにあるフォームに希望条件を入力すれば即日ご紹介が可能!管理物件間の住み替えなら手数料も無料です」というサービス内容もあわせて伝えることで、具体的なメリットを訴求することができます。

〈質問3〉なぜあなたの商品・サービスなら問題を解決できるのか?

商品・サービスのUSPと、その必要性をアピールする部分です。たとえばマンション購入の場合、「独自のシステムで手数料が安くなる」「専門スタッフによるサポートでスムーズな住み替えを実現」「管理物件の多さが全国トップクラスのため、どんな希望条件でも対応可能」などを伝えます。

他にも似たような商品が数多くあるなかで、なぜあなたの商品・サービスを選ぶべきなのか?その理由を理解してはじめて、ターゲットはあなたの提案を受けて入れてくれるのです。

〈質問4〉問題が解決するとどんな良いことが起こるのか?

問題が解決したら、ターゲットの生活や仕事はどう変わるか、どんな良いことが起こるのかを書き出してください。セールスコピーの肝である、商品・サービスのメリット(ベネフィット)を訴求するコピーになります。

先ほどのマンション購入の場合なら、「もう暗い夜道を歩く心配は要りません」などが挙げられでしょう。そのほかのサービス例においても、「キレイになる」「健康になる」「社員が変わる」のようなボンヤリした答えでは不十分です。「50代なのに30代と間違われる」「疲れ知らずの毎日が過ごせる」「指示待ち社員がデキる社員に生まれ変わる」など、具体的な未来像を描いてください。

※ここで紹介したのは、いわゆる「感情的メリット(ベネフィット)」です。メリット(ベネフィット)には他にも「機能的メリット(ベネフィット)」と呼ばれるものがあり、商品の特長やUSPに紐づけて考案します。

機能的メリット(ベネフィット)を訴求するコピーの作り方
  • 商品がバスマットで特長が吸収性の高さの場合
「4人家族が全員使ってもサラサラのバスマットです」
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DMコピーの構成パターン

読み手を説得し行動を促すためには、「何を」「どの順番で語るか」ということも重要です。DMのコピーには2つの代表的な構成パターンがあります。

AIDAの法則

DMの構成パターンでもっとも一般的なのが「AIDAの法則」です。

AIDAの法則1

もともとは消費者の商品購買までの行動心理をモデル化したもので、そのプロセスをAttention(注目)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Action(行動)という段階で説明したものです。DMのコピーにおいても、この流れを意識して全体を構成することで効果的に訴求することができます。

それぞれの段階にここまで紹介してきたノウハウを落とし込むと、次のようになります。

AIDAの法則2

AIDAは、とくに期間限定や特定の期間に需要が発生する(引っ越しシーズンなど)商品・サービスのコピーに有効です。

PASONAの法則

もう一つ有名な構成パターンが「PASONAの法則」です。

PASONAの法則1

ポイントは上から2つ目のA(親近感)。たとえば主婦層をターゲットにした化粧品のDMの場合、「毎朝家族の誰よりも早起きして、夜寝るのも最後。忙しくてお肌のケアに時間をかける余裕はありませんよね」という風に共感を示すことで、売り込み臭をおさえて商品を訴求することができます。

これまで紹介したノウハウを落とし込むと、次のようになります。

PASONAの法則2

レター形式DMのコピー例

「AIDAの法則」を使った簡単なレター形式の例文です。ぜひ、ここまで紹介したポイントに留意しながらご覧ください。

レター形式DMのコピー例

おわりに

以上、コピーライティングの基礎知識を紹介してきました。

たくさんのポイントがありましたが、あくまで基本的なものばかり。他にもストーリー型のコピーやさらに興味深い心理戦略など、まだまだ種類があります。あらためて紹介できればと思っていますので、ぜひ楽しみにお待ちください。

コピーの上達法はいくつかありますが、何社か他社のDMを取り寄せて、「いいな」と思うコピーを模写するという方法がオススメです。ただし、漫然と手を動かすだけでは意味がありません。「どういう心理戦略を使っているのか」「メリットはどういう風に表現しているのか」「構成はどうなっているのか」と考えながら書き写すことで、ノウハウを学ぶ以上のスキルを身につけることができます。

この記事を読んだあなたが、すばらしいコピーを書けるようになることを願っています!

タグ : デザイン
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教えて!DM先生 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引14,400社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。