窓付き封筒の種類と書き方の注意点
2024.10.24 2019.09.17ダイレクトメール請求書からダイレクトメール(以下:DM)まで汎用性の高い窓付き封筒ですが、一方で意外とルールが多く、困っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では窓付き封筒を使う上で最低限知っておきたい郵便規則や注意点、さらにDMとしての活用例をまとめました。「どの窓付き封筒を選べばよいかわからない」という方のために種類やそれぞれに合わせた用途も紹介していますので、最適な封筒選びにもお役立てください。
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目次
窓付き封筒の特徴とメリット
すべて紙でおおわれた封筒と違い、宛先や差出人、それ以外の情報を外から見ることができるのが窓付き封筒の特長です。通常の封書よりもコストがかかるにもかかわらず、官公庁から一般企業まで幅広く使われているのには理由(メリット)があります。
窓付き封筒を使用するメリットは次の3つです。
- 個人情報保護にすぐれている
- 封入作業が効率化できる
- 封筒デザインの幅が広がる(DMとして使用の場合)
1つずつ説明します。
個人情報保護にすぐれている
封書の封入作業で多いミスが宛名と封入物の入れ間違い。個人情報の入ったお知らせなら大変なことになります。通常の封筒なら開封してみないことにはわかりませんが、窓付き封筒なら宛名が封入物と一体化しているので、そのような手間も心配もいりません。
発送業務が効率化できる
宛名の記入やシールの作成・貼り付けといった作業が不要なので、発送業務が大幅に効率化できます。そのため、定期的かつ大量に送る郵便物に適しています。また手書きや印字に比べて水に強いことも利点です。
封筒デザインの幅が広がる(DMとして使用する場合)
窓から中身を見せられる分、通常の封筒よりもデザインのバリエーションが増えます。DMなら、クーポンやオファー(特典)をチラリと見せれば開封率アップも期待大。この記事の最後でいくつか例を紹介していますので参考にしてください。
要注意!封筒の窓についての郵便規則
郵便物として使用する窓付き封筒の窓の仕様については、郵便法によっていくつか規定が定められています。誤って送ってしまうと郵便局の仕分け機にかからず、到着が大幅に遅れる場合もあるので注意してください。
窓のサイズと位置
縦向き封筒
- 宛名用窓、宛名用以外の窓ともに、上部35mm以上・左右下部12mm以上内側のスペースに設置します。
- 宛名用窓の大きさは各辺「60/90/100mmのいずれか × 45/55mmのいずれかの長方形」と定められています。
- 宛名用以外の窓(差出人名など)は、宛名用窓の下に30mm以上離して設置します。
- 宛名用以外の窓は窓が設置可能なスペース内ならサイズは不問です。
横向き封筒
- 宛名用窓、宛名用以外の窓ともに、上左下部12mm以上・右部12mm以上内側のスペースに設置します。
- 宛名用窓は左右どちらにでも設置できます。
- 宛名用窓の大きさは各辺「60/90/100mmのいずれか × 45/55mmのいずれかの長方形」と定められています。
- 宛名用以外の窓(差出人名など)は、宛名用窓から30mm以上離して反対側に設置します。
- 宛名用以外の窓を右側に設置する場合、サイズは「30mm以下 × 60mm以下の長方形」と定められています。
- 宛名用以外の窓を左側に設置する場合、窓が設置可能なスペース内ならサイズは不問です。
宛名の記載・見せ方のルール
続いて、封入物に宛先を記載・印刷する際に注意すべき、受取人住所・氏名の見せ方のルールを紹介します。
- 宛先住所は窓の長辺と平行になるようにする。
- 封筒を動かしても郵便番号や宛名が窓の外に隠れないようにする。
宛先の下にカスタマーバーコードを記載する場合も隠れないようにしてください。
- 裏の文字が透けない紙を使う。
- 窓の素材は宛先住所がはっきり見えるものを使う。
窓に使用する素材は透明度が20%以下のものと決められていますが、判断が難しい場合は、郵便局や発送代行会社に確認することをおすすめします。
窓付き封筒の切手を貼る位置
窓付き封筒の切手を貼る位置は通常の封筒と同じです。縦向きの封筒は左上、横向きの封筒は下のように右上に貼ります。
切手が2枚以上の場合は右側の例のように横に並べて貼ります。
窓付き封筒の種類
窓付き封筒には、窓の素材や加工が異なるいくつかの種類があります。ここではそれぞれの特長と最適な用途について紹介します。
セロ窓封筒
セロファン(フィルム)を素材に使った、最もポピュラーな窓付き封筒です。特長は透明度の高さ。デザインよりも見やすさが重要な請求書や納品書などに使用されています。強度にもすぐれ、破れにくいのも利点です。
一方で熱に弱いという弱点があり、レーザープリンタによる印刷加工には適していません。廃棄する際はセロファンと封筒の紙を分別する必要もあります。
グラシン窓封筒(エコ窓封筒)
グラシンとは光沢と透明感のある薄い紙で、古本のカバーなどにも使われています。セロファンに比べると透明度も強度も劣りますが、熱には強く、レーザープリンタで封筒を印刷しても波シワができにくいという特長があります(ただし湿気に弱いため保管には注意が必要です)。
素材が封筒とおなじく紙なので、廃棄の際に分別の必要がなく、環境に優しいのもメリット。そのせいか、エコ(ECO)窓封筒と呼ばれることもあります。未晒(みざらし)クラフト紙など、オシャレな印象を与える紙の封筒との相性も良く、デザインにこだわったDMにも適しています。
プラ窓封筒(ワックス窓封筒)
他の窓付き封筒のように窓用に素材を貼り付けるのではなく、封筒の一部を特殊加工して透明化し、窓にした封筒です。
封筒と窓が一体化してフラット状になっているので、封入機で封入する際に引っかかりがなく、大量の発送物に適しています。官公庁や自治体からのお知らせに使われているタイプです。
窓ヌキ封筒(オープン窓封筒)
窓部分に何も貼っていないタイプの封筒です。封入物が傷つく恐れがあるため、郵送には使用できません。手渡しの書類や、商品パッケージとして利用されています。
開封率アップに!DMでの窓付き封筒活用例
封筒の窓をうまく使うことで、DMの開封率アップも期待できます。ここでは、DMを受け取った人に思わず「開けて中を見てみたい!」と感じてもらえるようなユニークな活用例を紹介します。
「和」の雰囲気を出すなら縦型窓
年賀DMや和風にこだわった商品のDMなど、デザインで「和」の雰囲気を出したいときに使えるのが縦型窓。下の例は、ある通販会社が実施していた和風バースデーDMです。(イラストはイメージです。実際のデザインとは異なります。)
このように、封筒と宛名用窓だけでなく、宛名までも縦書きになっています。開封してみると・・・
宛名を記載した紙の中面が誕生日メッセージを伝える挨拶状になっていて、それも縦書きに。デザインの統一性もさることながら、封筒から中身をとりだした後、紙の向きを変えることなくスムーズに読めるように設計されている点も見事です。
宛名用以外の窓のユニークな活用例
続いて紹介するのは、宛名用以外の窓を効果的に使ったアイデア例です。まずは、家具会社の会員向け招待販売会のDMから。
封筒の窓を家の窓として使っているところがユニークですね。人は物事の一部分だけ見聞きすると続きや全体が気になるものですが、その心理を突いたチラ見せ感が巧みです。
続いても窓を窓として活用した例。
動物病院のDMで、こちらの窓はペット用キャリーケースの窓になっています。どこか遊びの要素が感じられ、子ども受けが良さそうなところもポイントかと思います。
おわりに
以上、窓付き封筒について解説してきました。
本コンテンツでは、他にも封筒に関するルールやビジネスマナー、発送に役立つノウハウなどを紹介しています。ぜひ御社の業務やコスト削減に役立てください。
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教えて!DM先生 編集部
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